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台所の歌 パート2(令和4年12月、寮にての黙想)

美しい世界を夢見て絵画は語る

美しい夢を世界に降ろそうとして

隣の部屋の聖像や肖像

神の祈りを受けた木片は

(そう、ただ木片であったものが

最早ただの木片ではない)

美しい善への努力を彼方より

不可思議なる方角より送りくる

それだのに何故

君は下らない動画を観ていて

支配者の都合の範囲内の自由を遊ぶのか

真実や真理を退ける世界で

下らない動画に遊ぶのか

実にこの時

世界の仲間は意図された病に喘ぎ

強制された労働に呻吟し

或いは嬉々として自死へと向かう

この時にあって君は素知らぬ風を

他人のせいにして装う

実にこの時

君は未来を裏切っている

希望や愛や優しいキス

実に君は世界を裏切っている

辛く輝く天の仕事が待っているというのに

君は動画の小さな世界に魅入るのか

君は囲繞され小さな世界に囚われるのか

君の仕事が失敗に終わる時

実にそれは私達の失敗である

愛や星や小さな手

それらを知ってなお世界に無関心で

無情であり続けるなら

君はそれらを知らない

木片ですら神の愛を歌い続ける

人というものはそんなに脆いものか

ただ木端のごときものか

嗚呼 実に実に 君は世界を裏切っている


気負うものその頑なな魂に我等背負し重荷見せたし

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