ガラス作家『野尻恵美』の魅力【FREEPARK】
透明なガラスと
流れるような色彩
とてつもなく美しい
かけがえのない瞬間が
手の中にある幸せ
無限に広がる奥行きと
対峙できる時間を
大切にしたい
夏を間近にひかえ
FREEPARKでは
とっておきのポップアップを
開催します
ガラス作家『野尻恵美展』
2024年7月6日(土)~21日(日)
野尻さんは
とても人気のある作家さん
その魅力をより知っていただきたく
お話を伺いました
ゆっくりと
お読みください
まずは野尻さんのことを
紹介させていただきます
経歴を拝見すると
学生の頃からガラスを
やっていたのですか?
■ 野尻恵美:
学生当初は版画を専攻していました
大学はガラス専攻はなかったため
直接的に触れる機会はありませんでしたが、
3回生くらいから
ガラスを通して見える風景や映り込んだ景色を
テーマに制作することが多くなり、
その頃から自然と関心が向いていたように思います
ガラスという素材よりも
ガラスの持つ特性の方に
魅力を感じられたところに
共感がもてます
ガラスの作品を意味もなく
見惚れてしまうことがあるのですが、
なんかきれいなんですよね
野尻さんがガラスに興味を持ち
実際にガラス作家になろうと思った
きっかけはありましたか?
■ 野尻恵美:
卒業後は就職したのですが、
休みの日に偶然frescoの製品を
webサイトで見つけた事が
ガラスを始める最初のきっかけになりました
ガラスが持つ様々な質感や色の表情が魅力を感じ、
素材への興味が改めて沸き、
その後講座という形で1から学びはじめました
▼fresco
frescoさんの作品から
野尻さんのガラスを作りたいという
作家の道がスタートしたのですね
お話を聞いてからfrescoさんの
サイトと拝見してみると
野尻さんの原点のような
つながりを感じられました
少し似てるけど違う
違うけどちょっと似てる
みたいな感じです
frescoさんとの出会いをきっかけに
ガラス作家へ向けて技術を学び、
独立されたのは2021年ですか?
■ 野尻恵美:
2021年に独立したというより、
2020年に当時5年勤めていた会社を
退職して以来ガラス制作と練習に
本腰を入れるようになったので、
そこから作家として軌道に乗せていくまでに
はっきりとした境界線がない状態で
ここまで来たのが正直な所です
21年から主に2箇所のスタジオで
作るようになり、お世話になっています
徐々に時間や制作スタイルを変えつつ、
制作中心の生活になったのが去年くらいからです
退職当初はノープランで、
世間がパンデミックの最中だったという事もあり、
ひとまず練習をもっと本腰を入れて
やっていこうくらいの気持ちで
淡々と日々制作をしていました
偶然そのタイミングで、
当時初めて店舗お取り扱いのお話を頂いたのですが、
そこから作家としての作品作りを
意識するようになりました
確かに
会社を設立するのと違い
作家としての独立は
定義があいまいかもしれませんね
野尻さんの場合は
ガラス制作を本格的に始めたときに
ちょうどお取引のお話が重なり
作家としての活動が必然的に
はじまったようですね
現在はガラス作家として
hono工房やGGG blowing studioで
制作されているとのことですが、
制作についてお話をお聞かせください
■ 野尻恵美:
おおよそ週4日前後、
大半はレンタルという形で
日中各スタジオで制作させて頂いています
1日の制作時間は平均で
3時間から多い時で6時間程度です
大阪ではスタジオの数が限られているため、
曜日ごとに場所を変えて制作時間枠を
確保しています
また、私自身スタッフとしての勤務経験はなく、
指導をメインに携わった事はありません
自分の制作に集中する時間を確保する点では
ありがたい反面、
これまで勤務経験がないのがネックで、
技術面での葛藤や練習時間に
費やしてしまう事がよくあります。
作品からは全く想像できなかったのですが、
制作場所の確保しなきゃという焦りと
技術的に未熟ではないかと
自問自答してしまうジレンマが
伝わってきます
だからこそ
個性的な作品が多く
誕生しているのかなとも
感じました
すごくたくさんの作品を
作っているのかなと思っていたのですが、
1日3~6時間の制作時間だと
どれくらいの作品数を作ることが
できるのでしょうか?
