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雑感

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アニメ、書籍、映画などいろいろ雑多に雑感集。
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アニメ『葬送のフリーレン』雑感 ~文学のような名作~

アニメ『葬送のフリーレン』雑感 ~文学のような名作~

アニメ『葬送のフリーレン』を観た。その感想のような批評のような雑記。

ざっと感想

魔法が出てくるファンタジーの世界観ではあるけど、アクションシーンがたくさんある怒濤の展開はない。(後半はけっこうあるけど)。どちらかというと静かな物語。早く先が観たい!となるアニメではなかった。でも、決して退屈さはない。

人物描写や心理描写が細かく、すごく文学的でリアリスティック。長く心に残るような素敵な作品。

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朝井リョウ『正欲』の雑感

朝井リョウ『正欲』の雑感

何かと紹介・引用されている作品なので読んでみた。以下、朝井リョウ『正欲』の雑感です。

・内容をざっくり説明すると、社会が想定する「普通」から外れた人たちをめぐる群像劇。

空気

・朝井リョウは、空気を描くのがうまい。空気といえば、山本七平の『空気の研究』を思い出す。空気とはある種の前提のことだ。日本においては、このうまく言葉で説明できない「空気」が蔓延している。
(『空気の研究』では空気に「水

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最高の作品『進撃の巨人』最終回の雑感

最高の作品『進撃の巨人』最終回の雑感

『進撃の巨人』は面白い。それは北海道の海鮮は旨いと言うのと同じくらい当たり前のことだが、何度言っても言いすぎることはない。

先日、ついにアニメ『進撃の巨人』が最終回を迎えた。漫画の方は2021年に完結していたが、アニメとしても終わる意義は大きい。作画もクオリティも高くて文句なしの堂々たる終わり方で、感動すら覚えた。

賞賛の言葉はディテールが問われない(by 武田砂鉄さん)ので、『進撃の巨人』の

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村上春樹の新刊の雑感

村上春樹の新刊の雑感

村上春樹の新作書き下ろし長編の『街とその不確かな壁』を読んだ。小説ないし文学の感想というのは、読んですぐに出てくるものではないだろうが(あとからじわじわ効いてくるものだから)その感想を雑に書く。箇条書きです。

・読んでどうだったか? ありきたりな言い方になってしまうが、すごくよかった。村上春樹の長編は一応全部読んでいるのだけど、上位に入る出来じゃないだろうか。というより、彼の作品は作を重ねるごと

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機動戦士ガンダムが想像以上におもしろい

機動戦士ガンダムが想像以上におもしろい

「ガンダム」という単語はこれまで何度も耳にしてきた。ザクと呼ばれる緑色のメカのことも、「2度もぶったね、父さんにもぶたれたことないのに!」(※)というセリフも知っている。
けど、実際にアニメ本編は見たことはなく、ガンダムはただおじさんたちが好きな古いアニメという認識しかなかった。

そんな折、Amazonプライムを眺めていると、ガンダムが配信されていることを知った。ガンダムは絶対見た方がいいと絶賛

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