羽をもがれた妖精は復讐を謡う-小噺②
陽もだいぶ落ちてきた頃、俺たちは設置されていたテントの中にいた。多くの人が利用出来るように椅子はなく、立ち飲み用の丸テーブルが置かれている。
夕飯代わりに、俺たちは大量に買った食べ物を広げた。
「焼きソーセージは定番だよなぁ」
「ライプクーヘンも美味しいっ」
林檎のムースがお気に召したのか、たっぷりと付けるナギ。俺は「ビールにすれば良かった」と呟く。ちなみに今飲んでいるのはメットだ。
「あ、聖歌隊が出てきた」
ナギはこんがり焼けたマッシュルームを食べながら、先ほどまで暗かった