■ 野尻恵美:
作るものの内容によるのですが、
3時間のうち6点〜多い時で9点くらいです。
私は複数のスタジオでお世話になっており、
どこで何の作品を作るか其々振り分けています。
設備面も其々異なるので
慣れないうちは難しいですが、
時間が限られている事もあり、
集中して取り組めるのが楽しいです。
なるほど
時間がないからこその集中力
そして生まれた作品は
飾って眺めているだけで
うっとりしてしまう、
優しいガラスの雰囲気が特徴的です
どのようなコンセプトで
制作されているのでしょうか?
■ 野尻恵美:
溶けているガラスは
流動的で生き物のような面白い素材です。
成形していくうちに、下玉につけた色ガラスが
模様や色の濃淡など様々な表情を
見せてくれる過程は、
普段目にする空の風景に似たものを感じます。
時間と共に刻一刻と変化していく表情を、
懐かしい風景を見ているような感覚で
見て頂けたらと思います。
「空の風景」
言われてみると
すごく納得がいきます
ガラス作品の
淡くきれいな色が
混ざり合い作り出す景色は
見上げた空にハッとする
気持ちと似ています
本当に美しい作品ばかりですが、
どのように制作されているのですか?
■ 野尻恵美:
主に型は使わず宙吹きで作っています
色ガラスはアメリカで仕入れる事が多く、
ロッドと呼ばれる棒状の固まりを砕いたり、
パウダー状のものを使ったりします
巻いた直後の下玉はクリアガラスの状態ですが、
その上から色ガラスを下玉の上や横に巻いて
2色シリーズやマーブルを作ります
物によっては色を重ねる順序を変えたりしますが、
ベースの土台作りで後の仕上がりがほぼ決まるため、
最初は少し時間をかけています
特に大変な作業は
どのあたりでしょうか?
■ 野尻恵美:
複数の色ガラスを使用するので、
柔らかくてすぐ溶ける色と
固く溶けにくい色との温度差で、
制作の途中形が思わぬ方向に
変形したり歪む時があります
意図的に歪ませて凹凸を作る時もあるのですが、
後の制作で大きく影響されるので、
最初の色合わせと溶かし方は
私の中で計算して作っています
インスタグラムの制作動画を見て
「常に動いているなぁ」と思ったのですが、
見えないところで計算されているとは
聞かないと分かりませんでした
透明感と色の交わり
野尻恵美という作家の
個性がすごく伝わる作品が
どうやって誕生しているのかを
聞くことができて嬉しいです
作品の魅力はもちろんなのですが、
たくさんのファンがいらっしゃるのは
なにかきっかけがあったのですか?
■ 野尻恵美:
3年ほど前に店舗納品で
花器の制作依頼を頂いた際、
普段の色使いとアイテムが合っていたのか
店頭で好評頂き、投稿を見て知って頂いた方も
徐々に増えたように思います
2年前にお香立てを制作し
販売を始めた時も反響が大きかったです。
そうだったのですね
花器は定番として人気のある
アイテムだと思いますし、
お香立てはここ数年急上昇している
人気アイテムなので、
作品の魅力が加わることで
よりお客様に響いたんだと思います
今後のビジョンがあれば
お聞かせください
■ 野尻恵美:
既に展開している作品では、
サイズ感や形など精度を高く
もっとアップデートできるよう心がけています
今考えているものでは
スタンド式のペンダントライトなどありますが、
色合わせが特徴の一つなので、
ガラスの温もりを感じられる
物作りができればと思っています
楽しみです
FREEPARKでは常設として
販売を続けさせていただきますので
今後の展開を随時お客様にも
お伝えしていきます
最後にFREEPARKのお客様へ
メッセージをお願いします
■ 野尻恵美:
ここまで読んで下さりありがとうございます
夏の夜や日中の眩しい日差しをテーマに
それぞれ新作を揃えてみました
今回初めてご覧になる方も、
以前から見て下さっている方も
新たな作品群に出会える機会になると思います
是非ご来店をお待ちしております
今回のポップアップでは
ガラス作家『野尻恵美』の
素晴らしい作品が並びます
暑い中にはなりますが
どうかご来店お待ちしております
いつも最後までお読みいただき、
本当にありがとうございます
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