【映画】「バービー」レビュー

グレタ・ガーウィグは前作の若草物語がかなり好きだったので、この作品も期待していたが、期待以上だった。

フェミニズムというものを作品で取り扱い、男女の立場を逆にするという作品は他にもあると思うが、バービーというものを最大に活かしながらしているので嫌味がない。バービーだからこそと言えそう。
バービーワールドでのケンの扱い悪過ぎるだろと言うのがそのままカウンターになるという。

中に含まれている細やかな皮肉などのチョイスやバランス感も絶妙で、ポストパンクやphotshopのくだりは苦笑い超えてごめんなさい〜って爆笑した。

大きく見ると話は男女の二項対立だが、アランというキャラはクィアの人達を表してるのかなと思った。明らかな少数派で、バービーとケン、どっちが主流の世界になっても微妙に居心地が悪そう。
フェミニズムも今では男、女というだけでなく色んな階層がありグラデーションがあるが、そこまで大きくは踏み込んでないものの、この見せ方はとても良かった様に思う。

フェミニズムをどストレートで取り扱いながらもちゃんとエンタメ作品としても成り立っていて、ルックも音楽も最高って、完璧なのでは。
傑作。