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#小説
ISSS 小説「In seaside,so said. 」—case:谷生瑞希世—
波の上に、月の光が散っている。少し風のある夜だった。
星がよく見える。上を向いて歩こう……そんな歌い出しは、日本で暮らしていれば自ずと浮かぶフレーズだ。
海のにおいというものは、想像は爽やかなものだが、実際に近づいてみると生き物の匂いがする。というと――やや生臭いということだ。
谷生瑞希世《たにうみきせ》は深呼吸をした。生臭いとわかっているが、どうも癖になる。まだ洗剤の香りが残る生乾き
【予告】小説を公開します
いま書いている小説が普通に一万字超えそうなのと、一回有料noteにしてみたかったので、100〜300円くらいで公開できたらしたいなと思っています。うまく行かなかったら普通に無料です。
小さい町から出たい少女が町のはなつまみもののクソ貧乏なクソ美少女を友達になるというていで利用しようとして近づく話です。
以下サンプル
よろしくお願いいたします。
【小説】いずれも の 焼き芋
いずれも
焼き芋
真昼の白い光が、理科室の窓辺に差しこむ。まだ暖房が入る寒さではないため、薄ら寒い教室を温める眩しい熱に目を細め、今高涼夜は眠気と戦っていた。
黒板を滑るチョークの音。昼食済みの午後の眠気。少し掠れた、低い気怠げな先生の声。なんと睡眠に適した環境だろう。
少し走って目を覚ましたい。無意識のうちに足をばたつかせ、涼夜の意識は次第に一〇〇メートルのコースを走る。
もっ