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実録☆女の日記☆

海が乾いて見えました。山稜がユラユラと畝っていました。涙を流したのは数年振りの事で、地元の公園では桜が散ってしまった様でした。
私は長い長い、それはとても長い、学校名が記された看板の前で写真を撮ったのです。顔が歪んでしまいました。母には、伝わっていなかったと思います。マスクの中に違和感を覚えます。不織布と皮膚が擦れ合い、不和を起こしました。その時思ったのです、何もかもが間違っていたと。この感覚を消すということは、死であると。正しく、沈痛でした。母はその日の内に帰ってしまいました。そして、母からのメッセージで、私は桜が散ったことを知りました。
海は果てしなく広いらしいのですが、それは本当でしょうか。本当の意味で広いのでしょうか。視覚において捉え切ることの出来ない広大さは、私にとって何の価値があるのでしょう。現実逃避が得意な私に、認識不可能な現実は空想に変わりありませんでした。私の目前には切り立った岩しかないのに、この広い海の抱擁力や網羅性を説かれても意味がありませんでした。これを書き終えた暁には、海へと出向きます。

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