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act:7-オレのなつやすみ オオスズメバチを征伐せよ【真夏の死闘編】

前回までのお話 ↓

 夕暮れの青龍神社で睨み合うユーイチとクニオ、しかしそこから長い沈黙が続いた。どうやら剣道を習うクニオの、その武闘家のみが放つ独特の気迫に、ユーイチは意図せず呑まれてしまったようだった、ケンカを吹っ掛けたのは他でもない彼本人だが、内心クニオが想像以上に強そうでコレはまずいと思っているのだろうな。

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それでもやはり沈黙を先に破るのは後先考えない特攻野郎、血気盛んなユーイチだった。
『ウオォォーリャァァァァァァー!!』
ユーイチの獣のような雄叫びと共に大きく振りあげた金属バットが、クニオに向って勢いよく振り下ろされる!
その瞬間、クニオはカクンと腰を落としたかと思うと、瞬時に木刀を斜め下から振りあげ、ユーイチのバットを受け止めた!いや受け止めたのではない、バットの先を狙い、体の捻りを利かせて強打!その一撃でユーイチの手から金属バットを弾き飛ばしたのだ!
バットはスローモーションのように縦にくるくる回転しながらユーイチの頭上を飛び越え、背後の地面に頭から落ちた。
『つ、強えぇ・・』膝を落とし自らの震える手を見入るユーイチ、まだ信じられないようである。ユーイチとクニオの勝負は一瞬でついた。その瞬間、我々ギャラリーに『おぉぉーー!』とどよめきが巻き起こった。
『ふん、またつまらぬものを斬ってしまった・・』
クニオはひと言そうつぶやき、家路につく。一同はクニオを拍手で見送った。‥どうでもいいがオマエは石川五ェ門か!(※1)

 そして8月13日、今年もお盆の時期がやってきた。大多喜町のウチの辺りのお盆は8月の13日から16日まで、他所より1日長いのが特徴だ。
他所の町の仏様より一日だけ長くコッチ側にいられるんで、さぞやご先祖さん達はノンビリできることだろう。

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お盆になったことで、ついつい忘れがちなオオスズメバチの巣の話だが、、当然お盆の間は無用な殺生は宜しくないので、オオスズメバチの巣の征伐計画は棚上げしているのだけど、実はこの巣がある酒造通りは、ウチのお墓への近道なのだ。迎え火でご先祖さんをお墓にお迎えに行く13日から毎日、お墓の石灯籠にロウソクを灯してこなければならず、ついでにお墓にあげた花やシキビやヒバの水を替えたり、お供物の食べ物や飲み物を入れ替えたりしてくる(※2)、それは16日の送り火の日まで続く。
この間、最初の13日は、父と母も含めた家族全員でオオスズメバチの脅威をいやというほど感じることとなり、14日はオレとクニオ2人で奴らの動きが鈍くなる夕暮れ以降を狙いお墓にロウソクを灯しに行ったものの、辺りが暗くなっているにも関わらず奴らに追われたし、、仕方ないので少しだけ遠回りになるが15日、そして送り火の16日は、商店街がある国道から周り、尾高屋の正面から入る裏道を通ってお墓に向かうことにした、なにより安全第一である。

 お盆が終わり青龍神社に集結したオレたちは、早速お盆の間のこれらの話を共有した。そんな中、ウチの裏手の工務店の息子ユーイチも、聞けばこのお盆の間は同じ目にあって非常に苦々しい思いをしたそうだ、考えてみればユーイチの家のお墓はウチのお寺の隣のお寺、つまり迎え火や送り火の墓参りコースは全くウチと同じなのだ、お互いその苦い思いを伝え分かちあうことで、次第に我ら共通の『敵』殲滅に向けての決心が、揺るぎないものになっていくのを実感した。
‥とはいえ正直な話をすると、お盆が終わってしばらくお墓に行く用事がなくなったこともあり、実はオレの中ではオオスズメバチの巣の件はどうでも良くなってきていたんだが、、この残暑を10倍にもしたようなユーイチの飛びきり熱苦しい想いをクドクドと聞かされていると、やはりここは大多喜無敵探検隊として対応すべき事案であるよなぁと‥、なにより我々はこの町の愛と平和、そして正義のために日々人知れず活動する秘密組織だった筈、そしてここまで本件で大多喜町役場や夷隅支庁が動くという気配は残念ながら全くない、であれば町民の笑顔を一日も早く取り戻すためにも、あの憎々しいオオスズメバチの巣を征伐できるのは、まさに我々以外にいないのではないだろうか?
そう、『我らがやらねば誰がやる!』新造人間キャシャーンだったら、きっと躊躇うことなくそう言うだろう。
ただ相手は殺人バチとも云われるオオスズメバチ、しっかりと作戦を練らねば手痛いしっぺ返しを食らうことは火を見るよりも明らかだ、そこで我々はこの日から数日にわたり、緻密な作戦会議を練ることになったのだ。

