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人生にも何事にも「消化試合」などない。西武が3年ぶりの最下位決定。残り18試合。来季の巻き返しのために有意義に戦って。戦力補強も必須の課題だ

人生にも何事においても「消化試合」などはない。西武が3年ぶりの最下位に決まった。今季は残り18試合ある。漫然とこなすのでなく、来季の巻き返しのために有意義に戦ってほしい。そして戦力補強も重要になってくる。11年前のあるメジャー球団がお手本となるだろう。レジェンドとなったある日本人選手の活躍で、最下位から世界一になったのだから。

西武は10日に敵地北海道で行われた日本ハム戦に臨んだ。九回表まで0-0と緊迫した展開。西武は九回裏を無失点で切り抜けて、延長戦に持ち込みたかった。

しかし、九回2死三塁のピンチで、相手の6番打者にライト前へヒットを浴びて、万事休す。西武がサヨナラ負けを喫した。これで西武は3年ぶりの最下位が決まった。

今季125試合を戦い、40勝83敗2分け。勝率は12球団唯一の3割台と低迷した。今季は残り18試合ある。これをどう戦うのか。真価が問われるだろう。

漫然とこなしてはいけない。来季に向けて有意義に戦ってほしい。そのためにも若手を中心に将来性豊かな選手を積極的に使うことが重要だ。

一方で戦力補強も必須となる。チーム打率2割8厘。両リーグ通じて最も低い。昨季オフに主砲だった山川穂高選手がFAでソフトバンクに移籍。代わりとなる選手の台頭が見られなかった。「育成+積極補強」が重要となってくる。

ここで11年前のあるメジャー球団の成功例を紹介したい。それがボストン・レッドソックスだ。2012年にアリーグ東地区で最下位の屈辱を味わったが、翌年は一気に世界一まで駆け上がった。

2012年、レッドソックスは記念すべきシーズンを迎える予定だった。ホーム球場のフェンウェイパークが100周年を迎えたのだ。メジャー最古の球場のメモリアルイヤー。レッドソックスの飛躍が期待されていた。

指揮官はボビー・バレンタイン監督。ロッテを2005年に日本一へと導いたことで、日本で有名な指揮官だ。2000年にはニューヨーク・メッツの監督としてナリーグ優勝へと牽引した。

しかし伝統球団のレッドソックスでは「ボビー・マジック」は炸裂せず、チームを最下位に低迷させてしまい、わずか1年で解任された。

翌年は巻き返しのシーズンとなった。超一流とはいえないまでも実績のある選手を獲得して強化を図った。

その1人が上原浩治さんだ。巨人で活躍した後、米国へ渡り、オリオールズ、レンジャーズのメジャー球団でプレーしていた。抑えの一角として、2013年に頭角を現し、クローザーを任されるまでに。

またチーム生え抜きの選手として活躍したのが田澤純一さんだ。日本では社会人の新日本石油を経て、日本のプロ野球入りをしないまま、メジャー行きを果たした。レッドソックスで2013年にブルペン陣の貴重な一人となった。

生え抜き選手と移籍選手が見事にマッチして、レッドソックスは前年の地区最下位から一気に世界一へと上り詰めたのだ。上原投手はアリーグ優勝決定シリーズではMVPを受賞するなど、レジェンド的な存在となった。

西武も今年、初のOB戦を春に開催するなど盛り上がりを図ったが、期待に応えられず、無念の最下位となった。

今季の残り18試合を無駄にしてはいけない。ここから可能性ある選手にチャンスを与えて、来季に向けた礎としてほしい。そして積極的な補強で、戦力を上げることもマスト案件だ。

最下位という結果を批判したくない。むしろ、いかに残り試合を戦うか。人生にも何事にも「消化試合」などない。その姿勢を見守りたい。地平を駆ける獅子は、ここからたくましくなってほしい。

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