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最近観た旧作の感想メモ(2022年9、10月)

9月はアマプラ月間だったので全てアマプラで配信中の作品でまとめてみた。


THE BOYS season1

大企業ヴォートに所属する腐敗しきったヒーロー集団と、そのヒーローたちに恨みを持つTHE BOYSの戦いを描く作品。まぁ~~面白い!!こんなにスイスイ観れる海外ドラマ、初めてかもしれない。この2年間、マーベル映画に浸ってきたので前フリは充分。なのでアメリカ国旗を背負ってる奴が1番イカれてるとか、音速で動く奴が薬物中毒とか、毒を毒としてちゃんと摂取できる。唯一の良心であるスターライトが告発した後、それすら物語へと回収されていってしまう地獄まで描いてあって、唸るしかなかった。ただスキャンダラスで皮肉を言うのでなく、メッセージ性が一貫して強くあるのが良い。



THE BOYS season2

シーズン1では"いけてここまでか"という現実を突きつけられて終わったけれどもシーズン2で一気にトップギアに向かった感じがある。キャラクター像も固まり、ピースは揃って猛攻をしかけにいってて興奮度高め。特にスターライトの立ち位置が非常に難しく、ポリティカルサスペンスの様相も呈していた。沢山の没落していくヒーローも描かれていて特にディープは前作から引き続きの悲哀があったが、カルト教団にアイコンとして利用される、とか、カルト教団が政治に食い込む、とかまで描いてあってすげえな、と。個人的には隔離室で管理される能力者たちの姿にこのドラマの真価を観た。現実。


私立探偵 濱マイク

15年くらい前に存在を知って、サブカルワナビー中学生だった僕はそのキャスト陣に本当に??と目を丸くしていた。満を辞して鑑賞した本作、とにかく味付けの濃いキャラクターと基本的に投げっぱなしな物語に振り回され、作品が野暮な”考察“を受け付けない美しさがあるように思えた。行定勲監督の回なんかはストレートにドラマ性が高いし、岩松了、青山真治、石井岳龍監督がリレーした6-8話はずっとサイケに死の匂いが漂っていてとにかくカラーが出る。やはり特筆すべきは浅野忠信ゲストの10話。ただならぬ緊張感で、こんな回が急に挟まれたリアルタイム視聴者どんな気分だった?と困惑した。


オールド

「シックスセンス」すら見てないシャマランルーキーだったけど、非常に楽しめた1作。急速なスピードで歳を取ってしまう砂浜を舞台にしたワンシチュエーションスリラー。年を取っていくということの恐怖というのをこのテンポ感でこういう粒立て方をするとかなりスリリングだし、当たり前のように思っている老化がホラー演出になるアイデア力を存分に楽しめる。終盤の辻褄合わせはやや強引な感じもしたけどだいぶ好み。そう利用できるよね、の納得感が凄い。「へレディタリー」の長男が出てて、幕開けから既に嫌な予感が漂ってたのも良かった。あと、主人公は今度マーベルで狼男になる人!



星の子

映画「こちらあみ子」で今村夏子作品に俄然興味が湧き観ることにした大森立嗣監督作品。宗教2世として生活している中学生が、赴任してきた教師に恋をしたことで様々な違和感と向き合うことになる、、という想像しただけでだいぶキツそうなあらすじなのだが、映画自体はそれを過剰に盛り立てることなく、主人公演じる芦田愛菜の視線や表情で表現していく作りが良かった。植え付けられたものを歪みと思えぬ辛さ、本当にカルト宗教というのは悪でしかない。最悪。強烈な不快シーンの傍ら、友達カップルが妙に淡々とそこにいたのは一抹の救いだ。君は"信仰"そのものではない、という目線。




地獄の花園

バカリズム脚本作品。まぁきっと面白くなるだろうという設定だったけどやはりしっかりと面白い。言葉遊びとかでくすぐる感じはなく、ずっと本筋でしっかりと笑わせてくれる。ヤンキー漫画の手法でOLの争いを描くというより、それがOLである意味を全くなしてないのがとても良かった。職業も性別もなんでもいい、このノリを自分の脚本で再構築したかっただけなんだろう、という。そして広瀬アリスがとてもカッコイイ。広瀬アリスを戦闘力で考えたことはなかったけど、佇まいがもうとても強そうで笑ってしまう。



オッドタクシー イン・ザ・ウッズ

アニメは全部観てたので、映画がほぼ総集編だと聞いて劇場で観るのはやめてたけどただの総集編ではなく、登場キャラクターのインタビューを通して物語を分かりやすく見せていく凝ったもの。構成のややこしさも魅力の1つだと思っていたが、整理して見せてもやっぱりしっかり面白く、シナリオの強度を思い知った。"登場人物が動物である"ということの意味こそが本作の真価だと思うのだが、それを踏まえてインタビューシーンを観ると時系列とかも色々とイメージできて面白い。種明かしがちゃんと補助線になってる。


ラストナイト・イン・ソーホー

エドガー・ライト監督作品で公開時かなり話題になってた記憶。あまり前例のないタイプの霊障が起き続け、行き着く先の恐怖の根源はホラーのフィルターを通してはいるけれどひどく現実的な手触り。大きめのどんでん返しもあってエンタメ性はすごく高く、前のめりで観てはいたのだけれども果たしてこういうテーマの作品をここまで面白く見せることっていいのだろうか、という思いにもなった。ただ、こういう角度でホラー映画にイデオロギーを持たせていると考えれば意義的なことなのか。考え続けたいタイプの作品。



スパイダーマン:スパイダーバース

ソニーがやってるスパイダーマンのアニメーションシリーズ。とっくにここでマルチバースの概念示されてたんかと思うと同時に、どんな世界でも君はヒーローになれる、という真っ直ぐにアツいメッセージが込められていて良かった。スパイダーマンってたぶん世界で1番愛されてるヒーローなんだろうな、その確信がないとこのデザインの物語は作れんよなぁ。なんというか、結果として「ノー・ウェイ・ホーム」のピーター・パーカーにも祈りみたいなのを捧げたくなったし、ここに来てくれよ!ってなった。アニメーションは爆イケでアトラクション的気持ちよさがあった。あとデフォルメされたキングピンが怪盗グルーみたいな頭身で面白かった。



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