新年に経営理念・ミッション・パーパスとの付き合い方を考えてみた
纏め:この記事の背景/課題/結論
【背景】
20歳からスタートアップ経営⇒戦略コンサル執行役員⇒パナソニック中途入社10か月目を迎えた筆者の忘備録
新年ですのでフレッシュな気持ちで敢えて難解に見える『経営理念・ミッション・パーパス』からそれらとの付き合い方を考えてみました
【原体験からの課題】
大きな組織では理念は浸透していないどころか苦手科目。構造的に自己効力感を持ちづらい
スタートアップでは当初はゾーンに入っていても組織拡大と共に加速度的に理念の形骸化も
【結論】
両アプローチの組み合わせにより(北風ではなく)太陽を目指したい!
1.量的アプローチ(積極的に経営理念を語る)※このnoteもその一つ
2.質的アプローチ(自分自身の心が震えることを信じて伝播させる)
(前置き)ようやくnote第2弾!!
2022年4月1日の入社から早10か月目。
皆さまのお陰で、想像以上にエキサイティングな日々を送ることが出来ています🙇♂️
パナソニックのポテンシャルと難しさに直面していますが、自責として(職位という意味ではなく、誰でも提案・実行できる出来るカルチャー)挑める環境が大きなやりがいになっています。
何よりパナソニックをもっとよくしていきたいと行動する多くの同志に巡り合い、切磋琢磨させていただいています。
※パナソニックグループの未来戦略構築を担う仲間を絶賛募集中です。
ピンと来た方はいつでもお気軽にご連絡ください!!!
さて、パナソニックが事業会社制に変わった4/1、私の入社日にnote 1本目の記事(【コンサル退職&入社エントリ】 幼い頃に憧れた一人の商売人|棚橋智@パナソニック|note)
を書いたことで、その後、「note読んだよ!」と社内外から100回くらい、いやもっと多く言って頂きました🙇♂️
「フォロー」、「ハートマーク」を多くの方々に頂くことが出来て、それが大きな力になりました。
noteがキッカケでパナソニックの採用企画記事
(しかもめでたくトップバッターとして)にもして頂きました😎
出来る限りリアルな心情を綴りました。
社外で反響が桁違いに良かったとのこと。
社内でも更に繋がりを増やすことが出来、、
note書いておいて本当に良かったなぁ、、と。
が、それから早9か月が経過・・・
(何名かの方に)
「棚橋さんはnote 1本だけで潔いですよね」
→いえ、潔いのではなく、、😅
(幹部からも)
「転職して感じた1年目の気持ちこそ残すべき」
→はい、ごもっとも、、😅
(発信力がある社内の先輩からは)
「むしろなぜ発信しないの?伝わらないよ」
→はい、もう何も言えない、、😭
ということで今回はパナソニックに来て、
改めて頻繁に、よく考えるようになったことを書くことにします。
あなたは経営理念・ミッション・パーパスにドキドキしていますかー?
こんなこと急に言われたら別の意味でもドキドキしませんか😁
本来、経営理念って、その組織が世界のどの組織・集団より拘っていることのはず。
いつの時代も強い組織はそれを体現し良いサイクルが回っていますよね。
経営理念・ミッション・パーパス、これにドキドキしている状態ってゾーン状態だと私は捉えていますし、そこに反論はないのではと思います。
スタートアップの経営者を経て、10年前に経営コンサルタントになってから驚愕したこと😭がありました。私がパナソニック入社前の話です。
クライアントである大企業では経営理念・ミッション・パーパスはほとんど浸透していないということ。
あまりに浸透していないので、大企業が掲げていることは、従業員が目を背けてきた、本来やらなくてはならないけど出来ていない(やりたくないこと?)を示しているとすら個人的には感じていたこと。
官僚的になってしまっている会社では「改革」という言葉が・・・
利己主義が強かったり、プロダクトアウトに陥っている会社では「お客様」という言葉が・・・
従来の事業ドメインに固執している会社では「イノベーション」と言う言葉が・・・
リアル・アナログが好きな人が多くいる会社では「デジタル」という言葉が・・・なんとも皮肉なことに躍っていることか。。
書いていて辛くなる😭・・・つまり私は経営コンサルタントとして仕事をさせていただきながらそれを変えることが出来なかったということ。
コンサル時代は、これらをクライアントの苦手科目と捉えていました。
(クライアントの経営者からは、「まさに、そうなんだよなぁ」という反応が多い)
でもそれって、勉強が大嫌いな子供の子供部屋に「毎日勉強」という言葉が飾ってあるようであまりにシュールな状況じゃないですか・・😅
そもそも経営理念・ミッション・パーパスが浸透しているってどんな状態だと皆さんは思いますか?
