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【映画】「アステロイド・シティ」レビュー

個人的にウェス・アンダーソン自体は好きな監督なので、点数は低くはなりにくい。
作品を重ねていってもその絵造りに飽きる事なく、今作は特に色合いも明るくどの場面を切り取っても美しい。

しかし今作は絵造りの鮮やかさとは対照的に物語はなかなか難解なもの。
劇中劇という入れ子構造の造りも手伝ってか、登場人物に対する愛着がこれまでの作品に比べて湧きにくく、全体的なストーリーの流れより、細かなジョークの方が面白く感じた。
ただやはり豪華俳優陣の表現は素晴らしく、この役者に演技をさせない監督の作風の中で個々の存在感が光っており、そこも美しい絵を創り上げる要素になっている様に感じた。

子供の方が大人っぽく、大人達の方が子供じみているというのはウェス作品で多いが、今作もそうなっており、そこは個人的に好きなポイントの1つ。

ウェス作品の中で上位に来るものではなく、作品自体はこの作品公開後にNetflixで公開された短編集の方が面白いが、この美しい映像を観るだけでも価値はある作品。

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