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若者には嬉しさも悔しさも大きな糧になる。世界卓球の女子団体決勝。日本が女王中国に惜敗。歴史的な大接戦はパリ五輪へ大きな自信に。日本卓球はもっともっと強くなる

若者には嬉しさも悔しさも大きな糧になる。世界卓球の女子団体決勝で、日本が女王中国に挑んだ。歴史的大接戦で53年ぶりの世界一を目前としたが、2-3と敗れての準優勝だった。しかし中国選手から2試合奪取したことは大きな自信となったはずだ。今年はパリ五輪が行われる。大熱戦を演じた経験はさらなる飛躍へのバネになる。希望の光が差し込んだ。

韓国の釜山で行われた大会。日本はグループリーグ、決勝トーナメントと1試合も落とさずに決勝に勝ち上がってきた。頂上決戦の相手は中国。大会5連覇中の絶対女王だ。

15歳張本美和選手が第1試合に臨んだ。世界ランキング1位の孫穎莎選手と対戦した。昨年12月のWTTファイナルでは2-3と惜敗した相手。張本選手にはリベンジしたい気持ちがあったはずだ。しかし世界ランク1位の壁は厚かった。0-3で落としてしまう。

第2試合では早田ひな選手が登場。23歳のエースは東京五輪2冠の陳夢選手と相対した。第1ゲームを落としたものの、そこから3ゲームを連取し、早田選手がエースの意地を見せて勝利。相手選手は日本人相手に4年無敗。そんな強敵に土をつけたのは大きかった。

第3試合では平野美宇選手(23)が王芸迪選手に挑んだ。世界ランキング2位の相手に対し、平野選手は18位。しかしエース早田選手が作ってくれた波に、平野選手も乗っていった。

第1ゲーム11-8、第2ゲーム13-11、そして第3ゲームを12-10と制してストレート勝ち。日本が女王撃破へ王手をかけた。

ここで日本は一気にたたみ掛けたかったが、女王が息を吹き返す。早田選手は孫穎莎選手に0-3とストレートで敗れた。

最終試合。大事な場面に日本は張本選手を送り込んだ。第1ゲームを11-4で先取。流れに乗っていきたかったが、相手の陳夢選手が東京五輪女王の貫録を見せて、そこから3ゲームを連取。日本は惜しくも敗れ、53年ぶりの世界一とはならなかった。

3時間半に及ぶ大熱戦。張本選手は試合後に涙。「先輩方が良い形で回してくれた。5試合目で負けてしまって悔しい。ただただ悔しい気持ちでいっぱい」と振り返った。それでも世界卓球に初出場の張本選手には大きな経験となったはずだ。

早田選手と平野選手は1勝ずつを挙げた。それぞれの1勝は今後の自信にきっとなる。準優勝に終わっても、3選手が得たものは計り知れないのだ。

若者たちは多くのことを吸収して成長していく。嬉しいことも悔しいことも、今後の糧にきっとなる。今夏にはパリ五輪が行われる。雪辱のチャンスは、すぐ訪れる。卓球日本はもっともっと強くなる。パリで金メダルを手にする姿を楽しみにしたい。

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