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埼玉のお茶屋さんのAmazonで、月間売上高が75倍に!

こんにちは。編集長の宮武 由佳(@udon_miyatake)です。

Amazonのご支援で、埼玉のお茶屋さんのAmazonの月売上が75倍になった事例が社内で話題になり、早速インタビューしてまいりました!

お茶の荻野園(荻野商店)
創業:昭和33年3月1日(今年で63年)
本社:埼玉県寄居町(よりいまち)
厳選された日本茶の販売を行なっているお茶問屋です。
埼玉県寄居町の元気をお茶に託し、日本全国、世界へ発信しています。
http://www.ochaogino.co.jp/
▼インタビュイー
荻野 真仁さん(荻野商店 二代目社長)
山本 太一(アライアンス本部 アソシエイト)

2015年入社。2,000社以上のBtoCメーカー様と折衝を行い、日本および中国進出への戦略設計/商品企画/プロモーションにわたる業務に従事。現在は急成長中のAmazonを軸にした販売展開をご支援。

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最初は不安が9割、期待が1割からのスタート

―――ではまずはじめに、ソウルドアウトからAmazonのコンサルティングを受けることになったときの、率直な気持ちを教えてください!

荻野氏:不安が9割と、期待が1割でした。費用対効果が特に気になりましたね。ちゃんと成果が出るのか、と。

それまでのAmazonは、ある会社さんを通して、商品をいくつか出品してもらっていました。また、BASEやYahoo!ショッピングなど、ほかのプラットフォームも利用して、ECを行っていますが、いずれもそれほど成果が上がっているわけではなかったんです。なので、いくら説明をしてもらっても、無理だろう、と正直諦めていました。

―――それまであまり成果が出ていなかった理由を、どう考えていましたか?

荻野氏お茶という商品自体が、インターネットでの販売には向かないんだと思っていました。何をやってもダメだったので。

それに、ECによる売上は、会社全体の売上のほんの一部だったんですよね。いろいろある販売チャネルの中の一つであり、上手くいかなかくても、全体に影響があるわけではなくて。力を入れて一つの柱にしよう、とは全く思っていませんでした。

山本:私たちは、初めて商品を拝見したとき、差別化が難しそうだと感じましたね。Amazonは、他のECモールと違って商品が主役になります。そのため、他商品と差別化できる点が多ければ多いほど販売しやすいんです。商品のどういったポイントを伝えればお客様に選ばれるのか、初めの頃は試行錯誤を重ねていました。

―――不安が9割の状態で、Amazonのコンサルティングを受けてくださったのはどうしてでしょうか?

荻野氏:それはやはり、ソウルドアウトさんに協力したい、という気持ちがあったからですね。息子がお世話になっているので(笑)。正直、その理由が大きいです。

*荻野商店の三代目は、荻野 寛真さん。2020年新卒入社。
アライアンス本部 Amazonグループ所属。

▼オンラインでインタビューを行ないました!

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二人三脚で施策を進めたことが成功の鍵

―――2020年の12月頃から、ソウルドアウトのコンサルティングが始まったと伺いました。どういった施策を進めていったのでしょうか?

山本一番工夫を凝らした施策は、Amazonと相性の良さそうな商品の選定と、販売価格の設定です。広告を利用したりセールをしたりする場合でも利益が出るよう、損益分岐点を下回らない価格設定をしました。

価格設定は実店舗とは異なるので、担当の方と議論しながら設定していきました。もともと、ECに注力して販売されてなかったので、時間をかけて考えていきましたね。

―――担当の方と一緒に施策を進めていったんですね!

山本:そうですね。担当の方には、日々の細かな作業を覚えていただき、迅速にご対応いただけたことが、売上が右肩上がりに伸びていった一番の要因だったと考えています。

例えば、販売商品を増やすとき、新商品を登録する作業を進めていただくとか、商品が売れたときにその商品のレビューを書いてもらえるよう、購入者にリクエストをするとか。そういった細かな作業を都度ご対応いただいた結果が、売上の上昇に結びついたんだと思っています。

―――二人三脚で施策を推進されてきたんですね!ほかにはどういった施策を実施されましたか?

山本:商品紹介ページを充実させていきました。ユーザー目線で、どういった情報があれば購買に至りやすいかを適宜アドバイスして、担当の方に作成いただきました。

特に獲得率(CVR)の上がった施策は下記ですね。

①ばら売り商品のページから、セット売り商品を購入できるように設定
→アップセル(より高いものを買ってもらうこと)に成功
②商品紹介コンテンツで「水出し」という飲み方を提案
→売れ行きが不調だった、夏場の売上を促進
③商品説明を詳細に記載
→Amazon内のSEO対策

▼①のイメージ。

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▼②のイメージ。商品紹介コンテンツでは、飲み方の提案をしています。

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―――いろいろな施策を進めていく中で、売上の変化は感じられましたか?

荻野氏それが、一か月経つごとに売上が倍増していったんですよね。これは何かあるぞ、と思いました。

商品は、決してAmazonでの販売用に作ったわけではなく、普段実店舗で売っている商品を売っていただけです。それでもいろいろな施策をやっていくうちに、売上が上がっていき、ひと月ごとに変化が現れてきました。

これまでECでやっていた施策は、ことごとく上手くいっていなかったんですよね。なので特に、担当していた社員は、今回の取り組みで相当な手応えを感じていたと思いますし、ソウルドアウトさんとの信頼関係も生まれていった気がします。

―――その中で、どういった学びがありましたか?

