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「ソウルドアウトはドラえもんのような存在」。事業成長を目標に、同志となってROAS"3倍"・売上"1.7倍"を達成

Amazonの広告で、ROASが3倍、売上が1.7倍になったという事例を聞きつけました!アンバランスだったポートフォリオを改善していったとか。

編集長のみやたけ(@udon_miyatake)が、オフィス用品メーカーのフェローズジャパン株式会社の加藤 かとうさんとソウルドアウトの長谷川 はせがわ@TaichiHasegawa_)との対談の様子をお届けします。

フェローズジャパン株式会社
https://fellowes.co.jp/
創業:1917年(日本法人 / 1997年)
本社:東京都品川区
事業内容:オフィス用品メーカー

Amazon.co.jp: フェローズ

アメリカ発のオフィス用品メーカー 

─── はじめに、フェローズジャパンさんについて教えてください!

加藤:フェローズジャパンは、1917年にアメリカ・シカゴで創業したオフィス用品メーカー、フェローズの日本法人です。日本法人の設立は1997年で、シュレッダーやラミネーター、バンカーズボックスなど紙に関わるオフィス用品のほか、空気清浄機やオフィスチェアなど、オフィス全体のソリューションを提供しています。

*バンカーズボックス

─── 加藤さんはどのような業務を担当されているのでしょうか?

加藤:私は入社して8年目で、営業とマーケティングを担当しています。

マーケティングの業務としては、自社サイトやAmazonの運営と広告まわりのこと、SNSの運用など、マーケティングコミュニケーションといわれる領域を主軸に、バンカーズボックスのプロダクトの責任者も務めています。社員20名ほどの会社で、できることは全てやっていますね。

コロナ禍での在宅需要の高まりと、ソウルドアウトとの取り組み

アンバランスなポートフォリオからスタート

─── オフィス用品というと、コロナ禍では在宅勤務の方が増え、その影響を大いに受けたのではないでしょうか?

加藤:在宅需要が高まったことは、むしろ売上増加の後押しになりました。2020年、Amazonの売上は過去最高を記録し、会社全体の売上は昨対比170〜180%の売上成長を達成しています。

2019年の10月からソウルドアウトさんと広告の取り組みを始めたことに加えて、在宅需要が後押しとなり、売上の右肩成長に繋がりました。

─── 広告とコロナ禍の在宅需要の高まりが売上成長に繋がったんですね。ソウルドアウトにお声がけいただいたきっかけを教えてください。

加藤:2008年頃からAmazonで販売を始め、2018年頃からは売上拡大を目指して広告を配信していました。Amazonのポテンシャルは大きいとわかってはいるものの、リソースが追いつかず十分に使いこなせていない状態だったので、広告代理店を探していたんです。それでソウルドアウトさんを紹介していただきました。

長谷川:お取り引きを開始して以降、フェローズさんはどんどん伸びていきましたよね。最初に加藤さんから「オフィス用のシュレッダーの売上構成比率が低い」とお問い合わせをいただいたのを覚えています。

─── どのようなポートフォリオだったのでしょうか?

加藤:ガタガタでしたね(笑)。バンカーズボックスと小型シュレッダーが売上の大半で、とてもアンバランス。ポートフォリオをバランスの取れたものにしつつ、売上の底上げもしていきたいと思っていたんです。

長谷川:オフィス用の大型シュレッダーは単価が高く、売上を伸ばすことができれば、ポートフォリオも綺麗になりますし、費用対効果もとても高くなるだろうと思いました。

きちんと価値を伝えれば買ってくれるという確信

─── オフィス用の大型シュレッダーはBtoBの商品ですが、Amazonでも売れるようになっていったのでしょうか?教えてください!

