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Amazonスポンサーブランド動画広告の攻略法とは。ポイントは検索連動型を意識したクリエイティブ。- リチカ × ソウルドアウト 事例創出プロジェクト -

こんにちは🌞公式note編集長のみやたけ(@udon_miyatake)です!

早速ですがみなさん、Amazonで動画広告を見たことのある方はいらっしゃいますか?2020年12月から始まったそうで、これから出稿企業が増えてくる段階にあります。

そしてこの度、Amazonスポンサーブランド動画広告の攻略法を探るべく、運用型クリエイティブクラウド「リチカ クラウドスタジオ」を提供する株式会社リチカとソウルドアウトとが協力。PDCAを重ねてわかってきた広告クリエイティブのノウハウを、早速聞いてきました!

広告クリエイティブは”媒体最適化”させることが大事。運用型クリエイティブの考え方

─── はじめに、妹尾さんの自己紹介をお願いします!

妹尾氏:株式会社リチカで事業開発の責任者を務めています。リチカでは、誰もが簡単にノウハウがなくても動画を作ることのできる、運用型クリエイティブクラウド「リチカ クラウドスタジオを提供しており、多くの企業のマーケティング施策に使っていただいています。

事業開発部門は、大きく3つの柱で取り組んでいます。1つ目はFacebookやヤフーといった大手広告プラットフォームとのパートナー事業です。プラットフォームごとにどういったクリエイティブで成果が出るのか検証してノウハウを蓄積し、より多くの方にトライしてもらい、成果を最大化できるようにしたいと考えています。今回のソウルドアウトさんとの取り組みもここに含まれます。

2つ目は、テクノロジーとクリエイティブで企業のマーケティング活動を支援するリチカの提供価値の可能性を広げるための新たなサービスの開発です。「リチカ クラウドスタジオ」を利用してくださっている企業に対して、クリエイティブの側面だけではなく、デジタルマーケティングのご支援をしていきたいと思っています。

3つ目は、マイナビ転職など広告媒体を販売しているプラットフォーム型メディアとのアライアンス事業開発をしています。

─── ありがとうございます。リチカさんの提唱する「運用型クリエイティブ」とはどういった意味でしょうか?詳しく教えてください。

妹尾氏:広告クリエイティブを量産・改善し、データをもとに効果検証と改善を行なっていくことで成果の最大化を目指す新しいクリエイティブの考え方です。

背景には、デジタル広告を取り巻く昨今の環境の変化があります。顧客や顧客接点の多様化、世界的なプライバシー保護の影響などをうけ、これまでのアカウント設計の運用改善からクリエイティブを中心としたPDCA運用が求められていることがあります。

─── では、運用型クリエイティブの考え方において、どのようなことに注力していけばいいのでしょうか?

妹尾氏:まず、最も重要だと考えているのが、各媒体の配信面に最適化させた広告クリエイティブが必要です。その上で、「誰の、どのような問題を、どういうふうに解決するのか」というメッセージング設計とどのように検証を回してくのかというプランニングが大切になります。

媒体や配信面ごとにユーザーの視聴環境や視聴態度は違っていて、全く異なる広告クリエイティブが求められます。各媒体、各配信面の特性を理解し、それぞれに最適化させて制作していかなければなりません。

─── なるほど。しかし、各媒体、各配信面の最新状況をキャッチアップして、最適化した広告クリエイティブを量産していくのは難しそうに感じました……。

妹尾氏:そこで利用していただきたいのが、クリエイティブとテクノロジーの力です。リチカで提供している「リチカ クラウドスタジオ」を利用して、広告クリエイティブを量産し最適化して、運用型クリエイティブを実践していくというやり方です。

最初にお話ししたように、私たちリチカは、大手広告プラットフォームとパートナーシップを組み、各媒体、各配信面に最適化した広告クリエイティブのノウハウを蓄積しています。「リチカ クラウドスタジオ」では、最新状況に合わせてクリエイティブフォーマットの最適化を進めています。

─── 今回のソウルドアウトとの取り組みは、Amazonスポンサーブランド動画広告のノウハウを得たい、という思いからスタートされたのでしょうか?

妹尾氏:おっしゃる通りで、Amazon社の担当者と話をしていると、「リチカ クラウドスタジオ」のニーズがどれだけあるのか?ソリューションとしてどんなことを提供できるのか?といった私たちのサービス提供の必要性を痛感させられました。それで、Amazonスポンサーブランド動画広告で検証を行ない、ノウハウを得たいと思ったんです。

星野:リチカさんとは以前から、Yahoo!のディスプレイ広告で広告クリエイティブのノウハウを探る取り組みをしていて、その流れで、Amazon動画もやってみることになりましたね。

Amazonは広告クリエイティブによる成果がみえやすく、検証に向いている

─── Amazonは、ほかの媒体とはどのような違いがあるのでしょうか?

