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短歌

29
短歌含むの全部。
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2024年1月の記事一覧

トランス、ツリー

トランス、ツリー

「巨樹は星座の瞬きを知る」

ある寝られない夜に、僕はちょっとした旅を思いついた。
思念の旅である。
布団の中で、体の中に流れる川に浸ろうと思った。
だが、冬の寒さゆえ、暖かいものが良さそうだと思いなおす。
大きな樹が良い。千年以上生きている、大きな樹。
その木になれたら、暖かい気持ちを分けてもらえるかもしれない。
地元の神社、好きな大きな樹がある。
榧の大木である。
頭の中で、その木の側まで行く

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ぬり絵

ぬり絵

入院中ぬった、作業療法でのぬり絵ちゃんたち。(写真暗いけど…。)

お正月の神様たち

お正月の神様たち

こんな暗い世相でも、お正月は嬉しい。
喜びを求める心を失ったら、それはもう、人霊とは云えない。
喜ぼう、喜ぼう。
折角の人生だもの、もっと喜びを感じ、求めて生きよう。
なすべきをなしていれば、それは罪なことでもなんでもない。
僕らにはもっと世界の輝きを感じることが必要なんだ。
それは、僕らが世界の輝きであるためにも。

暗いニュースばかりの新年、少しでもご神気をお裾分けできますよう、お正月の神様を

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雷雨とか雪とか

雷雨とか雪とか

令和五年霜月の天気の記録

11/7
この聖性が皆の嘲りを照らすとしても
僕らは明るく正しく行こう
百万の那由多を超え優しく光るその稲光
鳴神さえが透明に胸にとよむ
聖性また内なる神
昔、また彼方から伝えられたもの
僕もまた優しく抱きしめ
この道を和やかに歩いて行こう
酷い眩暈と吐き気をもたらす呪いの矢
皆の嘲りを引き出すとしても
一つの清らかな稲妻として
僕らは明るく正しく行こう

鳴神のとよみ

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憧れを知る者だけが。

憧れを知る者だけが。

憧れを知る者だけが苦悩するそして眩く鳴る楽の音

憧れを知る者だけが、到達できる音楽を聴いた。
それは音楽の体をした詩であった。
それは不思議な同時性。
一つの作品であり二つの側面を持つ。
二つの側面は三つ目の不可知の側面を示唆している。
音楽であり、詩であり、そして根源たる祈り。
私も書こう。
論文の体で、詩を。
論文の体で、音楽を。
それら、迸る文章が祈りであるように。
わきいづる祈りであるよ

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亡国短歌、9首

亡国短歌、9首

崩れ行く国の形をじっと見る夜見る夢に昼見る現に

滅びゆく国の姿を写し取りわくら葉のよに舞うレクイエム

悲しみを滅びの国の空めがけ火の粉爆ぜつつ焚き上ぐ冬か

検察の無力や地震を報じたる大本営のテレビの光る

国を売る生業なりや政治家の黒き手に降る雪の眩しさ

国売られ清き票すら捨てられて滅びの国の恋の青さよ

政治家のまなこの光なきごとく絶望の底死せる魚か

ほろほろと溶けて崩れる和菓子にも

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台所の歌 パート2(令和4年12月、寮にての黙想)

台所の歌 パート2(令和4年12月、寮にての黙想)

美しい世界を夢見て絵画は語る

美しい夢を世界に降ろそうとして

隣の部屋の聖像や肖像

神の祈りを受けた木片は

(そう、ただ木片であったものが

最早ただの木片ではない)

美しい善への努力を彼方より

不可思議なる方角より送りくる

それだのに何故

君は下らない動画を観ていて

支配者の都合の範囲内の自由を遊ぶのか

真実や真理を退ける世界で

下らない動画に遊ぶのか

実にこの時

世界

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夜の道(令和4年10月)

夜の道(令和4年10月)

夜の底光次々追い越せる暗き思想の悲しドライブ

家にも帰らで、スーパーの駐車場で短歌を作っている。本屋の駐車場で読書したり、随分と心が彷徨する夜である。いっそ秋田まで行こうか…。

明日で今の仕事は終わりである。長かった?いや、短かった。さあ、心の虚しさを自由にしたままではいけない。絶望は一時、希望は永遠を根拠とする。闇と光の思想を本物とせよ。いつまでも闇だけに泥んではいけない。

冬のレシピ

冬のレシピ

悲しいことを悲しいと思う
そんな当たり前のことを忘れがちなのは
あまりにもあまりにも
現代人は忙しいからなのかもしれない
疲れもひどく恋も忘れる
一滴の愛をここに
それは魔法のレシピ
君の乾いた心に
沁みていく沁みていく
そして囁きを少々
君は正しくても正しくなくても
心に愛があれば些末なことは気にしなくてもいい
大切なことは君に愛があること
ああ たっぷりの睡眠と深い安らぎが君にあるなら
僕はど

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(今更の)プロフィール

(今更の)プロフィール

猫の背に跨り小人旅に出る風も嵐も詩と歌にして

旅に出た小人は戻ってきました。
成長して?それは分からないのですが、沢山の人に会い、物事を見てきたことは事実のようです。
猫は大分以前に戻っていましたので、彼が戻ってきたのを喜んでいるようです。
けれども、隣のうちの猫ですので、少し他人行儀なのは当然でしょう。
沢山の挫折と苦渋は、小人を少しは大人にしました。そうでなければ困ります。
苦労して、苦労し

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秋田の冬

秋田の冬

寒い。
寒いし、悲しいこともいっぱいあった。
そんな故郷である。
だが、悲しみは過去形。
トラウマとて慈しみである。
悲しさは人を癒すと、田口ランディさんのnoteに書いてあった。
それはその通りだと思う。
「セルフヒール」と題した記事に、僕もまた、癒された。
その記事の花曼荼羅の画像をデスクトップに今、表示している。

悲しさは癒しだと、それはそうだ、という感じだったが、正にその通りなんだよな…

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夕鶴、小指の無い天使、メンドクサ人生(ヤケ④)(9/16)

夕鶴、小指の無い天使、メンドクサ人生(ヤケ④)(9/16)

たづ鳴きて夕焼け空は滲むともその生まれ日を星は言祝ぐ

江原先生のある誕生日、サイトでメッセージが贈れたのでそれにことつけて作った短歌。
「たづ」とは「田鶴」で、鶴の古語で歌語である。木下順二の「夕鶴」のイメージを拝借した。
理想や宝が飛び去るとしても、黄昏の人類だとしても、星、(霊界)は江原先生の人生を祝福している。そんな意味の短歌。
とても喜んで下さって、サイトで取り上げても頂けた。嬉しかった

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短歌衝動

短歌衝動

衝動的に、短歌を作る時がある。
気が向けば延々作る。
一時間でも、二時間でも。

ガラパゴス閉鎖的なるこの島の僕らはとても幸せだった

岩塩の灯りに一人照らされて時代も夜も溶けてなくなる

華の輪を冠として戴ける王の帰りを夜はひた待つ

冬の夜は寒さ至りて燦めきて雪、星、月のみたりは舞いき

浮遊するこのエントロピーの場を舞えるちさき砂塵の光りの扇

音楽を空より聴きし楽人は弦と鍵取る夜の只中

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