私はシンプルに捉えています。
それは、「組織構成員(企業では従業員)の日常の会話の中にどれだけ経営理念に関する言葉が登場しているか。」
ポイントは決して、経営者が何度発信したかでも、体系的な理念研修があるかでもなく、『従業員の日常』ということ。
急に解釈や結論を出したりテストするでもなく、日常的に話題に出すことで日ごろから考えを深めていくという量的なアプローチも大事ということではないでしょうか。
難しく考えすぎず経営理念について日常的に会話していきたいと思います。
今回のnoteも何かそのきっかけになればと思い書いています。
今日も大きな組織で起きていること。
創業者の言葉:『経営とは感動を与えること』。
しかし、量だけ伴えばいいのかというとそんなこともなく、、
ここからはパナソニックの話です。
パナソニックには、創業者の松下幸之助が生み出した経営理念と経営理念の根幹である綱領・信条・七精神というものがあり、それらを体現するストーリーとして創業者や歴代の経営陣や社員が残した多くの言葉があります。
私も入社前からそれらに関連する書籍だけでも20冊以上は読んできました。
それらが難解だ、今や一般論では?とか、いくら読んでも答えは書いていない など、
言われてしまうこともあると聞きます。
大きな組織、ステークホルダー、階層、職能、長い歴史、、、複雑過ぎて、顧客が誰か、何が自分たちの価値なのか分かりづらいかもしれないです。
そして、自己効力感(会社の未来は自分、そして私たちの手の中にある と言う感覚)が持ちづらいかもしれない。
蛸壺、手段が目的化、上位下達。いわゆる大企業病。大きな組織の宿命なのか・・・
その結果、
自責ではなく、他責に
楽しいと感じられない、やりがいが薄い
上司からの指示を正解だと捉えて言われた通りやる
自分のやりたいことを会社にやらせてもらうこと(予算を継続して獲得すること)が目的化
面従腹背?
そんな事象が起きてしまっていたとしても違和感はないです。
そしてこれを続けていてはお客さまの価値に繋がりづらいので、
活動は発展していきずらい。
一定期間で辞めさせられてしまう。
となるとまたモチベーションが下がる、、
この繰り返しでは、
「私は何のための働いているのだろう?」😅
(経営基本方針ハンドブックの最初の問い)
の状態に戻ってしまうのではないでしょうか。
その事態を打破するために、
・もっと当事者意識をー
・自律的にー
・能動的にー
・WHYを考えようー
・経営者意識をー
・経営理念に回帰しようー
・各種の理念研修をー
様々なアプローチがあると思いますし、社内でよく聞きますよね。
しかし、北風的な(正論的な)アプローチだけでは変わらない。人は変わろうと思えない。
じゃあどうしたら良いのだろうかー。
ここで私に深く響いている松下幸之助の言葉です。
『経営とは感動を与えること』
商売/経営とは感動を与えること。
お客さまに対しては勿論のこと、取引先、社内、家族に対しても同様。
感動を生むためには常に事前の期待を上回ることを考えよ。
と語っています。
私はそれを自分なりに、商売/経営に携わる人は(自分を含めて)自分の周囲の人々の心を震わせられる人でなくてはならないと解釈しました。
つまり、お客さまだけでなく、一緒に仕事をしているメンバーが、取引先が感動していない=心が震えていないのであれば失格だと。
心に着目した質的なアプローチであり、これらは自分の内なる力から始まると考えています。
経営理念・ミッション・パーパスにおいても、
なぜ自分自身の心が震えるのかー この気持ちを疎かにしない。
そして、無理せずに、素直に、丁寧に自分の想いを伝える。
それが周囲にその感動を伝播させていく方法ではないかと今感じています。
皆さん、語り合いましょう‼️
スタートアップでの実体験と直面した壁
ここからはとても長いのですが、
私の原体験を一つご紹介します。
また話は遡ります。私のファーストキャリアは約20年前の学生起業でした。
高校生の頃から起業しようと上京した自分にとって、働くとは、部活動のように好き好んでやるものでした。
経営者家系でもないし(流行りの?)起業家教育なるものも受けたこともなく、誰からも「起業」せよ と言われたことはなかったけれど、中高で熱中出来るものが全くなかった自分にとって、起業は最高のエンタメでした。
