サワケンイチロウ

39歳、男。 自分の趣味の野球(MLB、NPB)、音楽、映画、ポップカルチャーの事を中…

サワケンイチロウ

39歳、男。 自分の趣味の野球(MLB、NPB)、音楽、映画、ポップカルチャーの事を中心にただただ個人的な感想とレビューをつらつらと書く為の場所としてます。 #MLB #NPB #Buffaloes #Mariners #Dodgers #Music #Movie

記事一覧

【映画】「PAST LIVESパストライブス 再会」レビュー

幼馴染の男女の再会というラブストーリー。 質感としては「花束みたいな恋をした」みたいな感覚を自分は感じた。 細やかな演出と、特にニューヨークの街の撮影の美しさが…

【映画】「ワンダーウォール 劇場版」レビュー

現状京都で過ごしている自分にとっては吉田寮は物理的にも近く、良く前を通る事もあったので気になっていた(この作品自体は少し前のものだがこの問題は現在も続いている)…

【映画】「ぼくは君たちを憎まないことにした」レビュー

世界的ベストセラーとなった実話の小説の映画化作品。 妻がある日突然テロの犠牲者になり、残された被害者家族である夫のアントワーヌとその幼い子供を中心とした話。 タ…

【映画】「市子」レビュー

多くの場所で語られている様に、主演の杉咲花、そして若葉竜也の演技の凄さが前面に出ている作品だった。 涙を流したプロポーズの翌日に姿を消した市子という人のこれまで…

【映画】「MEN 同じ顔の男たち」レビュー

予告などのキャッチーさとは裏腹に、暗喩が多く含まれているタイプの映画なので、それを込みで楽しめるかで評価が分かれる作品だなと思った。 女性が感じる男性への恐怖が…

【映画】「ほつれる」レビュー

とても生々しく、息苦しい。 良い映画、作品とは必ずしも良い物語ではないというのが分かるものだった。 ずっと綿子が映っているのに、彼女の気持ちに焦点が当たる事がな…

【映画】「アメリカン・フィクション」レビュー

近年、ポリコレやコンプラへの世間の意識が上がり、それ自体は責められるものではなく、昔よりも色々な声を上げやすくなったのは良い事だと思うが、特に表現においてはその…

【映画】「バービー」レビュー

グレタ・ガーウィグは前作の若草物語がかなり好きだったので、この作品も期待していたが、期待以上だった。 フェミニズムというものを作品で取り扱い、男女の立場を逆にす…

【映画】「IT/イット"それ"が見えたら、終わり。」レビュー

人気作品だけど、一度テレビでやってたのをチラ見して、「こえ〜」と思ってちゃんと観た事なかった。 ただのホラー作品という訳ではなく、子供達が協力してペニーワイズと…

【映画】「黄龍の村」レビュー

事前情報何も入れずに観た。 その方が良かったと思う。 前半の若者のノリや所作のリアルさと、途中からのいかにもセリフな所の棒さや村人の作りの荒さのギャップがいかに…

【映画】「コカイン・ベア」レビュー

タイトル通りコカインを食った熊の話。 んなアホなと思うが、コカインを食うところまでは実話ベースらしい。 この作品はその先の話で、コカインを食ってしまいラリった熊…

【映画】「リバー、流れないでよ」レビュー

タイムムープものっていう作品は世の中多く、考えて見れば同じシチュエーションで延々と撮れるので低予算な作品には相性がいいんだろうと思う。 今作も劇中ほとんどがルー…

【映画】「アステロイド・シティ」レビュー

個人的にウェス・アンダーソン自体は好きな監督なので、点数は低くはなりにくい。 作品を重ねていってもその絵造りに飽きる事なく、今作は特に色合いも明るくどの場面を切…

2023年の個人的映画ベスト10と映像作品について

昨年2022年は自分でも引くくらい映画を観た。 それまでは人生で多くとも月1本位で、映画館は年2回位行けばいい位だった。 数年前にマーベル、特にMCUにハマり、一気見した…

2023年の個人的音楽ベスト楽曲と感じた事など

毎年、その年にリリースされた楽曲から、自分がよく聴いたり、好きだったものを10個順番につけているのだけど、映画はそれがしやすいけど音楽は何かそれが難しいなぁと思う…

【音楽】藤井風『花』によせて

藤井風の『花』のMVが公開された。 彼の楽曲はMVと合わせて1つの作品という印象のものも多いが、今作も楽曲の持つ意味をより深く広げるものになってたと思う。 今回のMV…

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【映画】「PAST LIVESパストライブス 再会」レビュー

