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日々のエッセイ

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2019年から湖畔暮らし。自然、ヤギ、トリ、仕事、考え事の日々。
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2022年10月の記事一覧

成し遂げるを手放して

成し遂げるを手放して

「いつだって何かを頑張っていてすごいよね、頑張り屋さんだね」

そんな風に言われる人はきっと頑張り屋さんなのだ。または、人に言われなくても頑張り屋さんの人は自分がそうであることをひっそりと自覚している部分があると思う。場所や環境が変わっても、きっとどこかで何かに向かってひたむきに努力をしていることだろう。

ここまで綺麗で器用な頑張りができるわけではないけれど、自分も根詰め族だから、頑張りすぎてし

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採集的な野菜生活

採集的な野菜生活

うちには雑草にまみれた畑がある。

畑といっても家庭菜園をやっている程度で、毎年夏と冬に季節野菜を少し植える程度だ。苗を買うこともあるし、種を蒔くこともある。夫がその手のことにやや詳しいため、わたしは夫の指示に従い作業をする。

ここへ引越してきたばかりの頃は、見渡すかぎり自分より背の高い藪にまみれていたのだから、農耕生活ができるスペースが生まれたのは喜ばしい。もちろんカチカチの土を耕すのには苦労

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私の名前の果物

私の名前の果物

いくつになっても「自分の名前が入ったもの」は特別だ。

昔、家の近くに自分の名前をキーホルダーに彫ってくれる、珍しいキーホルダー屋さんがあった。名前を彫らなくても使えるような、ハート型、星型、丸型などシンプルかつカラフルな素材が揃ったお店だった。彫ってくれたのは当時でおじさんだったと記憶しているから、今はどう過ごしているだろう。

このお店は小さい子供から大人まで幅広い年代層に人気だった。いつ行っ

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ピカソが教えてくれたこと

ピカソが教えてくれたこと

エッセイを書いていると、昔の自分の作品を見返してその内容が恥ずかしく思えることがあった。特にエッセイは文字でハッキリと思考が示されるわけで、作者が剝き出しになる感覚がある。

でも人は変化するのが当たり前だ。毎日とは言わないまでも、毎月、毎年、時間が経つにつれて考えることや価値観も変わってくる。そんなとき昔の作品を残しておいてよいものか、消した方がよいものか、迷うことはないだろうか。

自分はそれ

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