薬缶の音はひっきりなしに 耳を苛立たせる 出立が近づいているせいだ 黒い厚底の靴に紐を通し 足を通し踏み鳴らし 目を閉じる 風が叩く 窓向こう 音無く降り落ちる無垢…
官能と統制の殉教者たち 壁際に立って 撃ち殺されるのを待って 測り売りの友の輪に 暦通りに巡る恋人 抗鬱代わりの官能 換金された忠誠と新鮮な卵 精神を喪えば何もかも…
歌えよ歌え 夜は斯くも燃えあがる 弾道画き燃えあがる 歌えよ歌え 人は囀り鳥は黙した 泥で顔を塗り込めよ 吾は瓦礫の裔なるぞ 歌えよ歌え 破片滲んだ唇で 踏み揃えし長…
皮膜の中で声を聴いた めいめいの、さまざまな おびただしい音とともに 腹から流れ込む、あまやかな血流や毒 脈うち、循環し、排泄し、変容する地上の種子 痛みの果てにし…
ぼくは無力だった。 けども無力な存在以外に、 誰が告発に真の意味と 価値を与えられるだろう。 ぼくは非力だった。 でも生まれたときから、 ぼくは無限の可能性 そのも…
ぼくの胸に手を置いた あなたの手のひらから 悪人の匂い 堪え飽きた腹に 悪食の衝動 ぼくの皮膚を掻き混ぜた うつくしい夢想 奥歯に噛み砕かれ 切実さは夜を明かす あな…
殻の中で私は想う、 太陽はわたしの目を焼きはしないか 雨は私の羽をすっかり打ち流してしまわないかと。 見た事のない太陽も 濡れたことのない雨も 硬い膜の外から熱や…
いまこの一歩を踏み出す勇気が 穏やかなほのおのごとく あかりとなって この胸に灯りますように 踏み出すことの喜びが こころを解放する熱となって 私のからだの中を …
雨音は止み、 椅子を離れ窓を放つ 風満つ十六夜は紙の上に滴り、 細長く綴られ続けた寂寞は苦く熟れて その実を落とした あなたの頬骨のすぐ下を、指の背でくすぐれば 昏…
土に納められる時を待つ棺の静寂、それを囲う人々に漂う動かぬ時間、腐りゆく体の放つ酸味がかった死の匂い、雨に濡れた雲間から刺す一筋の清冽な光、それらすべてがその人…
幾千億もの頁がささやく 書庫の影で 煌々と照らされた壇上で 机上の掌の中で 正義の手本は此処に在りと あなたはひとりうつむく 言葉もなく トタン屋根から手を振ろう 立…
【歌】 ああ僕のシュークリーム Why あんなに近くにいたのに Why さよならも言わずに消えた Oh 会えなくなって初めて分かった どれほど you're so sweet You're my sweet …
わたしのからだの表象までも 光を湛えた命が燃えている 地殻の奥、紅く重く蠢く 言葉は生まれ 涙となって流れ 祈りと共に震える 苦しみは死よりおそろしく 闇よりいづる…
右のくぼみに被害者の 左のくぼみに加害者の 目玉を嵌め込んで 辺りそこらを窺っている 両目を一度に開けられたなら この病いは癒えるだろうか あるいてもあるいても、…
君とのもっとも美しい想い出は 夕飯を共に食べていた あのひととき 君が僕に贈った いちばん素晴らしいもの 返事もできぬほど疲れ切った日 君が何も言わずに買ってきた …
こんにちは、はじめましてsatoreraと申します。 姓名は、画像にある『佐藤麗良』という名で生まれて来ました。 創作で使っている『satorera』の「sato」は日本語の「里…
satorera
2022年5月10日 20:51
薬缶の音はひっきりなしに耳を苛立たせる出立が近づいているせいだ黒い厚底の靴に紐を通し足を通し踏み鳴らし目を閉じる風が叩く 窓向こう音無く降り落ちる無垢のいろ熱く生臭くせりあがる息に白い景色の中で脈打つ鼓動におれはけして無垢な存在などには成りえないと蝮の裔に産まれ落ちた子どもなのだと涙で贖えるものは何もない涙に代わるものが 何もないように後いくつの欲望を
