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11年前の甲子園優勝投手2人が激突。選抜Ⅴ左腕のロッテ小島投手が、夏優勝エースの西武・高橋投手に投げ勝つ。2人とも好投。チーム状況が結果に影響

11年前の甲子園優勝投手が投げ合う豪華な対決となった。2013年の選抜で浦和学院(埼玉)の左腕エースだったロッテの小島和哉投手(28)。そして同年の全国選手権で前橋育英(群馬)の2年生エースだった西武の高橋光成投手(27)。甲子園Ⅴ投手同士の対決は投手戦となったが、小島投手に軍配。今季のチーム事情が結果に大きく影響したといえる。

27日に千葉で行われた試合。初回、ロッテの小島投手は二塁打を打たれるなどピンチを背負うが後続を打ち取って、無失点の立ち上がり。一方、西武の高橋投手も2死一、二塁の場面で後続をセカンドゴロに打ち取って難を逃れた。

二回も両者ともに走者を抱えながらホームには還さない。粘りのピッチングを続けていた。

得点が生まれたのは三回裏。ロッテは1死一、三塁で5番の佐藤都志也選手がライト前のタイムリーを放って先制した。高橋投手は142キロのフォークボールを捉えられた。ロッテベンチ前で戦況を見つめていた小島投手は軽く手を叩いて喜んでいた。

ロッテは四回裏にポランコ選手の適時二塁打で1点を追加した。これも高橋投手の142キロのフォークをとらえていた。

2点の援護を受けた小島投手は毎回走者を背負うが、「あと一本」を許さない。西武のイニングスコアに「0」を並べていった。7回103球を投げ無失点。リリーフ投手も得点を与えず、小島投手が今季9勝目を手にした。

一方の西武の高橋投手は6回2失点。しっかりゲームを作ったが、味方打線の援護がなく、今季勝ち星なしの10敗目となった。

甲子園で勝ち抜くには、圧倒的なピッチングだけでなく、粘りの投球もできないと日本一にはなれない。その点では、2人とも走者を出しながらも粘りの投球を見せてくれた。

勝敗の差はチーム事情が大きいだろう。ロッテは現在リーグ3位。Aクラス圏内でクライマックスシリーズ進出に近づいている。一方の西武は35勝77敗2分けのリーグ最下位。

チームの成績が二けた勝利目前となった小島投手と、いまだ今季の勝ち星に恵まれない高橋投手の差を生み出しているのだろう。

2013年.浦和学院は選抜大会で春夏通じて初の日本一を手にした。サウスポー小島投手の緩急をつけた頭脳的な投球がさえわたった。そして夏の選手権では初出場の前橋育英が全国制覇を達成した。2年生エースの高橋投手の剛球は見応えがあった。

あれから11年。チーム事情に大きな差があっても、甲子園Ⅴの2投手は奮闘を続けている。ロッテの小島投手、西武の高橋投手にエールを送り続けていきたい。

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