蕭鮭魚

蕭鮭魚(しょう・しゃけぎょ)。北海道に亡命した頭のお詳しい可哀そうな大学生。 うまくい…

蕭鮭魚

蕭鮭魚(しょう・しゃけぎょ)。北海道に亡命した頭のお詳しい可哀そうな大学生。 うまくいかない世の中だけど、できるなら美しく歳をとりたい。

記事一覧

「氷山の八分の七」を隠す?―カフカの世界と漱石の夢

『カフカ短篇集』(岩波文庫)との出会い 大学の授業と期末課題がひと段落したので、何か一つ読みごたえのある小説を読みたいという気になった。日本の文学はあまり読む気…

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3年前
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矛盾か多様性か―聖書の〈矛盾点〉について

聖書の矛盾点? 先日、Twitterで次のようなつぶやきを見かけた。曰く、「バベルの塔は創世記11章で崩壊するのに、それ以前の10章ですでに言語がわかれているのは奇妙であ…

蕭鮭魚
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北大「アイヌ納骨堂」

蕭鮭魚
3年前
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言語に考えさせられている?―Theyについて

三人称単数のtheyがなぜ日本で流行らないのか しばらく前、三人称単数の人称代名詞としてtheyが話題となった。これはジェンダーに配慮して、性別を明示する事を避ける目的…

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「氷山の八分の七」を隠す?―カフカの世界と漱石の夢

「氷山の八分の七」を隠す?―カフカの世界と漱石の夢

『カフカ短篇集』(岩波文庫)との出会い

大学の授業と期末課題がひと段落したので、何か一つ読みごたえのある小説を読みたいという気になった。日本の文学はあまり読む気がしない。外国の、ヨーロッパの古い小説がいい。そこで最寄りの大きい書店に立ち寄ってみる。しかし、有名どころはどれも既に読んだことのあるものばかりだ。しばらく悩んでから、プラトンの『ゴルギアス』と『カフカ短篇集』(岩波文庫)を手に取ってレジ

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矛盾か多様性か―聖書の〈矛盾点〉について

矛盾か多様性か―聖書の〈矛盾点〉について

聖書の矛盾点?

先日、Twitterで次のようなつぶやきを見かけた。曰く、「バベルの塔は創世記11章で崩壊するのに、それ以前の10章ですでに言語がわかれているのは奇妙である」と。この識者は、そこに聖書の矛盾点があり、聖書というのは頼りのない書き物だと言っていた。

「バベルの塔」とは

「バベルの塔」の説話は聖書の中でもとりわけ有名な話で、古今東西を問わず人々の想像力を掻き立てている。ブリューゲ

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言語に考えさせられている?―Theyについて

言語に考えさせられている?―Theyについて

三人称単数のtheyがなぜ日本で流行らないのか

しばらく前、三人称単数の人称代名詞としてtheyが話題となった。これはジェンダーに配慮して、性別を明示する事を避ける目的で始まった用法である。この場合のtheyは複数形の「彼ら」の意味ではなく、同じく三人称単数の人称代名詞であるheやsheのように性別を明示しない。

先日、ある友人がこの話題について、「欧米では大きな関心を呼んでいるのになぜ日本で

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