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【書籍紹介】「怒らない」選択法、「怒る」技術

皆さんは普段どんな時に怒りを感じますか?

・子供が言うことを聞かないとき
・部下が仕事でミスをして自分に被害が及んだとき
・お客様から理不尽なクレームを受けたとき
・態度の悪い人に絡まれたとき
・政治家が理解できない政策を打ち出したとき

他にも頭にくる場面は色々あるでしょう。
ではそもそもなぜ人は怒りの感情を持つのでしょうか?

実は人が「怒り」を感じるパターンには一定の法則があるのです。

今回は書籍「『怒らない』選択法、『怒る』技術」から、怒りについて解説します。

「想定外」が感情を引き起こしている

「怒り」は人間が持っている感情の一つです。

感情には他にも「嬉しい」「楽しい」「気持ちいい」「清々しい」「誇らしい」と言ったプラスのモノから、「辛い」「恐い」「悲しい」「恥ずかしい」「腹が立つ」などのマイナスの感情もあります。

しかしこういった感情を人間が感じる時には一つの共通点があります。

それがすべての感情は「予想外の出来事」が起こったときに感じるということなのです。

例えばお笑い番組を見ていて皆さんが大笑いするのは、自分が想定していたことよりも予想外の出来事が起こったり、予想できないようなボケ、ツッコミだったから大笑いしているはずです。

他にも最初に挙げたような怒りを感じた場面も、もともとそんなことは起こらないと思っていたのに、突然目の前で「予想外の出来事」が起こったから「怒り」の感情が湧いてきたのではないでしょうか?

実は人間は普段は冷静な判断をしているときには、脳の前頭前野を使って論理的な思考を行っています。

ところが突然「感情」を扱う大脳辺縁系が優位になってしまう場合があるのです。それが「予想外の出来事」なのです。

映画を見ていて心が温まり涙を流すのは、論理的な思考よりも感情が優位な状態になるからです。

しかし、映画を見ていて「これは全部作り話しで全てやらせだ」と思っていたら一切感動出来ないはずです。もちろん映画を作っている人たちはその論理的な思考を、感情優位に変えるための仕組みをいくつも映画の中で仕込んでいます。

それが見ている人たちの「予想外の出来事」を作ることなのです。
もし皆さんが映画を見ていていまいち感動出来なかったり、面白くなかったり、恐怖を感じなかったのであれば、それは皆さんからすると「予想外」ではなく十分に予測できる範疇だったということでしょう。

つまり、怒りは皆さんにとって「予想外の出来事」が起こり、論理的思考から感情優位の状態に切り替わったときに怒りを感じているのです。

間違った怒り

しかし、「予想外の出来事」以外でも実は人が怒りを感じる場面があります。

それが「期待外れ」を感じたときです。

これは、皆さんが何かに対して「予測」ではなく「期待」をしていて、その見込みが外れた時に「怒り」を感じている場合です。

・上司は部下の話しをもっとよく聞くべきだと考えていたのに、自分の話しを一切聞いてくれなくて怒りを感じた。
・子供がテストでもっと良い点数を取ってくると思っていたのに、全然期待に届いていたなかったから怒りを感じた。

こういったことで怒りを感じているときは、皆さんは「予想外の出来事」ではなく、自分で勝手に「期待」していて、その見込みが外れたことに対して怒りを感じているのです。

しかし、冷静に考えれば、自分が勝手に期待しておいて、その期待通りにならなかったからと言って相手に対して怒りをぶつけるのは、かなり理不尽な対応ではないでしょうか?

つまり自分が「予測」することをせずに、単に「期待」していてそれが見込み通りにならなかった場合は、自分に責任があるので、相手に対して「怒り」を出すのは間違っていることになります。

「怒っていい条件」とは

では本当に私たちが本当に「怒っていい」のはどんな時なのでしょうか?

実は私たちが起こっていいのは以下の2点が揃っているときになります。

①相手に過失があり、その過失によって自分に不利益が生じているとき
②その過失が「予想外」であったとき

この2つの条件が揃ったときには皆さんは怒りを感じても良い場面です。

つまりこの時には怒りを我慢するだけではなく、その怒りを相手にぶつけても良い場面ということなのです。

例えば子供が言うことを聞かなくて頭にきたと怒るのは、怒りを感じて良い場面でしょうか?

