蕭鮭魚

蕭鮭魚(しょう・しゃけぎょ)。北海道に亡命した頭のお詳しい可哀そうな大学生。 うまくい…

蕭鮭魚

蕭鮭魚(しょう・しゃけぎょ)。北海道に亡命した頭のお詳しい可哀そうな大学生。 うまくいかない世の中だけど、できるなら美しく歳をとりたい。

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「氷山の八分の七」を隠す?―カフカの世界と漱石の夢

『カフカ短篇集』(岩波文庫)との出会い 大学の授業と期末課題がひと段落したので、何か一つ読みごたえのある小説を読みたいという気になった。日本の文学はあまり読む気がしない。外国の、ヨーロッパの古い小説がいい。そこで最寄りの大きい書店に立ち寄ってみる。しかし、有名どころはどれも既に読んだことのあるものばかりだ。しばらく悩んでから、プラトンの『ゴルギアス』と『カフカ短篇集』(岩波文庫)を手に取ってレジにならんだ。 カフカを手に取るのは実に数年ぶりのことである。中学時代、『変身』

    • 矛盾か多様性か―聖書の〈矛盾点〉について

      聖書の矛盾点? 先日、Twitterで次のようなつぶやきを見かけた。曰く、「バベルの塔は創世記11章で崩壊するのに、それ以前の10章ですでに言語がわかれているのは奇妙である」と。この識者は、そこに聖書の矛盾点があり、聖書というのは頼りのない書き物だと言っていた。 「バベルの塔」とは 「バベルの塔」の説話は聖書の中でもとりわけ有名な話で、古今東西を問わず人々の想像力を掻き立てている。ブリューゲルの『バベルの塔』のような迫力に満ちた絵画もあれば、「バベル」の名を冠したドラマ

      • 北大「アイヌ納骨堂」

        • 言語に考えさせられている?―Theyについて

          三人称単数のtheyがなぜ日本で流行らないのか しばらく前、三人称単数の人称代名詞としてtheyが話題となった。これはジェンダーに配慮して、性別を明示する事を避ける目的で始まった用法である。この場合のtheyは複数形の「彼ら」の意味ではなく、同じく三人称単数の人称代名詞であるheやsheのように性別を明示しない。 先日、ある友人がこの話題について、「欧米では大きな関心を呼んでいるのになぜ日本ではそうはならないのか?」と嘆いていた。実際、theyの問題は日本ではせいぜい「ア

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