妹尾氏:Amazonは広告クリエイティブによる成果がみえやすいことが特徴です。広告の遷移先が商品の購入ページなので、広告をクリックしたあと、すぐに獲得に繋がりやすいんですよね。なのでデータを蓄積しやすく、少額のご予算でも検証しやすい。広告クリエイティブの改善がしやすく検証に向いています。

また、AmazonはECサイトです。CMで使われるような認知目的でストーリー性のあるものだけではなく、購入を促すために商品の特長を紹介するもので相性がいいのでは?という仮説からスタートしました。”勝ちクリエイティブ”を確立しやすく、リチカの強みであるテクノロジーを活用しやすい、と思いました。

─── Amazonの広告は、検証しやすいという特徴があるんですね。ソウルドアウトでのAmazonスポンサーブランド動画広告の導入はどのような状況なのでしょうか?

星野:2020年12月にAmazonスポンサーブランド動画広告がリリースされたときから、徐々にいくつかの案件で取り組み始めていました。先ほど妹尾さんがおっしゃっていたように、Amazonの動画広告はROASがいいということが社内でもわかってきていましたし、Amazon社からも動画広告に注力していく、という話を聞いていました。

しかし社内では、PDCAを十分には回せていない状態でした。ターゲティングや配信面ごとの強弱の調整といった、運用の改善はできていたものの、広告クリエイティブ自体の検証や改善はできていなくて。動画は静止画以上に制作コストがかかったり、お客様自身で素材をおもちでなかったりする場合が多いんですよね。

リチカさんにお声がけいただき、協力して一緒に取り組んでいくことになりました。

─── リチカさんのお客様では、Amazonスポンサーブランド動画広告をやられている企業はありますか?

妹尾氏:まだまだ少ないのが現状です。しかし、ある企業で「リチカ クリエイティブスタジオ」で作成した動画を配信して、獲得率やROASが上がったという事例を聞いていました。

Amazonスポンサード動画広告は、広告クリエイティブの量産・改善で成果に直結しやすく、ポテンシャルがありそうだ、と確信をもっていたんですよね。

変数を絞ってPDCAを回し、ROASを大幅に改善

─── それでは、今回の取り組み内容について教えてください!

星野:神戸にあるレディースシューズメーカー、株式会社シュアレさんのAmazonスポンサーブランド動画広告で検証を行ないました。現在2回の検証を行なっており、1回目はROASが3倍ほどに、2回目は1回目と比較してROASがおよそ9倍に上昇しました。また、獲得率を4、5倍まで上昇させることができましたね。

シュアレさんのメイン商材は「Romeo Valentino(ロメオバレンチノ)」という黒いパンプスで、Amazonでベストセラーになるなど、よく知られている売れ筋商品です。しかし今回扱った商材は、インフルエンサーの方とコラボしてできた新しいシューズブランド「Lilfill(リルフィル)」でした。新商品だったので認知があまりできておらず、ROASは低い状態からスタートしました。

画像引用元:Amazon.co.jp: リルフィル

株式会社シュアレ
http://www.shoearra.com/
 「Lilfill(リルフィル)」
感度の高いインフルエンサーが監修したシューズブランド
https://www.amazon.co.jp/stores/page/6EF7CDB4-4767-4F56-A987-A6497C37CC54

─── 2回の検証の結果、ROASが9倍とは素晴らしい成果ですね。一体どのようなプロセスで検証を行なったのでしょうか?

妹尾氏:まず星野さんから、「商品の特長を活かしたクリエイティブを作成してほしい」「新商品なので、認知を目的にした動画にできないか」というオーダーをいただきました。シュアレさん自身も、商品の特長である、インフルエンサーの方とコラボして開発した点をアピールできる動画にしたいと考えられていたようです。

広告クリエイティブの検証の際には、変数を絞ることを大事にしています。1回目の検証では、訴求軸の検証をすることにしました。インフルエンサーの方とコラボしていることを訴求して成果が出るのか。もしくは、それ以外の訴求で成果が出るのか。そういった訴求軸の検証を提案させていただきました。

星野:1回目は、訴求内容の異なる3本の動画で検証しました。1本目は、インフルエンサーの方とコラボしていることを訴求する動画(A)、2本目は商品のバリエーションを示すため、複数の特長を訴求する動画(B)、3本目は商品の個別の特長を訴求する動画(C)です。