2020年8月20日 22:50
官能と統制の殉教者たち壁際に立って撃ち殺されるのを待って測り売りの友の輪に暦通りに巡る恋人抗鬱代わりの官能換金された忠誠と新鮮な卵精神を喪えば何もかもが容易い深緑の瞬きに触れることを忘れた亡霊の睦言は生き難く安全な檻の中にこそ響く惰弱さをそしられる日をおそれひたすらに歩を進めれば毛羽立った感情が充満し皮膚を撫で苛立ちを泡立ててゆく得体なく、正体をもなくし
2020年6月21日 22:23
歌えよ歌え夜は斯くも燃えあがる弾道画き燃えあがる歌えよ歌え人は囀り鳥は黙した泥で顔を塗り込めよ吾は瓦礫の裔なるぞ歌えよ歌え破片滲んだ唇で踏み揃えし長靴の底で歌えよ歌え咎人蹴りて堕ろさせよ喉を涸らして犬の名を叫べよ叫べ袖を濡らしたお前の顔を歌えよ歌え涙とともに燃えあがる骨身とともに燃えあがる尽きぬ焔の影につつまれ歌えよ歌え果てること無き哀しみを
2020年5月27日 14:54
皮膜の中で声を聴いためいめいの、さまざまなおびただしい音とともに腹から流れ込む、あまやかな血流や毒脈うち、循環し、排泄し、変容する地上の種子痛みの果てにしか生まれ得ぬわたしはあなたの独り子だ早ければ流れ落ち、遅ければ破裂するあなたに孤独を与え、慈悲に与する安寧をくくりつけ左右に揺れる椅子、自負を纏った声は頭蓋に良く響くやり切れなさを煙に巻くための中傷は食卓を、机上を、
2020年5月25日 20:13
ぼくは無力だった。けども無力な存在以外に、誰が告発に真の意味と価値を与えられるだろう。ぼくは非力だった。でも生まれたときから、ぼくは無限の可能性そのものなんだ。ぼくは奪われてしまった。手や足を摘み取られるように。不安や敵や貧しさもみんなぼくの友達だったんだ。ぼくがいなくなって、きみはもうぼくの名すら呼べなくなってしまった。だけど密やかに隠れるように口
2020年4月12日 22:20
ぼくの胸に手を置いたあなたの手のひらから悪人の匂い堪え飽きた腹に悪食の衝動ぼくの皮膚を掻き混ぜたうつくしい夢想奥歯に噛み砕かれ切実さは夜を明かすあなたの口から零れた苦悶や喘ぎが溶ける前に舌の上に乗せるんだ静かにあなたを掻き混ぜる炭から噴き出す煙に炙られたあなたのうつくしい希みは逃げ惑い窓から落ちる人のようだ鼓動を濡らし敷布に染みを形取るあなたの指の爪
2020年4月12日 17:54
殻の中で私は想う、太陽はわたしの目を焼きはしないか雨は私の羽をすっかり打ち流してしまわないかと。見た事のない太陽も濡れたことのない雨も硬い膜の外から熱や音でもってその存在を知らせる。痛みの中で産声をあげればあらゆる事象がわたしを出迎える。みずからの嘴で私を呼ぶものの姿を確かめるために。この薄ぼんやりとした部屋の中で、死んでしまわぬために。生え揃わず縮れた羽や
2020年4月12日 17:07
いまこの一歩を踏み出す勇気が穏やかなほのおのごとくあかりとなってこの胸に灯りますように踏み出すことの喜びがこころを解放する熱となって 私のからだの中を波紋のようにひろがってゆきますように橙色や桃色の光の粒子のようにときにゆらめき、掠れ、くすぶるあかりであっても わたしが何度も思い出せますようにやわらかな想いは砂のようにどこかへ散らばって行きそうで両のてのひらで包
2020年3月21日 21:38
