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今まで生のライブに行くのを諦めざるを得なかった人たちに、オンラインライブは可能性と希望を示してくれた。コロナが終息しても、オンラインライブは残してほしい。

「新しい形のライブを楽しみましょう」

と、政治家がオンラインライブをすすめたとき、初めは

「はあ⁉ ライブは《生》に限るでしょうが!」

と、正直憤りを感じていた。アーティストやそのスタッフには申し訳ないが

「オンラインライブなんて、観ないし、聴かない!」

と頑なに抵抗していたのだ。が、しかし、その考えを一変させたのが親友の一言だった。

「オンラインライブ、案外良かったよ」

彼女は多忙で、行きたかったライブの大半を諦めてきたし、どうにかこうにか行けたさいたまスーパーアリーナでのライブでは、アリーナ席で片足の激痛にたえながら座って観ざるを得なかった(まわりのファンが優しかったのが、せめてもの救い)。

それが、仕事と仕事の隙間時間を利用して、自宅で座って、好きな酒を飲んだり、好きなおつまみを食べながら、鑑賞できたそうだ。

最初、オンラインライブやそれをすすめる政治家に嫌悪感を抱いていたのは、自分はライブ会場に足を運べるくらい健康で、お金が自由に使える立場だったからだ。それ以外の人たちの気持ちなんて思いやっていない、とんだ勘違いファンだったのだ。

思えば、ライブ会場で比喩でも大袈裟でもなく、命がけで来ている人に何人かお会いしたことがある。

博多のライブでは、心臓に重い病気を抱えているので遠出ができず、博多ライブのチケットの抽選しか参加できないこと。特別席でいつも鑑賞させてもらっているが、ライブの爆音に心臓が持つかどうか怪しいと言っていた人。

民間救急車がライブ会場の外に何台も停まっていて、病院や自宅からライブ会場へ来ている人たち。

お葬式会場から喪服姿のまま、終わる間際のライブ会場に駆けつけた人。

娘二人に当選したペアチケットを託し、一人ライブ会場の外で《音漏れ》を聴いていた母親。

ライブチケットが当選したはいいが交通費まで工面できず、格安長距離バス利用どころではなく、自転車や徒歩やヒッチハイクで来た人。それでまた帰る人。

ライブが終わった後、泊まる場所もお金もなくて、野宿した人。

仕事の休みが事前に取れず、クビ覚悟で強行突破で仕事を休んできた人。

ライブが終わってから、当日中に家にたどり着けず、朝の7時に、寝台で東京駅や飛行機で羽田空港に着いて、そのまま出社して、なに食わぬ顔で一日中働いていた人。これは、わたしのこと(笑)。

そんなムチャクチャなことも含めて、ライブだ! と騒いでいたけれど、ライブの抽選に外れて悔しい思いをしている人。病院から一時退院の許可が下りなかった人。家族の看病や介護に明け暮れている人。妊娠中や子育ての人。田舎すぎて行けない人。その他、有りとあらゆる理由でライブを諦めざるを得なかった人たちに、オンラインライブは、ライブ参加の実現を可能にしている。

だから、わたしもオンラインライブを受け入れ楽しむ! 今まで直接ライブ会場に足を運んでいたグループやソロアーティストはもちろんのこと、ライブ鑑賞の資金不足により断念していた他のアーティストも、オンラインライブなら安いので、今まで以上にたくさんのアイドルやアーティストのライブに参加
できる。

たとえ、コロナが終息して生のライブが再開されても、今まで生のライブを諦めざるを得なかった人たちのために、オンラインライブという選択肢は残して欲しいと切に思う。

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