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冬のレシピ

悲しいことを悲しいと思う
そんな当たり前のことを忘れがちなのは
あまりにもあまりにも
現代人は忙しいからなのかもしれない
疲れもひどく恋も忘れる
一滴いってきの愛をここに
それは魔法のレシピ
君の乾いた心に
沁みていく沁みていく
そして囁きを少々
君は正しくても正しくなくても
心に愛があれば些末なことは気にしなくてもいい
大切なことは君に愛があること
ああ たっぷりの睡眠と深い安らぎが君にあるなら
僕はどんなに嬉しいかしれない
一雫ひとしずくの愛をここに
それは魔法のレシピ
冷たい頬を暖める手のひら
それを言葉にできたら
僕はどんなに嬉しいかしれない
「冷えた足を暖めて 柔らかいキスで」
そんな歌があったのを思い出すけれど
そこまでは行かない手前で
おずおずと差し出す
そんな魔法の
愛のレシピ

冬の中 冬の時代の夜の中 仄かに灯る 窓の温もり

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