私はそれが広がっていくのをただ、眺めていた。 高潔な白色が顔を覗かせ、褐色肌の上では一際目立っている。内に留まっているメランコリーが抑圧と鬩ぎ合う。それでも…
ミッションインポッシブルシリーズだって、ヒロインは毎作品ごとに違うんだよ。
視界の隅々までが極彩色に染ってゆく。いや、経った今染まり始めたのだろうか。それとも、これから深淵へと変わりゆくのか。 あたしは駅のホー厶の端からもう一方の端へと…
ハートに火をつけよう。 忽ち、電脳世界の粗暴な枠組みがメラメラと燃え始めるはずだ。半断線からの発火は貴方を包み、地球がどれだけ大きくて、僕と貴方がどれだけ離れて…
根が真面目、このような類の表現が苦手です。そういった言葉には、少し難があるといった婉曲的な意味合いを含む場合があります。何より推測の域を出ないことを曝している気…
ヲレはこんな所に連れていかれる様な男ではない。口を大きく開けた。不自然に舌を貫いている金属を取り除かれ、衣服のありとあらゆるポッケを探られた。ヲレの手足は痺れて…
海は柔らかさを失くした 弱光の中 乾いた悲哀の抱擁 岩に擬態した人間の團が 波に揺られることなく留まっている 開けた後の抽斗の様に 虚だ それでも海は紺のまま 赤紫には…
海が乾いて見えました。山稜がユラユラと畝っていました。涙を流したのは数年振りの事で、地元の公園では桜が散ってしまった様でした。 私は長い長い、それはとても長い、…
午後4時、校庭。踵で砂を弄り、ゴールを作った。校庭を縦に使うか、横に使うかはあの頃の永遠の議題でもあった。3階の音楽室からヲレを見下ろすのならば、校庭を縦に使って…
女は歩いている。整然と、そして毅然と振舞っているつもりだが、傍から見れば壊れたレイディオ。馬鹿ばっかりのカネコアヤノのライブ会場。 女は考えている。この街は、私…
蓑戈祈
2024年6月27日 20:37
私はそれが広がっていくのをただ、眺めていた。 高潔な白色が顔を覗かせ、褐色肌の上では一際目立っている。内に留まっているメランコリーが抑圧と鬩ぎ合う。それでも、一見しただけでは、私には唯の白に過ぎないように思える。いくら真摯に見つめても、抓っても,引っ張っても私の目の前には延々と静止した風景しかなかった。何か変化が起きるまで、私はそれを見ていることしかできなかった。窓の外で燕が旋回している。次第
2024年6月23日 02:43
2024年6月23日 02:22
視界の隅々までが極彩色に染ってゆく。いや、経った今染まり始めたのだろうか。それとも、これから深淵へと変わりゆくのか。あたしは駅のホー厶の端からもう一方の端へと往還を繰り返した。黄色の線の内側には沢山の人がいるが、外側には誰一人としていなかった。男はスマートフォンを顔の側面と肩で挟み、なんだか忙しなくしている。スピーカーから音が漏れている。甲高い女の声が男を包み込んだ。女はしゃがみこんでいる。
2024年6月11日 00:46
ハートに火をつけよう。忽ち、電脳世界の粗暴な枠組みがメラメラと燃え始めるはずだ。半断線からの発火は貴方を包み、地球がどれだけ大きくて、僕と貴方がどれだけ離れていようとも、その火は消化されることはないだろう。業火の中ジルバをしよう。近づいて離れて、そのステップに重きを置こう。僕が貴方を回した時、微風が炎の勢いを断たれると決まっている。部屋のカーテンを降ろして、コントラストを高めよう。在り来りな
2024年6月11日 00:40
根が真面目、このような類の表現が苦手です。そういった言葉には、少し難があるといった婉曲的な意味合いを含む場合があります。何より推測の域を出ないことを曝している気がするからです。彼女と初めて会った時、正しくそのように感じました。彼女は“普通”とはかけ離れた生活を送っていたので、潜在的にそういった心情の変化があったのでしょう。しかし、「根が真面目ってよく言われない?」などと尋ねることは無粋であり、
2024年5月21日 23:23
ヲレはこんな所に連れていかれる様な男ではない。口を大きく開けた。不自然に舌を貫いている金属を取り除かれ、衣服のありとあらゆるポッケを探られた。ヲレの手足は痺れていた。ヲレは焦燥感に苛まれている。こんな珍妙かつ滑稽な我を、晒していながらもそうと感じる。革命を起こすしかないのだ。ここ数ヶ月はそう考えていた。焦燥感とは、とどのつまり死である。何者かになりたいとかシャバい、シャバい。ヲマエらは何物でもな
2024年4月26日 08:12
海は柔らかさを失くした弱光の中 乾いた悲哀の抱擁岩に擬態した人間の團が 波に揺られることなく留まっている開けた後の抽斗の様に 虚だそれでも海は紺のまま赤紫にはならずに雲が月のもとを去ったのなら海は少しの彩りを覚える醜悪な姿と共に陸へと滲み出した海の残滓は私等のしんを 蝕んでいく蠢いている 揺れている 今にも動き出しそうな程 強烈に
2024年4月15日 00:20
海が乾いて見えました。山稜がユラユラと畝っていました。涙を流したのは数年振りの事で、地元の公園では桜が散ってしまった様でした。私は長い長い、それはとても長い、学校名が記された看板の前で写真を撮ったのです。顔が歪んでしまいました。母には、伝わっていなかったと思います。マスクの中に違和感を覚えます。不織布と皮膚が擦れ合い、不和を起こしました。その時思ったのです、何もかもが間違っていたと。この感覚を消
2024年4月11日 15:27
午後4時、校庭。踵で砂を弄り、ゴールを作った。校庭を縦に使うか、横に使うかはあの頃の永遠の議題でもあった。3階の音楽室からヲレを見下ろすのならば、校庭を縦に使ってサッカーをした方が全体を見渡せるのは明確だった。サックス奏者の女は物静かで、ヲレに興味を持つかは定かではなかった。吹奏楽が好きなために、楽器を手に取ったのかも分からない。同調圧力が潜んでいるのはガキの周りばかりだったからだ。だからといっ
2024年4月9日 23:52
女は歩いている。整然と、そして毅然と振舞っているつもりだが、傍から見れば壊れたレイディオ。馬鹿ばっかりのカネコアヤノのライブ会場。女は考えている。この街は、私の街だと。この喧騒が私の全てだと錯覚している。体液が沸騰している。逆流した胃液がこの街と私を一体にする。男はよく現れる。自己形成を他者に依存することで補完している男は、よくこの街に出没すると言われている。ニューハーフはそこらにごまんと居る。