また、フォーマットは、1本目と2本目が、スライドショー形式で訴求するメッセージが入れ替わっていく構成の広告。3本目が、広告の左半分は動画で、右半分は静止画で構成されている広告でした。

▼1回目の検証で配信した動画
A:インフルエンサーの方とコラボしていることを訴求

※GIFに変換したもの。実際は音声(BGM)つきの15秒動画

B:商品の特長(クッション性の高いインソール、かかとの芯を省きソフト仕上げ、かえりの良いアウトソール)、バリエーションを訴求

※GIFに変換したもの。実際は音声(BGM)つきの15秒動画

C:商品の個別の特長(MATERIAL:自然な艶のあるPUが高見え、DETAIL:男前なローファーデザイン)を訴求

※GIFに変換したもの。実際は音声(BGM)つきの15秒動画

配信の結果、2本目(B)と3本目(C)の、商品の特長を訴求する動画でROASが高かったです。クリック率と獲得率は、個別の特長を訴求した3本目(C)で成果が最もよかったですね。

妹尾氏お客様の考えているセールスポイントではない訴求が最もよいということがわかりました。よく聞くお話ではありますが、今回のように配信してみると想定とは逆の結果が出ることもありますし、おもしろいですね。

─── 1回目の検証では、商品特長を訴求するほうがいいことがわかったんですね。2回目の検証内容を教えてください!
 
星野:訴求軸は商品特長という点は固定し、訴求内容を2種類で検証しています。ただ、3本目(C)がよかったのは、デザインやフォーマットの表現がよかった可能性もあるので、それも検証することにしました。

訴求内容は、1回目の検証で最もよかった3本目(C)の訴求に加え、1回目の検証で2番目によかった2本目(B)の訴求の2種類を使用しています。それぞれの訴求で、3本目(C)のフォーマットと別の動画形式のフォーマットの2種類を用意し、計4種類の動画で検証を行ないました。

▼2回目の検証で配信した動画
C:商品の特長(MATERIAL:自然な艶のあるPUが高見え、DETAIL:男前なローファーデザイン)を訴求 ※1回目に最も成果のよかった動画

※GIFに変換したもの。実際は音声(BGM)つきの15秒動画

D:商品の特長(クッション性の高いインソール、かかとの芯を省きソフト仕上げ、かえりの良いアウトソール)を訴求※Cとフォーマットは同じ

※GIFに変換したもの。実際は音声(BGM)つきの15秒動画

E:Cの訴求で、フォーマット違い

※GIFに変換したもの。実際は音声(BGM)つきの12秒動画

F:Dの訴求で、フォーマット違い

※GIFに変換したもの。実際は音声(BGM)つきの12秒動画

妹尾氏:2回目は、1回目に最も成果のよかった動画(C)とは異なる訴求内容で、異なるフォーマットの動画(F)で成果がよかったですね。

検証結果から、フォーマットは、1回目には配信していなかった3、4本目のもの(E・F)がよかったというのがはっきりとわかりました。しかし、訴求内容は同じもの同士(C・EとD・F)の中でも、かなり成果にばらつきがあり、どちらがいいと一概には言えません。ぜひ、3回目の検証をしたいですね。

Amazonスポンサーブランド動画広告は、検索連動型であることを意識する

─── では、これまでの検証からわかってきた示唆をお伺いしたいです。成果のよかった理由をどのように考えていますか?

妹尾氏:まず、1回目の検証からわかったことで、動画バナー形式のフォーマットのほうが好まれるようです。

Amazonスポンサード動画広告は検索結果の間に表示され、ユーザーは目的の商品を探すために、さっと流しながら見ています。ですので、パッとみて内容が伝わりやすく自分ごと化される広告クリエイティブが表示されることで、ユーザーの目に留まり、クリックされやすいのではないかと考えています。

─── 検索連動型であるという特徴を踏まえた広告クリエイティブの制作が重要なんですね!

