N.ニシマキ

ITサービス企画職 / アラサー / 小説、漫画、映画、ゲームの記事を書いています。

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  • すなへび映画館

    映画の考察、感想。

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    ゲームの記事を書きます。90年代のクラシックから現代の最新作まで。

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    ロック、ヒップホップ、テクノがメイン(になる予定...)。

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アカウントの紹介:N.Nishimaki

プロフィール元々大学院で政治学の院生やってましたが、今は民間企業で企画の仕事をしながら何とかかんとかサバイブしています。小説とゲームと映画と音楽が好きです。 なにを書くのかコンテンツのレビュー、批評、考えたことを買いていきます。こういうものを始めるときは自分にルールを定めた方がいいと聞いたので、以下の通り制限を設けることにします。 1. テーマは次の四つ:小説, ゲーム, 映画, 音楽 それ以外は書きません。 2. 一年後に読んでも面白いものを書く フローではな

    • Amazon Prime + NHKオンデマンドのすすめ

      NHKオンデマンドがいつの間にかAmazon Prime チャネルに登録されていた。私は家にテレビがないのだが、たまにNHKのドキュメンタリのような「ながら見」用のコンテンツが欲しくなることがある。映画は映画館で見たいと思うタイプで、Netflixはいまいち活用できず解約してしまった。NHKコンテンツだけで月額990円は高いなと思ったが、ものは試しと思って入会してみた。 結論から言うと、これは本当に良い買い物だった。色々と問題はあるものの、やはりNHKは映像コンテンツメーカ

      • 『ペルソナ5』はなぜヒットしたのか

        2010年代後半は国産ゲームのルネッサンス期だったと、私は勝手に思っている。2017年に発売されたペルソナ5はその中でも特に成功したタイトルだった。それまで最も売れていたペルソナ4の売上77万本を大きく超える320万本を売り、何より海外でも高く評価された。Metacriticsを見るとオリジナル版が93点、完全版が95点である。 個人的にも非常に楽しませてもらった作品なので、なぜこの作品がヒットしたのか、本質的にはこのゲームの面白さがどういうところにあるのかを考察してみたい

        • 映画館でナウシカを見てきた話

          コロナ禍の影響で新作の上映が事実上停止している状態なので、劇場では今旧作を繰り返し上映している。その中で人気を集めているのが『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』などのジブリ作品だ。私も気になって近くの映画館の上映スケジュールを調べてみるとちょうど『風の谷ナウシカ』をやっていたので見に行った。真剣に見たのはもう十数年ぶりで、この情勢下でみると色々思うことがあった。 コロナ禍中に観るナウシカもう何度も見たはずなのだが、新型ウイルスが世界を席巻し、生活から仕事まで一変してしまった

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          『デモンズソウル』の局所的考察

          デモンズソウルがPS5向けにリメイクされるというニュースが入ってきた。このゲームは、私にとってもそしてゲーム業界にとっても特別なゲームである。この記事では、そのゲーム性や他のゲームへの影響のような語り尽くされたところはあえて無視し、このゲームの中で個人的にツボにハマったポイントを紹介したい。 塔のラトリアという名作ダンジョン このゲームには塔のラトリアと言うダンジョンがある。私はこれ以上によくできたダンジョンを知らない。特に3つあるステージのうちの最初、つまりボス「愚か者の

          『デモンズソウル』の局所的考察

          PVから見る宇多田ヒカル

          平成という時代を象徴するミュージシャンと言えば誰だろう。安室奈美恵、Mr.Children、B'z、浜崎あゆみ、SMAP、椎名林檎、あるいはAKB48と答える人もいるかもしれない。しかし、もし一人あげるとすれば宇多田ヒカルなのではないか。 「宇多田ヒカル論」ほぼこの20年間で、少なくとも同時代評論としてはやり尽くされてきた。ここに何かを付け加えるのは難しい。したがって、この記事では、ミュージックビデオという視点から、宇多田ヒカルの歌について振り返りながら評論を試みたい。

          PVから見る宇多田ヒカル

          オープンワールドの「広さ」について

          シェンムーから21年、GTA3から19年、スカイリムから9年たった2020年、オープンワールドゲームはAAAタイトルの基本プラットフォームとなった。しかし、ここ数年いわゆる「オープンワールド疲れ」が指摘されはじめた。他のゲームジャンルと同様、オープンワールドは万能なプラットフォームではない。 狭く感じる「開かれた世界」自粛期間のGW、アサシンクリード・オデッセイ をプレイしていた。パラクールをモチーフにしたアクションやDS風に磨き上げれた戦闘、何より130㎢以上のオープンワ

          オープンワールドの「広さ」について

          村田沙耶香『コンビニ人間』書評

          2016年の芥川賞受賞作である。芥川賞作品にしてはポップなタイトルで文章もとっつきやすく、売上は100万部を超えた。 何を描いているのか表面的なとっつきやすさとは裏腹に、個人的にどうもすっきり読み下せず、読了した後も結局何の話だったのかよくわからない。リアリティは感じるものの、解題ができないまま自分の中で数年間整理がつかない状態だったのだが。最近noteを書くモチベーションが高まっているのでこの場で考えてみたい。 まず主人公である、彼女は暗黙の了解や空気、常識といったハイ