 まず、そもそも今回のミッションのゴールとは何だろうか?それはオオスズメバチをあの場所から完全に追い出すことだ。無事に追い出せるのであれば無用な殺生はしなくて済むが、話して分かる相手ではないことは百も承知で、何よりそんな悠長なことは言ってられない緊急を要する事態にも思える。であればあの大量のハチと共に、巨大な巣自体を破壊殲滅するしかないのかもしれない。しかしオオスズメバチの巣には、攻撃力の高い働きバチが100匹や200匹はザラにいそうである。それらを効率よく殲滅するにはどうしたらいいのか、、ここでいつも知恵者ワカナのヤッチャンから、前に何かの本で読んだというハチの巣の撃退法が皆に伝えられた。なんでもハチは煙に非常に弱く、ハチの巣を撃退する際は、よく煙で燻すのだそうだ(※3)。‥ほほぉ、煙か『煙ならちょうどいいものを持ってるよフフフッ』オレはそういうとズボンのポケットをまさぐり皆の前に煙幕花火(※4)を差し出した。

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直系3cmほどのカラフルな丸い球から一本の太い導火線が伸びており、これに火をつけると、たちまち赤や黄色、緑や青、ピンクなど色とりどりの濃い煙がモウモウと出まくるのだ。これは我が宿命のライバル『キタゴーリ』との熾烈な戦闘(※5)で退却する際などに大活躍する装備で、オレは不測の事態に備え常にバクチクと共に持ち歩いているのだ、もちろん家に帰れば何十個という単位で色とりどりの煙幕花火がストックされている。
さっそくヤッチャン監修の元で、煙幕花火に火を点けて煙の具合を確認してもらったところ、どうやらこの煙の量でイケそうだということになった。これを幾つもハチの巣に撃ち込めば、その巣の中で煙が猛烈に充満し、女王バチはもちろん幼虫まで燻されてやっつけられそうだと・・、なにより女王バチさえ倒せれば、あの悪夢のような働きバチたちはいずれ四散してしまうとも聞いた、よし!我らに勝機あり!
では次に、これをどうやってハチの巣にブチ込むのか?さすがに巣の至近距離から投げ入れるわけにはいかない、万一にもあの凶悪なオオスズメバチどもに返り討ちにあうかもしれないのだ、例え至近距離から投げられたとしてもあの巣の表層ではじき返されてしまうかもしれない。
『アニキの得意なゴムパチンコで飛ばせるんじゃない?』弟のクニオから声が上がる。ほぉー、今日はみんな冴えてるなぁ!さっそくオレやユーイチで煙幕花火をゴムパチンコ(※6)で飛ばしてみる、小石や銀玉に比べると明らかに弾が大きいためゴムを引っ張りにくく、大して飛距離は期待できなかったが、それでも2mほどの距離なら案外狙ったところに飛ばせることが分かった、しかしこの弾の勢いで、果たしてオオスズメバチの巣の表層に穴をあけることができるのだろうか。

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ここでは一寸の虫の命さえ大切に思う、心優しい良家のお坊ちゃんヒロツンから声があがった『ハチの巣って、ほら、お菓子のウェハースみたいでしょ、先に巣の表面を砕いとかないといけないんじゃないかなぁ』
すかさずユーイチがいう『じゃー先にゴムパチンコでバンバン石を撃って穴だらけにしとけばいいんだなウハハハハ!オッケー!!』
こうしてオオスズメバチの巣の殲滅掃討作戦の骨子が固まったのであった。
作戦計画は以下3つのフェーズで行うことが確定された。