加藤:まず、ソウルドアウトさんと取り組みを始める前、大型シュレッダーの購入理由を自分で調べてみたんです。すると、シュレッダーに関する情報がインターネット上のどこにも載っていないために、商品の比較はせず、普段オフィス用品の取引をしている業者から買う、という購入者が大半でした。

商品の良さをしっかりと伝えることができればオンラインでも売れるだろう、という結論に行き着いたんです。それでAmazonでも売っていこうと考えました。

フェローズの独自テクノロジー『AccuFeed System™(アキュフィードシステム)』が、大量の書類を確実・安全、スピーディに処理します。

─── ご自身で調べられたんですね!おもしろい結果です。

加藤:加えて、Amazonに大型商品を配送するサービスがあり、それをはじめたことも売上成長の後押しになりました。Amazonの配送ネットワークを使い、フェローズから直接お客様に発送するサービスです。

Amazonにはまだ競合も出品しておらず、絶対にいける、という確信がありました。

ポートフォリオをバランスよくするための広告施策

─── ソウルドアウトとしては、どのようなことをしていったのでしょうか?

長谷川:まず、フェローズさんが運用していた広告アカウントを全て拝見しました。アカウント構成では、広告のキャンペーン設定をカテゴリーと配信面ごとに細分化し、ポートフォリオが平均的になるよう取り組みました。

加藤:ソウルドアウトさんにすべてお任せするというのではなく、専門的なこともわかりやすく教えてもらいながら一緒に取り組んできたイメージです。毎週レポートをいただき、電話でも頻繁にやりとりをしていました。思い出に残る1年でしたね(笑)。

長谷川:トライアンドエラーの繰り返しでした。加藤さんはお伝えするとすぐに確認してお返事をくださるので、スピード感をもって施策を進められたことも成果の向上に繋がりました。

─── 当時はAmazonでBtoB向けの商品を売ることは少なかったと思いますが、運用上で工夫していたことはありますか?

長谷川:オフィス用の商品なので、企業の方が土日に商品を探すことはありません。配信を始めてみて、やはり獲得率が低いとわかったので、土日は配信を停止し、効率的な配信をしました。

ユーザー視点でほかの商品との差別化ポイントを見つける

─── どんなことを意識して広告の施策に取り組んできたのでしょうか?

長谷川:実際の商品に触れてユーザー視点をもち、広告のクリエイティブを制作していました。コロナ前には、フェローズさんのオフィスに月に2、3回行ってシュレッダーを見せてもらっていましたね。

実際に見てみると様々な種類のシュレッダーがあり、大変勉強になったのと同時に、どのようにユーザーに伝えるかを意識しながら、理解を深めていきました。最も印象に残っているのはオートフィードシュレッダーです。複数枚の紙をまとめて機械に投入し、ボタンを押すだけで細断してくれるものでした。

シュレッダーは業務効率化のための機械なのに、結局終業前になると行列ができてしまっている光景をよく見かけます。フェローズさんのシュレッダーなら、紙を束で入れられてきちんと細断できる。文章で魅力を伝え、いかに差別化できるかにこだわりました。

加藤:会社まで何度も通っていただきました。広告代理店という枠を超えていますし、めちゃくちゃ細かいところまで商品の話を聞いてくれるんです。そんなにシュレッダーのことを知ってどうするの?と疑問に思うくらいでした(笑)。

Amazonの売上は1.7倍・ROASは3倍に成長

オンラインで大型シュレッダーを売るというモデルをつくった

─── 取り組みを続けて、どのような成果に結び付きましたか?

加藤:社内で運用していた頃と比較して、Amazonの売上は1.7倍、ROASは3倍に成長しました。

─── なんと!売上が1.7倍に。当初課題に掲げていたポートフォリオの変化も関係しているのでしょうか?

加藤:そうですね。もともとバンカーズボックスの売上がシュレッダーを上回っている状態だったのですが、シュレッダーが最も大きくなり、かつ、シュレッダーのカテゴリ全体の売上を伸ばすこともできました。

Amazonでも大型シュレッダーが売れるようになり、「オンラインで大型シュレッダーを売る」というモデルができましたね。コロナ禍でオフィス需要がなくなり、大型機種の売上は一旦下がったものの、感染状況が落ち着いた2020年の秋頃からは徐々に回復していきました。

フェローズの大型機種は1台10~15万円で、シュレッダーの中でもハイグレードなものではありません。Amazonでは、小規模事業者さんたちが購入してくれるようになった印象です。これまでは、卸売業者への売上が最も大きかったのですが、Amazonでの売上が逆転しました。今では、他社もAmazonで大型シュレッダーをどんどん売り出し始めていますね。

バンカーズボックスはBtoC向けに売上が大幅成長

─── 他社が追随するようになっていったんですね。バンカーズボックスの状況はどうでしたか?