          村田沙耶香『コンビニ人間』書評

          樋口一葉『十三夜』を読む

          樋口一葉というのは、現代においてはどちらかというと偉人、歴史上の人物として扱われており、同時代の作家、例えば夏目漱石や正岡子規のような文豪と比べて、あまり読む対象として選ばれていないような感覚がある。 私も恥ずかしながら通しで読んだことがなかったが、旅行中の暇つぶしで買ったロバート・キャンベル編『東京百年物語』の中に「十三夜」が収録されていたのを読んで、衝撃を受けた。文章のリズム、一晩の出来事を語る短い作品ながら、幾人もの登場人物の人生を描き、生きてゆくことのどうしようもな

          樋口一葉『十三夜』を読む

          椎名林檎 『加爾基 精液 栗ノ花』

          『加爾基 精液 栗ノ花』という椎名林檎のアルバムがある。いわゆる「カルキ」である。このアルバムは私にとって不気味であるとともに離れられない魅力がある、この文章ではこのアルバムの魅力を言語化を試みる。椎名林檎については、以前もすこし文章を書いている。 『加爾基 精液 栗ノ花』 「カルキ」は椎名林檎の3枚目のスタジオアルバムである。1,2枚目は割とバンドサウンドメインの楽曲が多かったが、このアルバムは管弦楽器や雅楽器、生活音のサンンプリングが使用されている。それに加えて生臭いタ

          椎名林檎 『加爾基 精液 栗ノ花』

          『ダンジョン飯』と九井諒子のマジックリアリズム

          九井諒子という漫画家をご存知だろうか。2011年に商業誌デビューし、ハルタ連載の『ダンジョン飯』をヒットさせて一躍人気作家となった。現実とファンタジーが入り混じる作風を得意とし、短編集もすでに3冊出版している。彼女の作品についてはこの記事が詳しい。(特に性別は公開されていないが、便宜的に「彼女」と表現する。性別だけではなく九井諒子氏へのインタビューやそのほか個人的情報は確認した限りほとんど存在しない)。この文章では、九井諒子の作品の変遷から『ダンジョン飯』の位置付けについて論

          『ダンジョン飯』と九井諒子のマジックリアリズム

          『FF7』のストーリー構造について

          FF9のジタンについて文章を書いたので、せっかくだからFF7についても振り返りながら書いてみたい。折しも一月後にFF7リメイクが発売されることもあるので、FF7が持つ魔法の一つである特殊な物語構造について語ってゆきたい。 FF7とその異質性FF7は様々な面でRPGというジャンル、そしてゲーム業界全体に大きな影響を与えた傑作である事は紛れもない事実である。特に3Dモデルという技術革新、そして国際的な商業的成功は、JRPGジャンルやプレイステーションというプラットフォームの飛躍

          『FF7』のストーリー構造について

          『FF9』 と主人公のリーダーシップ

          FF7のリメイクが4月に発売される。90年代に子供時代を過ごした世界中のアラサーと同様、私もこの瞬間を待ちわびていた。でもなぜか、昔プレイしたFFシリーズについて考えると、超話題作だった7や10ではなく、FF9が真っ先に思い浮かぶ。今日ははFF9の人物描写、特に主人公であるジタンに焦点を当て、主人公としての彼の異質さと、そのリーダーシップについてかいてみたい。 FF9というゲームFF9はPS時代のFFの中でも異色の作品といっていい。FF7の成功以後、8, 10, 12, 1

          『FF9』 と主人公のリーダーシップ

          『蜜蜂と遠雷』短評:映像美と「才能」

          公開二日目『蜜蜂と遠雷』を見てきた。 原作は恩田陸の同名小説、流石に原作小説全ての内容を二時間に収めるのは難しく、映画版は4人の主人公のうち亜矢(松岡茉優)のみにポイントを絞った構成を取っている。 さて、この作品「天才の競演」というのが一つのテーマになっている。本邦でよく見られる構成としては「天才」と「努力」の対比というのがよく行われ、最終的には「天才」は努力によって乗り越えられるべき存在と規定している。しかしこの映画では基本的に「異なるタイプの天才」の競争を描いており、

          『蜜蜂と遠雷』短評:映像美と「才能」

          『Cyberpunk2077』を待望する

          何について書くのかCD PROJEKT REDによる完全新作『Cyberpunk 2077』が2020年4月16日に発売される事が分かった。そこで、ここではなぜこの作品に期待すべきなのか4つのポイントごとに説明する。 Wicher3を手掛けたスタジオによる最新作 『Cyberpunk2077』のデベロッパーはあまり日本では知られていないCD PROJEKT REDというポーランドの会社だ。もともと海外ゲームのローカライズやゲームのダウンロードプラットフォームを運営していた

          『Cyberpunk2077』を待望する

          Trigger『プロメア』レビュー

          何についての記事かアニメ映画『プロメア』を見に行ったのでその感想。ネタバレも書くのでまだ見ていない方は気をつけて欲しい。 『プロメア』概要『プロメア』はTrigger制作のアニメ映画である。このスタジオは『エヴァ』で有名なガイナックスに所属していたアニメーション演出家の大塚雅彦と今石洋之、制作プロデューサーの舛本和也の3人がにより設立されたアニメ制作会社でありこれまでに『グレンラガン』、『キル・ラ・キル』などを作成している。 本作の大まかなあらすじとしては、公式サイトを引

          Trigger『プロメア』レビュー