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すなへび映画館

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映画の考察、感想。
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Amazon Prime + NHKオンデマンドのすすめ

Amazon Prime + NHKオンデマンドのすすめ

NHKオンデマンドがいつの間にかAmazon Prime チャネルに登録されていた。私は家にテレビがないのだが、たまにNHKのドキュメンタリのような「ながら見」用のコンテンツが欲しくなることがある。映画は映画館で見たいと思うタイプで、Netflixはいまいち活用できず解約してしまった。NHKコンテンツだけで月額990円は高いなと思ったが、ものは試しと思って入会してみた。

結論から言うと、これは本

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映画館でナウシカを見てきた話

映画館でナウシカを見てきた話

コロナ禍の影響で新作の上映が事実上停止している状態なので、劇場では今旧作を繰り返し上映している。その中で人気を集めているのが『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』などのジブリ作品だ。私も気になって近くの映画館の上映スケジュールを調べてみるとちょうど『風の谷ナウシカ』をやっていたので見に行った。真剣に見たのはもう十数年ぶりで、この情勢下でみると色々思うことがあった。

コロナ禍中に観るナウシカもう何度

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『蜜蜂と遠雷』短評:映像美と「才能」

『蜜蜂と遠雷』短評:映像美と「才能」

公開二日目『蜜蜂と遠雷』を見てきた。

原作は恩田陸の同名小説、流石に原作小説全ての内容を二時間に収めるのは難しく、映画版は4人の主人公のうち亜矢(松岡茉優)のみにポイントを絞った構成を取っている。

さて、この作品「天才の競演」というのが一つのテーマになっている。本邦でよく見られる構成としては「天才」と「努力」の対比というのがよく行われ、最終的には「天才」は努力によって乗り越えられるべき存在と規

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Trigger『プロメア』レビュー

Trigger『プロメア』レビュー

何についての記事かアニメ映画『プロメア』を見に行ったのでその感想。ネタバレも書くのでまだ見ていない方は気をつけて欲しい。

『プロメア』概要『プロメア』はTrigger制作のアニメ映画である。このスタジオは『エヴァ』で有名なガイナックスに所属していたアニメーション演出家の大塚雅彦と今石洋之、制作プロデューサーの舛本和也の3人がにより設立されたアニメ制作会社でありこれまでに『グレンラガン』、『キル・

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『ペンギン・ハイウェイ』レビュー:夏の多幸感と夢

『ペンギン・ハイウェイ』レビュー:夏の多幸感と夢

概要『ペンギン・ハイウェイ』は夏にぴったりの映画だ、より正確に言うと、日本文化圏の夏のイメージをコッテコテに具現化したような映画だった。そしてそのコッテコテ具合がなんとも高いレベルで組み合わされていて、「夏っぽいアニメが見たいなあ」と思ってうっかり劇場に足を運んだ観客に、お望みの「夏っぽさ」を溺死しそうなほど注入する。

原作は森見登美彦で、主人公も森見らしい理屈っぽい少年、脇役はおっぱいの大きい

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『リメンバー・ミー』とディズニーの設計主義

『リメンバー・ミー』とディズニーの設計主義

#映画 #レビュー #リメンバー・ミー

『リメンバー・ミー』を遅ればせながら観てきて、不覚にも号泣してしまった話について書く、一応レビューという形式になるだろう。

この作品の大筋だけ説明すると、音楽の道を志すメキシコの少年が死者の国に迷い込み、そのなかで世界一の音楽家だったという高祖父に自分の夢を祝福してもらおうと冒険する物語である。

ディズニーの映画というものは、その設計思想から言って、誰

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『レディ・プレイヤー 1』 レビュー:愛あるオマージュと欠点

『レディ・プレイヤー 1』 レビュー:愛あるオマージュと欠点

前から気になってはいたのだが、連休中ということで映画館で見てきた。監督は他に誰がいようスティーブン・スピルバーグ、ストーリーはゲームの世界での宝探しという、聞いただけでもエンタメ感満載の作品だ。

概要舞台は荒廃した近未来、人々はVRを装着してアクセスできるゲーム世界「オアシス」の中で毎日を過ごし、ありとあらゆる想像が実現できる電脳世界に入り浸っている。「オアシス」の創設者ジェームズ・ハリデーは死

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