荻野氏:そうですね、実店舗で売れる商品とECで売れる商品とは全く違う、ということです。

ECだと高い評価がつく商品、ほかの商品と組み合わせると売れる商品などがあって。これが売れるんだったらあれも売れるだろう、とか、こういった組み合わせがあるんだったら、ほかにも似たような商品でセットにすれば売れるだろう、というように試行錯誤をしながら出品をしていました。

だんだんと傾向が分かってきたので、新商品を投入する際、どのように売ればいいか分かるようになっていきましたね。

山本:商品についての情報量は、ECだと、店頭で販売するよりもどうしても少なくなってしまいます。口で説明することはできないので、ぱっと見で分かりやすく、手に取りやすい価格設定の商品が、Amazonでは早めに売れたような気がします。

▼Amazonの月間売上高はおよそ75倍にまで伸びました!

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「フルーツティー」カテゴリで売れ筋3位に上昇

―――売上が倍増していく中、5月には、大手企業の紅茶商品を抜き、「フルーツティー」のカテゴリで売れ筋3位まで上昇したと伺いました。

荻野氏:5月の頭が、茶葉が一番最初に採れる新茶の時期なんです。お茶の業界では、5月の頭から7月の末にかけてが、特に売り出したい時期で。そこにちょうど、Amazon内で行なわれていたセールが重なりました。

山本:「フルーツティー」のカテゴリで売り出していた商品がどんどん売れるようになっていったんです。Amazonのタイムセールへの参加で売れたのが大きな要因ですね。タイムセールを何回か実施していたので、それが積み重なってランキング3位まで入ることができました。

あと、カテゴリの選定も良かったと思います。「フルーツティー」はニッチですが、ある程度の検索ボリュームのあるカテゴリです。

荻野氏今まで商売をしてきた中で、全く違う切り口でした。「フルーツティー」というカテゴリで商品を位置づけるなどしたことがなかったので。そういった見方もあるんだと、とても勉強になりましたね。Amazon の施策を一緒に進めてきて、自分にとっては新しい世界、という感じでした。

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―――戦略どおりだったのでしょうか?

山本:「フルーツティー」で売れたらいいな、と期待していたんですが、ぴったりハマって、売上にも繋がりました。

いろいろな施策を試してきましたが、最初から100%の確証をもって進められてはいないですね。ただ、競合他社の商品を見たときに、Amazon向けの対策で網羅的に取り組まれている商品は少なかったので、できるだけ多くの施策を行い、その中で何かがプラスに転じればいい、と思っていました。

―――売上がどんどん増えていき、社内に何かいい効果や影響はありましたか?

荻野氏ECを、販売チャネルの一つとして見直すようになりました。

私たちはお茶屋なので、お茶をAmazonで販売してきましたが、お茶に限らず、どんな商品でも工夫すれば売上を伸ばすことができる気がしています。本当に、半年の間に、ECに対する考え方が180度変わりました。

将来的には、Amazon以外のECにも挑戦していきたいですね。あと、SNSなど、ほかのデジタルマーケティングの施策にも展開していきたいです。まずはAmazonを、軌道に乗せていきたいと思っています。

あと、6月のAmazonプライムデーでは、700~800件の注文(通常月の月間注文数と同等)が二日間で入り、発送業務に追われて、社員がなかなか帰れないという嬉しいトラブルも発生しました。Amazon単体での売上が、もともと月2~3万円だったところが、6月は150万円まで伸びました。

―――今回得られた知見は、Amazon以外のECでも生かせそうですね。

荻野氏:そうですね。ただ、プラットフォームによって、その売り方や、客層が違うと思います。なので、使ってみないと分からないのが正直なところです。

ただ、基本的なECの取り組み方については分かったので、違うプラットフォームでやろうとしても、ある程度やってみればできるようになると思います。それに、ソウルドアウトさんと取り組みを始める前の「お茶は売れない」という気持ちはなくなったので。

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Amazonでの学びを、地域に還元していきたい

―――ほかの中小企業がAmazonを始めるときには、どういった心得をもっておくべきでしょうか?

荻野氏:多少の余裕をもって取り組み、伸びたらいいな、という気持ちで気軽に進めていくといいかもしれません。実店舗の運営だけで手一杯になっている場合、プラスでAmazonも始めるとなると、すぐに売上が上がるほど甘くはありません。

山本Amazonは、少ない労力で今まで無かった新しい売上を作る最適な方法だと考えています。ただ、荻野さんがおっしゃるように、新たな売上を作るのは簡単なことでは無いため、「こうすれば売れるのではないか?」と日々考えて施策を行うことを繰り返します。そのため、Amazonで販売する自社商品と向き合う時間をしっかり取ることが一番重要な心得だと思っています。

―――Amazonを含めたECに関して、今後の目標を教えてください!

荻野氏:今回学んだことを地域に還元していきたいと考えています。

私たち荻野商店は、寄居町の地域活性の活動にも取り組んでいます。地域に育ててもらってこそ会社がありますし、地域に還元する責任があると思っています。地域全体でレベルアップできるような活動に繋げていきたいです。

▼Amazon 荻野商店
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E8%8D%BB%E9%87%8E%E5%95%86%E5%BA%97&ref=bl_dp_s_web_2984208051
▼Amazon-伴走型コンサルティングサービススタート。EC未経験でも、Amazon販売のインハウス対応を可能に(2021.08.10)
https://www.sold-out.co.jp/news/topic_20210810


編集後記
「ECに対する考え方が180度変わった」という言葉を聞いて、とても嬉しくなりました。大手企業のように知名度や発信力がなくても、すばらしい価値をもった商品・サービスを、インターネットの力で一人でも多くの人に届けられるようになりたい。私もこういった声をすくいあげて届けていきます!

【話し手:荻野 真仁(荻野商店二代目社長)、山本 太一/取材・執筆:宮武 由佳(@udon_miyatake)】

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