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昔語り

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レンタル障がい者が元気だった頃のはなしです。
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思い出したこと

思い出したこと

 上でも書いているが酒は嫌いではない、誘われれば飲みに行く、ただ家では飲まないだけだ。無論今ではこんな身体ということもありまた、こんなご時世ということもありということで飲みに出ることはない。どうせ誘ってくれる同僚や上司はいないしね。
 職場が病院、クリニックということもあって、こちらから誘うとすれば数少ない男性スタッフくらいなものだった。
 長く勤めたクリニックのある場所はすぐ近くに飲み屋街があり

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旅の醍醐味

旅の醍醐味

 昔からの趣味に旅行がある。
 無論一人旅だ。思い立ったが吉日とばかりに出かけるので他人とスケジュールを合わす暇はないから。
 田舎に住んでいる頃は車でいろいろまわった。
 日本全国で車で行くのが難しい北海道と沖縄以外は全ての都府県は回った。
 殆どの宿泊は車中で、気が向いたら旅館に、とホント気の向くままに走り回っていた。
 春先の東北でドカ雪に降られたり、高速道路を気づかないままスピード違反して

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病院

病院

 私の病気になる前の勤務先は医療機関。言うなれば病院、クリニックと呼ばれるところだ。
 この病院、クリニックというところは女性の職場である。これは間違いない。職員の大多数は女性である。病院の医師の世界は側から見ていると私が仕事をしていた頃は徒弟制度を引き継いでいたように見えた。若い医師を見ていると、大変だなという感想しか出てこなかった。故に医師は男社会の典型に見えていた。
 しかし医師以外、コメデ

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旅行

旅行

 昔からの趣味に旅行がある。
 病気になる前いなかに住んでた頃は車で思い立ったらドライブがてらあちこちに出かけたものだ。温泉が好きだったから今回はあそこの温泉に行ってみようなんて感じで、泊まりは車の中で充分だから宿の心配はしたことなかった。
 関東に移り住んで車の維持が負担になったので車を手放したのだが趣味の旅行は続けていた。鉄道旅と名前を変えて。関東を中心にして暇ができたらいろんなところに行った

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人工呼吸

人工呼吸

 救急救命の基本のABCというものがある。
 今ではABCではなくCABなんだそうだが。
 そのABCとは
◉A Airway 気道確保
◉B Breathing 人工呼吸
◉C Circulation 心臓マッサージ
これらの三つをまずこの順番でしましょうと言うことだ。
私が学生のころ、ボランティアの一環で救急救命の講習を受けたことがある。ABCの基本を習いそのダミーの人形を使って練習をした。

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医療従事者として働いていた時

 私は医療従事者として病院で働いていた。
 まだ看護師の資格を取る前の話だ。
 詳しく言うと透析室で働いていたのだが病院の透析室ということもあり入院患者さんも多くいた。
 その中に20代前半の女性がいた。
 病名はすでに失念したが幼い時から入院ばかりしている方だった。すでに今回の入院も長くなったので関連病院に転院となった。その時は笑顔で転院していった。
 それから数ヶ月後私がその病院に転勤となった

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医療従事者として働いていた時 2

医療従事者として働いていた時 2

 看護師資格を取る前だが透析室で働いていた時のことだ。
 透析を始めたばかりの多分70〜80代だったかの女性のことだ。
 当時の透析室では、週一で血中の電解質をチェックしていたのだがその患者さん、K値がああがっていた。普段は正常値内だったからおかしいということで話を聞いた。
 血中K値が上がりすぎると心停止の危険性が上がる為、上がった原因を聞いてみた。血中K値は基本なまものを食べると上がる。はっき

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病院実習

病院実習

 医療系の学校には病院実習というものがある。
 私も計三つの医療系学校に通ったのでそれぞれで実習があった。
 一つ目は臨床工学技士の実習、この資格の学校はできたばかりで、学校としても受け入れ先の病院にしても手探りで実習をしていた。ほとんど毎日控え室で記録を書いたり医学書を読んだりだった。他の実習も殆どが見学だった。オペ室の実習は、ひたすら立ちっぱなしで辛かったのを覚えている。言い換えれば残っている

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病院での夜勤でのこと

病院での夜勤でのこと

 短い間だったがとある病院で看護師として病棟勤務の経験はあり、よって三交代、二交代をしていた。そんな中とある経験?をした。
 それは今のような夏だったと記憶しているがその時は身体障害児の病棟で勤務していた時のことだがそこは二交代だから交代で仮眠を取るのだがその時は詰所に一人になる時間がある。
 その時だが病室の奥から水の流れる音がした。
 病室には基本水関係の設備はなく、入院している方は身障者で自

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看護師として働いていた時

看護師として働いていた時

 昔看護師として一年位重心、重度心身障害児の病院で、仕事をしていたことがある。
 重度心身障害児、今では重症心身障害児と呼称されるみたいだが、文字通り知的、身体の障がいのある小児を入所してもらい、適切な看護、介護を提供する施設での仕事だ。
 そこにいるのは重症心身障害児の子供達だ。疾患としては先天性の異常で普通に体が動かせない子や、脳性麻痺で体はおろか発語、呼吸まで難しい子などいろんな子供がいた。

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