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日本一まで「あと三つ」。8強出そろう。夏の全国制覇未経験校が7校。新時代到来か。初Ⅴへビッグチャンス。3回戦では「ミラクル」大社が早実に延長十一回サヨナラ勝ち

夏の甲子園も終盤を迎えている。8強が出そろい、日本一まで「あと三つ」となった。夏の甲子園優勝経験校は東海大相模(神奈川)のみ。7校が未経験だ。3回戦では早稲田実(西東京)、西日本短大付(福岡)、明徳義塾(高知)の夏の全国制覇経験校が敗れ去った。新時代の到来なるか。19日の準々決勝が楽しみだ。

17日の3回戦第4試合は、早実と大社の伝統校対決となった。両校ともに第1回大会から出場している。第1回大会は中等学校優勝野球大会だった。大社は杵筑中学だった。校名だけでも歴史を感じさせる。

今年の3回戦最後のカードは延長十一回までもつれる大熱戦となった。2-2で迎えたタイブレークの十一回裏、無死一、二塁からスタートする。打席には代打の安松大希選手が立った。

ベンチでは、監督からバントを決められる自信があるか選手にたずねた。自信をもって挙手したのが安松選手だった。地方大会も含めて、この夏初の出場となる安松選手が打席に送られた。

2球目。安松選手はバントで三塁線に転がした。打球は三塁線をなぞった後、内野側に転がった。内野安打となり、無死満塁。そしてこの試合十一回まで投げている馬庭優太投手が打席に立った。4球目を振り抜くと、打球はセンターへ転がった。サヨナラ勝ちだ。

小技でチャンスを拡大し、最後は十一回まで投げたエースがサヨナラ打を放った。「ミラクル」大社の勢いはさらに加速しそうだ。

負けた早実も九回にビッグプレーを見せた。同点とされ、なお1死二、三塁のサヨナラ負けとなりそうなピンチ。ここでレフトを交代した。1年生の西村悟志選手が入った。しかし外野に向かわない。なんと、投手と三塁手の間に立ったのだ。

早実が7月の西東京大会前から準備していた「内野5人シフト」。これまで公式戦で使うことはなかった秘策。大舞台で急きょ採用した。

このシフトが的中。打球はまさに西村選手の正面に。西村選手は三塁走者を目で牽制して、一塁へ送球しアウト。三塁走者がホームを突いたが、一塁手からの好返球によりホームでタッチアウト。秘策で一気にピンチから脱出した。

今大会最高のゲームともいえる内容だった。勝った大社に祝福を、敗れた早実に温かい拍手を送りたい。

これで8強が出そろった。このうち夏の甲子園優勝経験校は東海大相模1校のみ。夏2度、春3度の日本一を達成している、7校は夏の王者となったことがない。智弁学園(奈良)は春1度制しているが、夏は2021年の準優勝が最高成績だ。

6校は関東第一(東東京)、青森山田、滋賀学園、京都国際、大社、神村学園(鹿児島)。いずれも春夏共に頂点に立ったことがない。

新時代到来となるのか。東海大相模が夏3度目の王者となるのか。夏の甲子園は、ここからさらに熱くなっていく。19日の準々決勝が楽しみだ。

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