雨音は止み、椅子を離れ窓を放つ風満つ十六夜は紙の上に滴り、細長く綴られ続けた寂寞は苦く熟れてその実を落としたあなたの頬骨のすぐ下を、指の背でくすぐれば昏冥を抜ける光彩が眸の中に浮かんで跳ねるおおよそふたしかな語らいは何を以っても覆し難く、沈黙の底に生まれた魚のうろこは白く奇怪に蠢きまわるあなたの肩に頭を埋めて目を閉じれば綴じられた物語より深くわたしを慰め、じり
2020年1月31日 21:39
土に納められる時を待つ棺の静寂、それを囲う人々に漂う動かぬ時間、腐りゆく体の放つ酸味がかった死の匂い、雨に濡れた雲間から刺す一筋の清冽な光、それらすべてがその人の瞳の中に鎮座し、音も無く暴かれるのを待っている。人の手で暴かれるのではない。鋭利で滑らかな言葉の刃で、自らの皮膚を、筋肉を、脂肪を割いて開腹し、膿を取り出し、それからまた言葉の糸を紡いで縫い留めるだろう。その様を人は物語と、もしくは幻視と
2020年1月12日 22:07
幾千億もの頁がささやく書庫の影で煌々と照らされた壇上で机上の掌の中で正義の手本は此処に在りとあなたはひとりうつむく言葉もなくトタン屋根から手を振ろう立派な理論を着せられた万能感の奴隷たちに金脈の上に奪う者と奪われる者の腹の音が響き渡るから破裂した胸を見つめながら服を脱いで踊っていよう煙幕に満ちた道端でわたしたちは頁を捲る崩壊は音を立てるものとほがらかな
2020年1月12日 21:39
【歌】ああ僕のシュークリームWhy あんなに近くにいたのにWhy さよならも言わずに消えたOh 会えなくなって初めて分かったどれほど you're so sweetYou're my sweet【RAP】You were the only one in コンビニAnd you were the last one in コンビニ俺が今夜、かっさらった20円引きの眩しい君を
2020年1月1日 23:31
わたしのからだの表象までも光を湛えた命が燃えている地殻の奥、紅く重く蠢く言葉は生まれ涙となって流れ祈りと共に震える苦しみは死よりおそろしく闇よりいづる手は深くわたしを抉った言葉はかたちを忘れ崩れて霧散し塵と共に星雲を成した揺らめいて放射する熱は虹色の鉱石の欠片に宿りまばらな闇の密度を暴く蒼い流星の群れを引き留める術なく佇むわたしの命は瞬いている白々と
2019年12月31日 22:45
右のくぼみに被害者の左のくぼみに加害者の目玉を嵌め込んで辺りそこらを窺っている両目を一度に開けられたならこの病いは癒えるだろうか あるいてもあるいても、 足は小さいままだ 足のうらを地面にこすりつける ちいさくちいさくあるいて いつまでも家につかないようにする やたら反射してあばれる ひざしになみだがでる 目をほそめるのにつかれて 下を向いてひ
2019年12月24日 14:07
君とのもっとも美しい想い出は夕飯を共に食べていたあのひととき君が僕に贈ったいちばん素晴らしいもの返事もできぬほど疲れ切った日君が何も言わずに買ってきたあのひと切れのケーキそれ以上のなにもありようがないからこの想いと共に静かに水底に沈んでいようそれ以上のなにもありようがないから手のひらにあふれる涙は海に浮かべて溶かしてしまおう言葉や慰めはいらないんだ
2019年11月1日 23:23
こんにちは、はじめましてsatoreraと申します。姓名は、画像にある『佐藤麗良』という名で生まれて来ました。創作で使っている『satorera』の「sato」は日本語の「里」、「rera」はアイヌ語で「風」という意味です。子どもの頃からアイヌの系統を先祖に持っていると聞かされて育ったもので、創作の際にもそれを意識していたいと思い、このような名前にしています。早い話が混血なのです。