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これは貴女と寝転がった芝生ではない
バレンタインデーに女性が男性にチョコレートを送るという習慣、これは馬鹿にできないものだと思う。明治政府発足以来続く薩摩武士の怨念が働いて当朝は男女平等の精神に欠けている状態が続いているが、このバレンタインなる奇怪な催しによって本来当たり前である「女性にのみ男性を選択する権利が神から与えられている」ことを突きつけられる気がする。企業の販売戦略がきっかけだったとしても、この女性に選択権を持たせることは
もっとみるこれは貴女と行った海ではない
受難の時代である。インターネットの普及にかつて見出した光はすでに曇ってしまった(あえて柔らかい表現を使うならば)。駄文、駄文、駄文の嵐が吹き荒れている。私は我慢がならない。最早どんな場所も糞溜めだ。私が才能を認めるような書き手には何がしかの矜持があった。正当性を欠いた怒りの発露こそ、一服の清涼剤である。だが現状はどうなっている?誰もが商売人のように自分たちのかつて誰かが既に作った定型文(ダブン)を
もっとみるゼリーが凍らせてあります
豊満な肉体が好きだ。だが、何を基準に豊満か貧弱かの判断をくだすのか。古いところでマリリン・モンローやアグネス・ラムの肢体。新しいところで、いや新しい人のことはわからないけれど、まあ骨盤がどっしりしている肉付きのしっかりした女体を豊満と呼称するのだろう。逆に考える。貧相貧弱な肉体に嫌悪感があるだろうか。それはもちろん無いと信じる。誰だって生まれてきてオンリースペシャルワンな存在であるから、外殻の美醜
もっとみる夜のシルバー人材センター
田舎暮らしを夢見て、引っ越しを考えたのであるが調べてみれば、田園というのは厄介ごとが多くて心弱りした。それでやや田舎の内陸部の斜陽工業都市あたりにひとまず腰を落ち着けることになったのであるが、これは小さな花の東京がそこかしこに芽吹く自家中毒都市である。必要性のない商品が漫然と置いてある商店や女の子と楽しくお酒がカジュアルに呑める酒場などに事欠かない。中原はポケットに手を突っ込んで下を向いて歩いてい
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