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【1:敵陣地破壊工作】
殲滅目標であるオオスズメバチの巣に、酒造通りの坂の上、そして坂の下から挟み撃ちにする形で二手に分かれ、それぞれ匍匐前進(※7)により巣に接近、出来るだけ巣に近づいたら、合図のあと一斉に小石によるゴムパチンコでの破壊工作開始。
酒造通り坂上からの接近及び攻撃はクニオとヒロツン、坂下からの攻撃はオレとユーイチ、そして補給係はヤッチャンである。
【2:決死隊出動】
先の敵陣地破壊工作作戦により、十分に敵の巣の表層を破壊できたら決死隊による煙幕花火の投入開始、決死隊が2m以内に出来るだけギリギリにまで接近し、各自ライターで火をつけた煙幕花火をオオスズメバチの巣にゴムパチンコで撃ち込む、決死隊は坂上のクニオ、坂下のユーイチ2名、共にノルマそれぞれ10発ずつ、計20発の煙幕花火をお見舞いする。その際の煙幕の色はお好みでOKだ。煙幕花火は隊長であるオレから現物支給を行う。
【3:水攻め】
決死隊の活躍により、煙幕花火の煙で十分に巣を燻しきったら、近隣への火事を未然に防ぐため、煙が収まるまで水をぶっかける。補給部隊のヤッチャンが青龍神社の水道からバケツで水を必要なだけ運んできて、それを最後のシメでオレが巣に特攻、盛大に水をぶっかける、ようは年長さんのオレが責任をもってシンガリを務めるということだ、いざ特攻精神!勝たずして何の我らぞ!
‥フフフッ、どうだ完璧だろう。
気をつけねばならないのは敵の反撃だ、特に【1:敵陣地破壊工作】で破壊活動を開始した途端、まず間違いなく今までにない数のオオスズメバチが外に飛び出してくるだろう、しかし怯むことなく続く我々の攻撃によって奴らには帰る場所がなくなり女王バチも滅し、そして大将をなくしたハチどもはいずこともなくこの大多喜の空に四散していくといった算段だ、ちょうど敵の戦闘機が全機飛び立ったあとの無防備の敵空母に、我らがゼロ戦の決死隊がレーダーに映らない海面すれすれからコッソリ近づきトドメを刺しにいくのと同じ考えである、どうやらオレは軍師にむいている。
本作戦は明日午後に決行することとなった。

 明けていよいよ作戦実行の日がやってきた、酒造通りの坂の上には、クニオとヒロツンが国道からぐるっと遠回りして配置についたようだ、カーブの先から声が聞こえる。‥いよいよだ、この大多喜町の愛と平和のために戦う時がいよいよ訪れた。脳裏に大多喜無敵探検隊メンバーたちの顔が浮かぶ、ヒロツン、クニオ、ユーイチ、そしてヤッチャン、みんな頼むぞ、我らの正義この一戦にあり!
オレは匍匐前進のまま地べたに伏せて叫んだ!
『コウゲキカイシィィィーーー!!!』
オレの脳内ではまさに旧日本軍の突撃ラッパが吹かれている、この瞬間、戦闘の火ぶたは切って落とされた。
坂の下のオレたちはもちろん、坂の上のクニオやヒロツン側からも一斉に小石が放たれた、それは目にも止まらぬ速さで、小さい風切り音をならしながらハチの巣の表面に黒い穴をあけていく!そう、作戦通りにまずは中長距離からオレたちはゴムパチンコで連続攻撃を開始、予め拾い集めておいた大量の小石をビュンビュン飛ばして巣の表面を崩しにかかったのだ、泥とハチの涎で作られた巣は、全体で衝撃を吸収する構造にはなっているものの実はそれほど頑丈なものではなく、局所への大きな衝撃には脆い、それはこれまでこの町で様々な昆虫の巣を弄りまわして皆が会得している事実であり、それはオオスズメバチの巣でも例外ではないのだ。みるみるうちにオオスズメバチの巣の表面が崩れ、内部のハチの巣本体が露になってきた。突然の攻撃に驚いたオオスズメバチたちが一斉に巣から出てくる、鈍く重いその羽音がそこかしこに響き渡る、ふと見上げると我々の上空をとんでもない数のオオスズメバチが飛び交っていた、どうやらパニックになっているようだ、フフフッここまで想定通りだ、しかし巣までの距離は5m以上はあり、早々オレたちが攻撃しているとは分からないようだ、しかもオレたちはオオスズメバチを欺く匍匐前進体制、ふん、所詮虫けらだぜ。
ゴムパチンコでガンガン撃ちこむので、流石にストックしてきた大量の小石も底をついてきたが、オオスズメバチの巣も半壊してきていた。丸出しになった幾重にも重なるテーブル状の巣本体が傾いているのが見える。
その時である『ギャァァァァー!』
一瞬悲鳴が聞こえた!なんとヒロツンが刺されたようだ!

