スーパースターはどんな状況でも好結果を出す。大谷選手が「50-50」達成。投手優位の球場だろうと、相手投手の球種が何であろうとホームラン量産。走っては三盗も
スーパースターはどんな状況でも好結果を出す。ドジャースの大谷翔平選手(30)が大リーグ史上初となるシーズン50本塁打、50盗塁をマークした。投手優位の球場だろうと、相手投手の球種がなんであろうと、ホームランを量産した。走っては三盗も成功。二盗に比べて成功しにくいが、お構いなし。今季の大谷選手はまさに「弘法は筆を選ばず」状態だ。
19日(日本時間20日)に米フロリダ州のマイアミで行われたマーリンズ戦。大谷選手は今季48本塁打、49盗塁を達成していた。大リーグ史上初となる「50-50」まで秒読み段階だ。
マーリンズの本拠地、ローンデポパークは大谷選手と縁が深い。昨春に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝と決勝が行われた舞台だ。
この地で、侍ジャパンの主力、大谷選手は決勝の最終回でマウンドに上がり、相手の反撃を断ち切って世界一の胴上げ投手となったのだ。
WBC準決勝、決勝ともに、この球場で大谷選手にはホームランが出なかった。しかしスーパースター大谷選手は、毎年進化し続ける。それを証明したのが、この日のマーリンズ戦だった。
まずは走塁から。初回にいきなり大谷選手が二塁打を放った。そして1死一、二塁の場面。二塁走者の大谷選手は、一塁走者とともにダブルスチール。これを成功させて50盗塁に到達した。
そして、打ってはホームランを大量生産。この球場は左翼105m、右翼102m、中堅124mと広い「投手優位」のスタジアム。しかし進化し続ける大谷選手にとって、どんな球場だろうと関係なかった。
六回にソリアーノ投手の137キロスライダーを引っ張ると右中間スタンドへ運ぶツーランを放った。2階席に届く133mの大アーチだ。
七回にはバウマン投手の141キロナックルカーブをレフトスタンドへ運ぶツーラン。これで一気に50本塁打の大台に到達した。
さらに九回。相手は敗戦処理で野手のブルーハン選手がマウンドに立っていた。109キロの遅球の直球をとらえてスリーラン。51本塁打に伸ばした。
相手3投手の球種はスライダー、ナックルカーブ、遅い直球と三者三様だった。しかし大谷選手はどれでもスタンドに運んでしまった。球場が広くても、どんな球種でも「弘法は筆を選ばず」で好結果を残した。
この日、大谷選手は「51-51」まで伸ばした。そしてドジャースは20-4と大勝してポストシーズン進出を決めた。大谷選手にとってはメジャー7年目にして初めての出場となる。
「大谷選手は球場も球種も選ばず」。今季、どこまで本塁打と盗塁を上積みしていくか。そして「その先」のポストシーズンで、どんなプレーを見せてくれるか。大谷選手へのワクワク感が止まらない。