加藤:もともとバンカーズボックスの領域では、大手オフィス用品の販売会社が圧倒的でしたし、購入しているのはほとんどがBtoBのお客さまだったんです。

しかしAmazonで広告を始めてから、BtoCのお客さまの購入がBtoBのお客さまの購入を上回るようになりました。オフィスで書類を保管するために使われていたものが、ご家庭の収納ボックスやインテリアとしても使っていただけるようになりましたね。

─── BtoCのお客さまにも支持されるようになったんですね!

加藤:バンカーズボックスを買う理由として多いのは「かっこいいから」なんです。使いやすさや強度はその次。

私はバンカーズボックスのプロダクト担当として、Instagramではその「かっこよさ」を感じられる世界観をつくれるよう意識して運用しています。知人のカメラマンに依頼し、使っているシーンを提案するような写真を投稿しています。

@bankersbox_jp_official

シュレッダーも含め、フェローズというブランドをかっこいいと思って選んでくださる方が多いんです。ソウルドアウトさんも広告のクリエイティブ制作の際に、フェローズの世界観を大事にしてくれるのでとても嬉しいです。

─── BtoBだけではなく、BtoCのお客さまにもかなり認知が広がったといえそうですね!

加藤:そうですね。コロナ禍では、BtoB向けのオフィス用品の製造や販売を行なっている会社は軒並み売上が下がっているような状況でした。

ですが私たちは、Amazonでの取り組みと在宅需要が重なり売上成長を達成できました。特に、これまで全く売れなかったプライムデーに山ほど売れたときには本当に驚きましたね。

組織の考え方も変化。売ってきてもらうスタイルから、買ってもらうスタイルに

─── Amazonのほかに、ソウルドアウトと新しく取り組み始めたことはありますか?

加藤:チャットボットの導入です。きっかけは、広告をお願いするようになったときと同じで、中小企業ならではのリソース不足の問題ですね……。

長谷川:ある日の打ち合わせで、加藤さんが「カスタマーサポートの人員が足りない」とポロッと漏らして。それでチャットボットの提案をしたんです。

加藤:そうでしたね!事務機や文具などオフィス用品の卸売業者は、昔ながらの商売をやられていてデジタル化が進んでいないことが多く、電話での対応がほとんどで。しかし、カスタマーサポートの人員が減ってしまい、全ての電話を受けきれないという問題がありました。コロナ禍で余裕ができてきたので、何とかしたいと思っていたんです。

ソウルドアウトさんには何でも相談してしまうんですよね。ドラえもんみたいな存在です(笑)。

長谷川:ありがとうございます(笑)。

─── その後、いかがでしょうか?

加藤:最初はめちゃくちゃ苦労しました。必要のないことをやってしまったのではないかと心配していたほどです。ですが、カスタマーサポートの担当者が粘り強く試行錯誤を続けてくれて、AIの精度は高まり、電話の数が減ってきたという話を聞いています。

今後は、接客ツールとして使い、売上にも繋げていけるようにしたいですね。カスタマーサポートはお客さまと一番近い距離で対峙しているので、その声を大事にしたいです。

─── 新しいことにチャレンジしていくとき、社内で反対を受けることはないのでしょうか?

