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「世界漂浪の記」 羽生隆 101選

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50年遅れの同じ日付で毎日投稿されていた羽生隆さんの旅行記「世界世界漂浪の記」の中から、何度も読み返したい特に印象深い投稿を集めました。
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2023年12月の記事一覧

❨825❩1973.12.2.月.晴/メディナで値切り合戦/マラケシ:モロッコ

❨825❩1973.12.2.月.晴/メディナで値切り合戦/マラケシ:モロッコ

ユースが9時で閉まるというので、5人揃って出る。センターまで2km、歩いて行く。
ホテルを探し、3.5まで値切った。

メジナ(中央市場)の中は、人でゴッタがえしている。人の意気と熱気でムンムンしている。真昼の太陽はクソ暑い。

広場には、へび使いやその他、変わったものが、昨日とは違って出ていた。俺は見るだけで浮き浮きしてくる。
色々な見せ物が広場一杯並んでいる。

彼等もやはり商売で、ただでばか

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❨826❩1973.12.3.月.晴/Oh! Marakeshi/マラケシュ:モロッコ

❨826❩1973.12.3.月.晴/Oh! Marakeshi/マラケシュ:モロッコ

昼前、洗濯。
昨日とは違ったマーケットの中を歩く。1km以上も続いていた。
シーノア(中国人)という声がよくかかる。「チノ」と呼ばれる程、頭には来ない。

カスバを奥の方までいってみた。
子供がよく目につく。所々、ばあさんじいさんが道端にうずくまっている姿が見られた。女も男も、めずらしそうに俺の顔を眺めながら通る。

チリーで会った、二人の男性に二年ぶりに再会。驚いた。世界は狭い。

Oh! Ma

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❨832❩1973.12.9.日.雨/フェズのカスバを歩く・働く子ども達/Fez:モロッコ

❨832❩1973.12.9.日.雨/フェズのカスバを歩く・働く子ども達/Fez:モロッコ

一日雨降り。3.50ディラハムのホテルを出、2.60の所へ移る。

朝からひどい雨降りで、石畳の道の両側は、小川に化していた。
子供が盛んに、勧誘に寄って来る。
雨の中を、シャツ一枚で震えながら飛び回っている。実に丈夫だ。

やっとホテルへ落ち着き、すぐ見物に出る。
メジナは、マラケシュとは少し感じが違い、カスバの中の細い道の両側に並んでいる。
ずっと坂になっている。

石畳(レンがの様な)、薄暗

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❨847❩1973.12.24.月.晴/親切なギリシャ人・ヒッチハイクで200km/ギリシャ

❨847❩1973.12.24.月.晴/親切なギリシャ人・ヒッチハイクで200km/ギリシャ

6時半起床。日記をつける。小寒いが、空は晴れ。ヒッチ出来そうな天気。

朝から4時までで、200kmのヒッチ。4台の車を乗り継いだ。
その間、親指を立てながら、国道をテクテク。ショイコをかついでよく歩いた。

ギリシャの田舎は実にのどか。ミカンが夏盛り。冬というのに緑の多い国だ。
気候もいい。道路脇に畑が続いている。
歩いていて、畑の前で売っているじいさんから一つ大きなのをもらった。

ギリシャ人

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❨854❩1973.12.31.月.晴/アマゾンに始まり、トルコの真中に暮れた年/イスタンブール:トルコ→

❨854❩1973.12.31.月.晴/アマゾンに始まり、トルコの真中に暮れた年/イスタンブール:トルコ→

とうとう大晦日となった。年末も年始もない、今の俺だ。

旅から旅へと、プランのみが頭に浮かぶ。しかし、やはり長子にも、先生にも、姉貴・兄貴・親父に会いたい。
しばらくハガキも出していないが、心配しているだろう。

ここに(イスタンブール)イランのコンスルがあると聞き、ホっとした。もしなかったら、新年4〜5日、どこかで待たなければならないからな。
朝1時間半程、町を歩いた。雨上がりで道路は泥で汚れて

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