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短歌・詩・俳句

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短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
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#秋

栗ご飯

栗ご飯

哀しみは透明なビンに詰められて駄菓子屋に並んでいるマーブルチョコ

透明なビンにこっそり溜めてきた哀しみがもうあふれてしまう

まるで思春期の中高校生が歌うような感傷的な歌かもしれません。
でも、61歳になっても、精神は18歳?。成長しません。

それでも、日々はそんな感傷に浸れるほどの余裕もなく、怒涛のように過ぎていきます。
そんな自分にちょっとご褒美。

がんばって今日生きました栗ご飯

今日の秋

今日の秋

今、勤めている学校は校庭に沿うように山があり、イノシシがテニスコートに出没したり、やたぬきが校舎内に迷い込んだりもします。

お堀の名残の池にはカワスミが来たり、今はカモが渡って来始めました。コイもいれば、夏にはウシガエルが異様に大きな声で鳴いていたりもします。

そんな池の周りでこんな実が生っているのを見つけました。
何だかお分かりになりますか?

アケビです。
木通とか、通草とか書くようですが

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秋

ふと僕はここに置かれて夕暮れの野の寂しさに包まれていた

夕暮れの光に僕が包まれて消えゆくまでをじっと見ている

輪郭は次第しだいに奪われていつか私は芒であった

秋は何故が自分の存在が希薄になるような、そんな気がしてなりません。

蛇足です。「秋」を調べてみました。

■秋の「語源」
『日本国語大辞典』には12の諸説が紹介されています。
➀食物が豊かにとれる季節であることからアキ(飽き)の義

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秋ですね

秋ですね

柿の木に柿の実がなり秋来る

ばかみたいに単純な句ですが、先週の台風で延期された試合がこの三日間で行われ、何とか終わりホッとした~という感じで呟いてみました。

夕方、一時間くらい陽があったので、慌てて家の周りの「秋」を集めてみました。noteも自転車操業です。

蕎麦の花 シルバーウィーク終はりけり

栗むいてやっとこさっとこ栗ご飯

猫の見る秋の田んぼの稲孫かな

一瞬何だかわからないけど う

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秋の歌

秋の歌

秋が奏でるヴィオラの音の寂しさに木々の葉は揺れるしかない

この明るさの中へ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐えかねて
琴はしづかに鳴りいだすだらう

これは八木重吉の詩ですが、平明な言葉、繊細でつぶやくように慎み深く、でも秋の清明な空気や美しさを見事に表現しています。
いい詩だなあと思い、趣向を真似て冒頭の歌を作ってみました。

もう一首。

柿ひとつゆわんと熟るる青空を 頬杖をつき秋が

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秋空を飛ぶ机

秋空を飛ぶ机

白く鳴る風鈴鈴虫せせらぎのすがしさに似て孤独といふは

眠りゐる時のみわれは宥されて秋満つる野に輝く蜻蛉

テスト監督に教室に行くと
どのクラスの黒板にも
「机は空に」
と、当たり前のように書かれていて
もちろんそれは
不正行為防止の注意なのだが、

いつも僕は一瞬、
机が空を飛んでいる光景を
ふと思い描いてしまう

秋の青空を机が飛んでいる光景・・

秋は寂しいと言われる
それは、煩雑な夏を越え

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抱き枕

抱き枕

僕は、掛け布団を抱きかかえて眠るのですが、聞くところによると、このタイプの人間は寂しがり屋なのだそうです。皆さんはいかがでしょうか?

掛け布団を両腕で抱きかかえて寝ると、背中が出てしまうというので、カミさんが「抱き枕」を買ってくれました。全体が「魚」のデザインっぽいやつです。

もっとやわらかい物かと思っていたのですが、意外と明確な物質感があって、布団を抱きかかえる心地よさに比べると、かなりの違

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風の時間を生きる

風の時間を生きる

輪郭は次第しだいに奪われて いつか私は芒であった

人はみな風の時間を生きるゆゑ 秋の野にふと置かれた芒

秋の夕日の中で、自分の存在の輪郭が薄らいでゆき、風景そのもの中に溶け込んでいってしまうような感覚。僕が消え去った後に残るのは、夕日を背景に揺れる芒(すすき)の景。人は、はかない風の時間を生きる、秋の野に置き忘れられた芒かもしれない・・。

・・みたいなことを考えていたのですが、昨日、プレバト

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青空の歌

青空の歌

今日は一日雲ひとつない快晴でした。

いかにも「ああ、秋だ」と呟いてみたくなる秋空。

澄んだ空気、稲は刈り取られ、夜には虫が鳴き、月は(これは昨日の宵の写真ですが)ほぼ真ん丸。
柿は熟して黄色、橙色の実を青空に浮かべています。

青空にゆわんと柿は熟れてゐて どうにかならないことなどないさ

と、思ってみました。

車に乗ろうとエンジンをかけた瞬間、車(ナビ?)が「今日は空の日です」と言っていま

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まるまって猫の背中が語る秋

まるまって猫の背中が語る秋

暑い夏と思っていたら昨日は突然秋めいて
ここ御殿場では、ほとんど寒いといった感じでした。
みなさん、お体、大丈夫でしょうか。

夏中、わが家の猫は
暑さを逃れて
家の中にはご飯を食べる時くらいしか戻って来ず、
まるで野良猫のように
屋外や、ガレージを棲み処にいていますが、
昨日はさすがに寒かったようで、
やっと家に戻り
カミさんの枕を横取りして就寝。

猫は気まま。
その、ほとんど我儘のような気ま

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