【映画】「PAST LIVESパストライブス 再会」レビュー

幼馴染の男女の再会というラブストーリー。
質感としては「花束みたいな恋をした」みたいな感覚を自分は感じた。

細やかな演出と、特にニューヨークの街の撮影の美しさが本当に素晴らしい。ほぼ登場人物が3人だけという会話劇なのにミニマムさをあまり感じなかった。

こと恋愛というものは男性は過去をずっと引きずり続け、女性は未来を見てる。「花束〜」でもそうであったが、この作品はヘソンが常に左、ノラが右に位置す

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【映画】「ワンダーウォール 劇場版」レビュー

【映画】「ワンダーウォール 劇場版」レビュー

現状京都で過ごしている自分にとっては吉田寮は物理的にも近く、良く前を通る事もあったので気になっていた(この作品自体は少し前のものだがこの問題は現在も続いている)。
もちろんそれ以前から吉田寮の事は知っていたし、京大の面白名物スポットの1つとして捉えていた。

実際にこの作品を見て、「場所」が人々の心の拠り所となる事の大きさを改めて考えた。経済至上主義の中で再開発によって色んな景色が変わる。
新しい

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【映画】「ぼくは君たちを憎まないことにした」レビュー

【映画】「ぼくは君たちを憎まないことにした」レビュー

世界的ベストセラーとなった実話の小説の映画化作品。
妻がある日突然テロの犠牲者になり、残された被害者家族である夫のアントワーヌとその幼い子供を中心とした話。

タイトルにもなっている出来事がクライマックスになっていない所が良かった。
その出来事が起こった後の気持ちの浮き沈みや動きがとてもリアル。
そうだよな、人生は続いていくもんなと。

息子役の子の演技が素晴らしく、彼を観るためだけでも価値がある

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【映画】「市子」レビュー

【映画】「市子」レビュー

多くの場所で語られている様に、主演の杉咲花、そして若葉竜也の演技の凄さが前面に出ている作品だった。

涙を流したプロポーズの翌日に姿を消した市子という人のこれまでを様々な登場人物の視点からなぞっていく構成。冒頭とラストは同じシーンだが、全てが明らかになって観ると見え方が全く異なるものになるのは面白い。

市子の人生を大きく動かすきっかけとなる本作の大きなテーマの問題、そして妹の病気。
前者はともか

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【映画】「MEN 同じ顔の男たち」レビュー

【映画】「MEN 同じ顔の男たち」レビュー

予告などのキャッチーさとは裏腹に、暗喩が多く含まれているタイプの映画なので、それを込みで楽しめるかで評価が分かれる作品だなと思った。

女性が感じる男性への恐怖が、表面的なものもあれば、内面、男性性によるものもあり、特に女性に取っては嫌悪を抱くようなシーンが多いと思う。
もしかしたら全然怖くない、と感じる男性もいるかもしれないが、それこそがこの作品で描かれてる恐怖と繋がるのかなと感じた。

「プロ

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【映画】「ほつれる」レビュー

【映画】「ほつれる」レビュー

とても生々しく、息苦しい。
良い映画、作品とは必ずしも良い物語ではないというのが分かるものだった。

ずっと綿子が映っているのに、彼女の気持ちに焦点が当たる事がなく、淡々と、客観的に外側から見てるような感じで様々な出来事を写しているのが印象的だった。
誰かの人生を切り取って見てる。そのリアルさがある作品だった。

よくある不倫のドラマや映画などにある修羅場、みたいなものはなく、ゆっくりと首を絞めら

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【映画】「アメリカン・フィクション」レビュー

【映画】「アメリカン・フィクション」レビュー

近年、ポリコレやコンプラへの世間の意識が上がり、それ自体は責められるものではなく、昔よりも色々な声を上げやすくなったのは良い事だと思うが、特に表現においてはその塩梅がとても大事で、映画、ドラマの映像作品にしてもゲームにしても過剰に意識し過ぎるが余り、それに対してのバックラッシュが起きてる。
そういったものが特に海外のディズニー作品離れに繋がったり、日本においても「ふてほど」みたいな作品が支持を得る

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【映画】「バービー」レビュー

【映画】「バービー」レビュー

グレタ・ガーウィグは前作の若草物語がかなり好きだったので、この作品も期待していたが、期待以上だった。

フェミニズムというものを作品で取り扱い、男女の立場を逆にするという作品は他にもあると思うが、バービーというものを最大に活かしながらしているので嫌味がない。バービーだからこそと言えそう。
バービーワールドでのケンの扱い悪過ぎるだろと言うのがそのままカウンターになるという。

中に含まれている細やか

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【映画】「IT/イット"それ"が見えたら、終わり。」レビュー