星野:そうですね。また、ほかの媒体と比較して、Amazonにいるユーザーは目的意識が圧倒的に高いです。さらにAmazonスポンサード動画広告は、目的意識の高いユーザーの集まるAmazonの、検索結果画面に表示されます。同じようなECサイトに比べても、合理性を求めるユーザーが多いんです。なので、スライドショー形式で訴求するメッセージが入れ替わっていく構成の広告クリエイティブだと飽きてしまうんだと思います。

しかし動画バナー形式だと、最短で情報が伝わり、結論がすぐにわかります。弊社で取り組んでいるほかの案件でも、動画形式のほうが成果がよかったですね。

─── Amazonスポンサード動画広告では、動画バナー形式のフォーマットのほうが好まれるんですね。また、検証では、訴求軸は商品特長がよいという結果でした。

妹尾氏: 検索連動型なので、ほかの商品との差別化がポイントになります。例えば「ローファー」と調べたとき、「こういう靴があるんだ、機能性も値段もいい」と感じてもらえれば購入に結び付くと思います。

星野:動画では、静止画で伝わり切らないような、商品の使い方や商品のディティールがわかる動画素材を組み込んでみることもおすすめしています。シュアレさんだと、「クッション性」を伝えるために実際に履いて歩いている動画を使うなども試してみたいですね。

─── ほかに動画を作成するときに気を付けるポイントはありますか?

妹尾氏文字を大きく入れて、音がなくても伝わることも大事ですね。CMやYouTubeで流している動画をそのままAmazonで使っている方もいらっしゃいますが、ユーザーがAmazonで買い物をする際に音は出さないことも多いのではないでしょうか。

また、CTAボタンがわかりやすくおかれていることも大事です。動画はループして再生されるので、最後まで見ていないとCTAが現れないものもありますが、ずっと固定でおいておくほうがいいですね。ボタンのテキストは、「詳しくはこちら」ではなく「気になる商品をもっとみる!」のように、すぐに購入を促すような工夫で成果が変わってくると思います。

星野:Amazonスポンサード動画広告の審査基準も押さえておいてほしいポイントです。例えば、「今だけ〇%オフ」といったセール訴求を含んではいけないなど、細かい部分が多く、お客様からいただいた素材のままだと審査に落ちてしまうケースが多いです。

また、動画の長さは45秒以内と決められています。推奨は15〜30秒となっていて、今回の検証でも15秒の動画を配信していました。

クリエイティブとテクノロジーの力を駆使した動画広告で、成果の最大化を実現したい

─── それでは最後に、今後の目標を教えてください!

妹尾氏:今回の取り組みを通して、Amazonスポンサード動画広告のさらなる可能性を感じました。

リチカとしては、Amazonスポンサード動画広告で成果を出す広告クリエイティブのノウハウを習得できたので、このノウハウを動画フォーマットとして提供していきます。そして、Amazonスポンサード動画広告の利用数をさらに増やしていきたいです。Amazonで出品されている方には、ぜひ使っていただきたいですね。

Amazonとの連携を強めた先には、ソリューションや価値の提供を行なっていきたいと思っています。私たちの強みであるテクノロジーの力を駆使していきたいです。

─── 最初のお話にもありましたが、「媒体最適化」をAmazonでもやっていくということですよね。先日TikTokとも連携して、フォーマットを作られていたと思います。

妹尾氏:TikTokには独特の配信面があり、どんな動画を作ればいいかわからない、そこで使える動画素材がない、といった悩みを抱えている企業が多かったんです。そこで、素材を用意するところからの支援もできるよう、特別パッケージを組んで、実際に利用しているお客様に導入してもらい検証を進めています。

TikTokだと、素材を用意するところから困ってしまう人が多いです。ですがAmazonは、素材に困ることはないけれど、ROASや獲得率を上げるためにはどうしたらいいのか、というお悩みをおもちの方が多いです。そういった、媒体ごとに最適化したソリューションを提供していきたいと思っています。

─── ソウルドアウトでは、このプロジェクトをきっかけにどのような動きに繋げていきたいと思っていますか?

星野動画をソウルドアウトの強みにしたいですね。特にAmazonでは、これから動画広告はどんどん伸びていきます。今、リチカさんとは10案件を目標にAmazonスポンサード動画広告で事例を生み出していこうと取り組んでいます。今後、共同で「勝ちフォーマット」を作って展開していきたいです!

妹尾氏:ありがとうございます!AmazonDSPなども含め、引き続きソウルドアウトさんと一緒に検証を行なっていきたいです。私たちリチカは、クリエイティブとテクノロジーの力を使って、お客様の成果最大化を実現するためのパートナーであり続けたいと思います!

 

編集後記
テクノロジーがクリエイティブの素早いPDCAを可能にし、昨今重要視されている"クリエイティブ"の課題を解決して最大のパフォーマンスを発揮できるようになるとわかりました。これからも「Amazon×動画」に期待です。

【インタビュー・執筆:みやたけ(@udon_miyatake)】

*ソウルドアウトでは、Amazon専門チームが事例&ノウハウを発信しています ↓ 



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