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ひときわ体の大きいヒロツンは匍匐前進でも目立ったようで、よりによって頭のテッペンを刺された、ヒロツンは頭を押さえて立ち上がり、今まさに集中攻撃を受けているオオスズメバチの巣の前を横切り、こっちに走ってきた!なんと無謀な!
『あー!アタマ刺されたオレ死ぬーー!』
キサマはそれを言うためにオレの元に来たのか?‥安心しろヒロツン、ホントに死ぬヤツは死ぬなんて言わない、それより伏せろもっと刺されるぞ!‥いやいやお前はデカいので目立つ、負傷兵だ基地の青龍神社まで撤退し我らの吉報を待つのだ!ユーイチの金属バットとクニオの木刀の番を頼む!
残るはオレと補給係のヤッチャン、そしてクニオとユーイチの決死隊、、我々はヒロツンという大切な戦友を失ったが、敵も我々の奇襲により巣を大破され、きっとそれ以上の苦しい時を迎えていることだろう、我々が苦しい時、敵もまた苦しいのだ、いよいよ最終決戦の時が来たようだ。
オレは叫んだ『決死隊、シュツドォォォーーー!』
匍匐前進でハチの巣に2m以内までに近づいたクニオとユーイチが、100円ライターで各々煙幕花火に火をつけ、ゴムパチンコで半壊した巣にぶち込んでいく、いやぁー二人とも上手いもんだ、想像してた以上にポンポンと上手に巣に入るもんだな、ちょっとスゲェ!やはり日頃バットや木刀を振り回しているヤツは運動神経がいいのかもしれない。
ユーイチがクニオに匍匐体制のまま声をかける『クニオー!流石だな、滅茶苦茶上手いな!』
クニオはニヤリと口元で笑い『・・ユーイチ、おまえもな!』
お盆の前に青龍神社で決闘を繰り広げたこの二人は、今ではお互いを誉めあえるようになっていた、年長さんとしても、そして兄としても嬉しいぞ。
やがてハチの巣からはピンクや黄色、青や緑の毒々しくも鮮やかな煙が濛々と立ち昇った、フフフッどうやらオレたちの勝利のようだ、女王バチめこんなところに巣を作り町民を脅かすから天誅が下ったのだ。ざまーみやがれ!

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ヒロツン亡き後、オレたち四人で地べたに伏せたまま勝利を確信していると、この騒ぎのせいか、小道の脇の家のおばさんがいきなり窓をあけこっちを覗いた『あんたたちさっきから何やってんの!うるさいわよいい加減にしなさい!』はい、思いっきり怒られました。
でも次の瞬間、辺りにぶんぶんと舞う異様な数のオオスズメバチに気付いたようで『ギャー!!』と一声発しておばさんはまた窓を閉めてしまった、ヤレヤレもっと怒られるかと思った、焦ったぜ。
うむ!では最後の仕上げだ、煙幕花火の煙が収まったらバケツの水を玉砕覚悟でかけに行く!シンガリはやはり年長さんの役目なのだ。
補給係のヤッチャンから、たっぷり水の入ったバケツを渡される『隊長、気をつけてくださいね』ヤッチャンは本当によいヤツだ、オレの身まで案じてくれてありがとう、オレは中腰のまま彼に敬礼をし、そのまま叫びながら半壊したハチの巣に全速力で向い、思いっきりバケツの水をぶっかけた!
あれ?煙は一回の水で完全に治まってしまった、ちょっと拍子抜けだが、、よぉーし!これで火事の心配もない!終わりよければすべて良し!我ながらよくやった!
上空を見上げると、大量に舞うオオスズメバチたちの動きが、心なしか弱々しくなっていた。どうやら敵も敗北を認めたようだった。
なによりこれで大多喜の平和は守られたのだ、もちろん我々の大勝利だ!
これにてオオスズメバチ殲滅掃討作戦、任務完了!