勿論、好き好んでやってきたので「やりたい という気持ち」がベースですが、高みを目指そうとすれば、そこに挫折もあり、葛藤もあり、人間関係の悩みもあるのだと思います。大きなお金も扱い、自分だけではなくお客さま、メンバー、取引先の方々との真剣勝負なわけですからその意味では、辛いこともありました。
が、根底のモチベーションは好きでやっている😁
余談ですが、世の中に色々な職業がありますが、起業家以外には、アイドルやプロスポーツ選手は、好きだからやっている という人が、マネジメント/経営レイヤー以上に、プレイヤー/従業員レイヤーに圧倒的に多いと聞きます。
アイドルの場合は、アイドルを続けるために報酬より持ち出し金額の方が大きくなってしまう・・😭という話すらあるようで。
さて、話を戻します。
私がスタートアップ経営をしていたとき、立ち上げから2-3年間は、会社の経営理念、目的、ミッション、パーパスについて、仲間で語り合うのは立場問わず、日常でした。
なぜならそれを実現するために仕事をしていると一人一人が信じていました。
当時の経営理念は、『不可能を可能に、たくさんの笑顔の創造。』
創業から共に汗を流した私の盟友であり、私より2年先に会社を離れ、今は海外留学エージェントのスクールウィズ社CEO太田英基が当時のことを記事にしています。
http://blog.livedoor.jp/mohideki/archives/51690162.html
現代の言葉で言うと、皆がゾーンに入っている状態。
スタートアップブームなんか来ていない中だったので、周囲の人からは不審がられていましたが 苦笑
ゾーン状態なので、経営理念の実現の為に、皆の協調により120%を力を出している状態。そして一人一人が圧倒的に成長している(これ、重要!!)。
全員現役の大学生(アルバイト経験のみ)のみで経営していたのですが、
学業と両立させながら創業から半年間で売上、2年目から黒字化を実現していました😁
その後、コンサルタントとして色々な大企業の新規事業を見てきましたが、副業状態で1-2年以内で人件費を含めて黒字化しきることがどれだけ難しいか と感じます。
しかし、その中で、組織が大きくなるにつれて、急速にその力が弱くなっていくことも感じました。当時は120%だったパワーが、どんどん弱くなり、人数が増えても組織のパフォーマンスが伸びなくなってしまいました。むしろマイナスになってしまったと感じたことも。
スタートアップでも当初はゾーンに入っていても組織拡大と共に加速度的に理念が形骸化してしまうことを身をもって体感しました😭
上記で書いた、量的なアプローチと質的なアプローチの掛け算そのどちらも弱くなってしまっていた、疎かになってしまっていたなぁと感じます。
(最後に)経営理念より大事なものはあるのか?
パナソニック/松下電器産業の三代目社長山下俊彦は「経営理念を唱えることより大切なものがある。それは利益だ」と語ったそうだ。
(「神さまとぼく」より)
※ちなみに、神さま:松下幸之助、ぼく:山下社長
これもまた個人的には共感できるのです。
しかし、だからと言って、「利益だけに着目しよう」だけでは対話としては足りないと感じます。
コンサルの時であっても、利益以上に感動が必要だと感じたことが多くありました。
(再掲)纏め:この記事の背景/課題/結論
【背景】
20歳からスタートアップ経営⇒戦略コンサル執行役員⇒パナソニック中途入社10か月目を迎えた筆者の忘備録
新年ですのでフレッシュな気持ちで敢えて難解に見える『経営理念・ミッション・パーパス』からそれらとの付き合い方を考えてみました
【原体験からの課題】
大きな組織では理念は浸透していないどころか苦手科目。構造的に自己効力感を持ちづらい
スタートアップでは当初はゾーンに入っていても組織拡大と共に加速度的に理念の形骸化も
【結論】
両アプローチの組み合わせにより(北風ではなく)太陽を目指したい!
1.量的アプローチ(積極的に経営理念を語る)※このnoteもその一つ
2.質的アプローチ(自分自身の心が震えることを信じて伝播させる)
今回はここまでです。
最後までお付き合い下さり、有難うございました🙇♂️
皆さまからの「フォロー」、「ハートマーク」が更新する活力になります😁
※パナソニックグループの未来戦略構築を担う仲間を絶賛募集中です。
お気軽にご連絡ください!!!
棚橋 智
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?