実際親であれば子供が自分の思うとおりに行動してくれないことなど、日常茶飯事のはずです。つまり十分に予測できる事柄のはずです。

ということはこの場面では腹を立ててはいけない場面なのです。
ここで感じている怒りは、おそらく親の勝手な「期待」でしょう。

子供に過失があるわけでもなく、自分が勝手に期待したことに対して子供が答えてくれなかったから怒るというのは、子供からしたらなんとも迷惑な話しです。

とはいえ、私も4歳の子供の親なので怒りたくなる気持ちもよくわかります(笑)

しかし、予測することが出来るということは、あらかじめ対処方法を考えることも出来るということです。

注意力が散漫な子供であれば食べ物をこぼすことは予測できますので、配置を考えるとか、時間通りに動いてくれないのであれば、動いてもらえるようなおぜん立てをしておくとか、動いてくれた時には褒めてあげて、子供に時間感覚を養ってもらうように伝えることも一手でしょう。

もちろん相手は人間なので一回やって十分でなければ何度も教えることも必要なはずです。

しかし、自分の「期待」を押し付けて、それがかなわないから怒るということは、子供からしても理不尽な親に見えますので、出来るだけ控えるべきでしょう。

「正しく怒る」方法

では最後に正しく怒る方法についてです。
自分が怒ってもいい場面でどうやって怒ったらいいのでしょうか?

本書では「IQを絶対に下げずに怒る」方法について書かれています。

人は怒っても良い場面では、前頭前野から大脳辺縁系の感情優位の状態に陥っています。

しかし、この感情優位の状態で怒らないということが重要なポイントなのです。

感情が優位な状態のとき、人は感情的な言葉で相手に怒りを表現してしまいます。

「バカだな」
「ふざけんなよ」
「なんでそんなことも出来ないの!!」

これは全て感情優位になって、自分の感情をただ表現しただけになります。
こういった感情が優位になっているとき実は人はIQが著しく下がっているのです。

IQは論理的な思考や、より良い状況に向けて思考する能力を指します。

そのIQが下がっているということは、論理性がなく、破壊的な方向にしか向かうことが出来ないということを意味します。

これではたとえ怒ってもいい場面とはいえ、怒った後その場は焼け野原状態になってしまうでしょう。

これでは怒ったあなたも、怒りをぶつけられた相手も悲惨な状態になるだけです。

おそらく皆さんもそんな結果を望んでいるわけではないと思います。

そのためにもIQを落とさずに怒る必要があるのです。

そして究理想的な状態とは、自分が正しく怒った後に自分が望んだような状態になっていることです。

そのためにはどうしたら良いかをしっかり考えることが必要になります。

しかしそれが難しいから困っているという方も多いでしょう。
実際の方法は本書を参考にしていただきたいのですが、特に重要な点は以下の点になります。

①丁寧な言葉を使う
②怒る目的を明確にする

丁寧な言葉は「感情」を使う理由は、相手が自分の話しを聞いてくれるようにするという効果ももちろんありますが、本質的には自分のIQを下げないためです。

感情優位になっているときは感情を言葉にしてしまいがちです。
そうではなく論理的な思考を使うためにも感情的な言葉ではなく、丁寧な言葉を選ぶことで前頭前野の働きを優位にする必要があります。

そのためには丁寧な言葉を使うことが重要なことなのです。

そして2つ目は、怒る理由を明確に持つことです。
これも感情に支配されてしまうと、破壊的な言葉や行動をとってしまいがちです。それでは結果的には破壊しか残りません。

そうではなく、どんな結果を導きたいのかを明確にすることによって、怒る戦略は変わってきます。

成功したベンチャー企業の経営者の方たちは「怒りのエネルギー」を利用して努力したという方が結構多いです。

それは怒りを誰か特定の人にぶつけるのではなく、そのエネルギーを事業の成功に向けて、本質的に自分の怒りの根本を断ち切るという方法を使っているのです。

「金持ちになってバカにした人たちを見返す」「有名な経営者になって女性にモテるようになる」なども実は目的を明確にして、その怒りのエネルギーを上手に使った例でもあるのです。

まとめ

本書では他にもIQを下げずに怒る技術について解説されています。

いずれも怒りをテーマに扱ってはいますが、実際にはビジネスや普段の生活でも役立つエッセンスが多くちりばめられています。

ぜひ皆さんも「怒り」について正しい知識を持ち、「正しい怒り方」を身に着けることで、人生を上手に渡り歩いていただければと思います。

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