30年前の男女による、30年後を舞台にした物語。
「娘たちを見てたら、旦那さんに凄い手伝ってもらっていてびっくりしました。当たり前って感じなんですよね。それがもうカルチャーショックで!」
仕事関係で知り合った60代の女性と雑談をしていた時の事。
お孫さんの話から、娘夫婦の「家事・育児の分担」に驚いているという話が出てきた。
因みに娘夫婦は共働きである。
「カルチャーショック」とまで言う事に、逆に私が驚いてしまった。
でも、よく考えると私の母親も同じような事を言っていた。
つまり、自分達の親世代にとっては「共働き」であっても「家事育児を分担する事」は衝撃なのだ。
30年前の男女像
こちらの小説を読んだ。
どんな本?
主人公の郁子が60歳にして田舎へ移住するんだけど、田舎で待ってる人達がもう「うわ~嫌だ嫌だ」な人のオンパレード(笑)
家を売るのに、売った後も「時々この家に遊びに来たい」というお爺さん。
買い物に行きたい時に車を出して欲しいと言う、近所のおばあさん。
市議会では女性の議員を「マスコットガール」と呼んで、爺さん議員達がセクハラ発言を連発…。
でも、何よりも衝撃なのは「男女」に対する意識。
「は??」の連発。
だけど、ふと振り返ると子供の頃に見てたドラマ「ダブルキッチン」の中にも同じようなシーンが出てきた。
姑役の野際陽子さんが、息子がゴミ出しをしてる姿を見て「こんな事させて可哀想!」と、大騒ぎするのだ。
因みにこの話の舞台は決して「地方」ではなく「東京」。
時代は1993年なので、約30年前。
つまり、地方では30年前の様な感覚の人がワンサカいて男女間の「役割の格差」が物凄く残っている。
地方へ移住とか憧れるけど、小説読みながら「無理そうだな・・」と思ってしまった(笑)
30年後の日本が見えるかもしれない
小説の舞台となった町は、財源がないのに議員の利権政治が横行して立派な「ハコモノ」が作られたり、市長の胸像を建設しようとしたり、市役所に女性の裸の絵を飾ってみたり…と、非常にどうしようもない。
その割には通学路にカーブミラーを設置して欲しいとか、保育所を増やして欲しいという「女性の声」は全く通らない。
市民は皆「これだから若い女性はみんな都会へ行ってしまう」と嘆いている。
ここでふと思った。
今、日本では厚生年金加入者を増やしたいから女性の労働参画を促して保育園を大量に作ってるし、子育て支援もしてる。
この点は小説の町とは違いがある。
だけど「議員全体の女性の割合」は相変わらず超少数。
昨日見ていた動画でも、高市早苗さんが「政治家同士の飲み会では男性が多いので、後半になると下ネタが多くて反応に困る」と話していてとても驚いた。
その「政治家たち」が、一体誰なのか分からない。
世代も分からない。
だけど、その政治家たちにも家庭があり「家事・育児」が本来はあるはず。それをせずに、議員同士で飲みに行って下ネタ話してる…って(^_^;)
勿論、平均年齢も高いし政治家なので奥さんは専業主婦なのかもしれないけれど。
専業主婦に支えられて仕事をしてきた人は、共働き家庭の事情や、家事育児を担ってきた女性の気持ちは中々理解できないのでは?と思う。
以前書いたこの記事↑には、沢山の反響を頂いた。
この記事に共感して下さった方には、この小説は是非読んで欲しい。
小説の中で、女性たちは「皆都会へ行ってしまう」と嘆いていた。
でも、日本の政治界がこの先もずっと「女性の気持ちが本当の意味で分からないおじさん」だらけで構成され続けたら30年後は日本全体がスカスカかもしれない。
30年後は「だから皆、海外へ行ってしまう」と嘆いているかもしれない。
小説を読んでいる時は、面白くて夢中になって一気読みした。
でも、この記事を書きながらやっぱり日本の行く末がとても心配になった。
是非、多くの人に読んでみてほしいと思う。
今日も有難うございました。
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