加藤:もちろんありますよ(笑)。ですが、皆と話し合い賛同してもらった上で進めています。

例えば、直接お客さまに販売できるAmazonは、私たちのようなメーカーで卸売業者と取引している会社にとって嫌われ者です。ですが、ソウルドアウトさんと取り組み始めてから、社内でずっと「売ってきてもらうスタイルから、買ってもらうスタイルにしよう」ということを言っています。

─── 「売ってきてもらうスタイルから、買ってもらうスタイルにしよう」。かっこいいですね。

加藤:ありがとうございます。お客さまにとって何が一番いいのかを考えて、いろいろなことにチャレンジしていきたいですね。

ある商品では、自社ECサイトの方がAmazonよりも価格が高いのに、Amazon Payで多くの方が決済されています。Amazonをやめたほうが売上が上がるのではないか、という意見もあると思います。しかし、お客さまの価値観は様々です。最も親和性の高いところから購入していただければと思っています。

私たちメーカーは、商品を作ったら情報をどんどん出して、広告で見に来てくれる人を増やす。購買意欲を高めて、広告がなくても買ってしまう、という状態をオンラインでつくっていきたいです。

今では社内で「Amazon限定の商品を作ろう」という話も上がります。考え方が変わってきていることを感じていますね。

自社サイト(*右下にチャットボット)
自社サイト(*クリックすると立ち上がります)

中小企業だからこそ、社外から新しい視点を取り入れておきたい

─── 長谷川さんは、加藤さんに対してどんな印象をもっていますか?

長谷川:加藤さんは考えるのが大好きな方です!そしてそれをどうやって実現し、消費者の方に伝える方法を考えるのが僕らの価値だと思っています。加藤さんの構想を聞いて一緒に議論するのがすごく楽しいです。いろいろ教えてくれますし。本当のパートナーという感じです。

加藤:毎回、打ち合わせのあとは反省しています(笑)。また余計なことを言ってしまったなあ、とか(笑)。

長谷川:いえいえ、そんなことはありません(笑)。

加藤:でもそうやって長谷川さん含めソウルドアウトの皆さんと話すうちに、次にやりたいことが浮かんできたり、引き出してくれたりするんです。本当にフェローズのことをわかってくれているんだと感じます。

─── 壁打ち相手のような存在なんですね!今後、Amazonを社内での運用に戻す予定はないのでしょうか?

加藤:今のところはありません。Amazonに限らず、社内で全て完結してしまうと、視野がすごく狭くなってしまうと思うんですよね。会社が許してくれる限り、できるできないに関わらず、社外から常に新しい情報を取り入れておきたいです。

また、利益率を考えたとき、やはり自社サイトが最強だと思っているので、そこを伸ばしていくためにAmazonから学んでいきたいです。私たちフェローズが生き残るためにできることが優先順位としては高く、それが今はAmazonです。重要な販路ですし、Amazonでできることもどんどん増えています。ソウルドアウトさんの力をお借りして頑張りたいです。

今後の展望

─── これからもよろしくお願いします!会社として今後チャレンジしていくことを教えてください!

加藤:オフィス家具や空気清浄機に力を入れ、売上構成比を変えていかなければならないと考えています。

世間では、ペーパーレス化といわれて何年も経ちますよね。ですが私たちフェローズの売上構成比としては、シュレッダーの割合がまだまだ大きいんです。また、バンカーズボックスをいくら頑張って売ったとしても、やはり紙なので、機械系の商品に比べると単価も安く、広告の費用対効果を考えてもあまりよくないので。

今まで通り、積極的にサポートいただけると嬉しいです!

あとは、ソウルドアウトさんができることをもっと知りたいです。事業領域を拡大していると思うのですが、何ができるかわかれば、お願いしたいことも出てくると思うので。

長谷川:ありがとうございます!今私は、Amazon領域に限らず、D2Cの商品開発の支援もしています。いろいろなお客さまとブランディングからつくっていくイメージです。広告のみならず、お客さまの事業成長を支える存在になりたいです。

加藤:そうなんですね。広告代理店では終わらないところがソウルドアウトさんの魅力ですね!今後ともよろしくお願いいたします!



編集後記
中小企業さまならではの課題を両社で解決していったストーリー。インタビューでは笑いが絶えず、とてもいい関係が築けていることを感じました。Amazonだけ、広告だけやってもちろん売上が上がるわけではありません。お話を伺い、チームとして両社が同じ目標を掲げて取り組んだ結果だと感じました。

【インタビュー・執筆・編集:みやたけ(@udon_miyatake)】

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