【映画】「IT/イット"それ"が見えたら、終わり。」レビュー

人気作品だけど、一度テレビでやってたのをチラ見して、「こえ〜」と思ってちゃんと観た事なかった。

ただのホラー作品という訳ではなく、子供達が協力してペニーワイズという怪物と対峙していく、というストーリーは非常に良かった。
ホラー作品があんまり、という人にも観やすく、いいバランスだった様に思う。

ペニーワイズの作り込みは絶妙に気持ち悪く、クウォリティが高かった。

ストレンジャーシングスが好きな自

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【映画】「黄龍の村」レビュー

【映画】「黄龍の村」レビュー

事前情報何も入れずに観た。
その方が良かったと思う。

前半の若者のノリや所作のリアルさと、途中からのいかにもセリフな所の棒さや村人の作りの荒さのギャップがいかにもB級映画感かなぁという感じ。
古くからの慣習を若者がぶち壊していくというのを社会の中によくある構造に置き換えて観ると非常にスカッと楽しめる。
好き嫌いははっきり分かれるだろうし、何か特別残るものはないが、自分は何も考えずに観て楽しめた。

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【映画】「コカイン・ベア」レビュー

【映画】「コカイン・ベア」レビュー

タイトル通りコカインを食った熊の話。
んなアホなと思うが、コカインを食うところまでは実話ベースらしい。

この作品はその先の話で、コカインを食ってしまいラリった熊がガンガン人を襲うという何とも分かり易い映画。
ガンガン人が襲われていき、まぁまぁグロいやられ方のとこもあるのだが、スリラーとコメディが絶妙のバランスで成立している。
最初から終わりまで割とベタな展開で、古き良きアメリカのB級映画のそれな

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【映画】「リバー、流れないでよ」レビュー

【映画】「リバー、流れないでよ」レビュー

タイムムープものっていう作品は世の中多く、考えて見れば同じシチュエーションで延々と撮れるので低予算な作品には相性がいいんだろうと思う。

今作も劇中ほとんどがループ場面で終わるのだが、ループする2分間は全てワンカットで撮られているので、見やすくもなっているが、セットや室内ではなく、外でもロケというのも含めて制作大変やったやろうなぁと思った。

同じ場面を繰り返すというのは、一歩間違えると同じものを

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【映画】「アステロイド・シティ」レビュー

【映画】「アステロイド・シティ」レビュー

個人的にウェス・アンダーソン自体は好きな監督なので、点数は低くはなりにくい。
作品を重ねていってもその絵造りに飽きる事なく、今作は特に色合いも明るくどの場面を切り取っても美しい。

しかし今作は絵造りの鮮やかさとは対照的に物語はなかなか難解なもの。
劇中劇という入れ子構造の造りも手伝ってか、登場人物に対する愛着がこれまでの作品に比べて湧きにくく、全体的なストーリーの流れより、細かなジョークの方が面

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2023年の個人的映画ベスト10と映像作品について

2023年の個人的映画ベスト10と映像作品について

昨年2022年は自分でも引くくらい映画を観た。
それまでは人生で多くとも月1本位で、映画館は年2回位行けばいい位だった。
数年前にマーベル、特にMCUにハマり、一気見したあたりから、数時間の映画を観る癖みたいなものがついた。
元々音楽を軸にポップカルチャー好きなので、音楽からその時代性だったり、色んな繋がりを深掘りして知っていったり聴いたりするのが好きだったが、それが映画まで飛び火した感じ。そして

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2023年の個人的音楽ベスト楽曲と感じた事など

2023年の個人的音楽ベスト楽曲と感じた事など

毎年、その年にリリースされた楽曲から、自分がよく聴いたり、好きだったものを10個順番につけているのだけど、映画はそれがしやすいけど音楽は何かそれが難しいなぁと思う。
音楽はその時のマインドよって大きく印象が変わったりする。ちょっと料理とかと似てるのかも。
ロックを聴きたい気分の時にダンスミュージックを聴いてもピンと来なかったり、その逆もあったり。中華の気分の時に和食を食べてもあんまり、みたいな感覚

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【音楽】藤井風『花』によせて

【音楽】藤井風『花』によせて

藤井風の『花』のMVが公開された。
彼の楽曲はMVと合わせて1つの作品という印象のものも多いが、今作も楽曲の持つ意味をより深く広げるものになってたと思う。

今回のMVはモチーフが葬式だというものが見るだけで伝わるが、今作は「死」の匂いというものがそこかしこにある。
最初のフレーズの「枯れていく」という言葉も彼自身が英訳して載せている歌詞だと「It's dying」となっている。
藤井風の楽曲では

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