‥しかしその晩、その小道の脇の家のおばさんがウチにやってきて、この町を守るための極秘の一大作戦は両親の知るところになり、オレと弟のクニオはむちゃくちゃ怒られた、近所迷惑も甚だしい!火事になったらどうする!新聞記者の息子が事件起こしたらエラいことだ!そもそも宿題をしろ!などなど・・突き付けられた要求の数は計り知れない、オレは弟のクニオとシューンとなってしまった。そして次の日はウチの親からユーイチ、ヒロツン、ヤッチャンの家にそれぞれ話が伝わることとなり、みんな両親に怒られた、そしてこの件が一つのきっかけになり、オレたちみんなは残りわずかな夏休みに外で遊べなくなり、かわりに宿題に追われることになった。
こうしてオレたちのなつやすみは、あっけなく終わった。

‥そうそう、最後にオオスズメバチに頭のテッペンを刺されたヒロツンだが、どうも軽く刺されただけのようで大して腫れることもなく、大騒ぎしたわりには次の日にはもうケロッとしてたみたいだ。

1976年(昭和51年)、小学4年生の頃の想い出である。

【注意】登場人物名及び組織・団体名称などは全てフィクションであり画像は全てイメージです…というご理解でお願いします。

【解説】
(※1)石川五ェ門とは、漫画ルパン三世の登場人物のひとりで、古の大泥棒石川五右衛門を先祖に持つ剣士の名、彼が持つ鋼鉄をも斬りさく仕込み刀『斬鉄剣』は有名である。
(※2)現在は野良猫やカラス、その他の野生動物が増える原因になることから、一般的にはお墓に食物などは置かないようになってきているが、昭和の時代のお墓参りは、たくさんの食べ物や飲み物を墓前に並べるのが一般的だった。
(※3)蜂は、煙のにおいを嗅ぐと山火事が起きたと思い込み本能的に命の危険を感じるようで、煙のにおいをかいだ蜂は巣から離れ、逃げ遅れた蜂は気絶してしまうという。ただし蜂は煙でいぶしても死ぬわけではなく数時間後には気絶から目覚めるようだ。だからこの作戦は実は大失敗だったのだ。ただしこの巣に関しては、修復不可能と見たのかオオスズメバチが放棄したようだ、結果的にゴムパチンコと煙幕花火で女王蜂を追い出せたのかもしれない。
(※4)煙幕花火はその名の通りに煙幕を張る昼用の花火で、球状の花火本体から太い導火線が一本出ており、点火すると花火表面と同じ色の濃い煙をモウモウと吹き出す。
(※5)キタゴーリ(北郡)少年、サナダ隊長と同様に火薬類や飛び武器に必要以上の執着を持つ好敵手である。彼のTVアンテナの金属パイプを再利用した火薬式の手作り銀玉鉄砲は、現在では問題になるレベルの破壊力を有する(ほぼ火縄銃)、隣村の西部田地区に住み、休日は武器弾薬類調達のため、その補給所である駄菓子屋(バクダン屋や加賀屋)でよく鉢合わせし、お互いに緊張・牽制しあう仲、サナダ少年より1歳年下 いずれ登場予定。
(※6)プラスチックや木で出来たY字型のフレーム上部2か所に太いゴムが結ばれており、その真ん中に小石などの弾を挟み、引っ張って弾を撃ちだす一種の飛び武器。実はエアガンなどより破壊力や飛距離があるものもあり、この子供用のオモチャでも飛ぶ鳥を落とせる威力がある。最近ではスリングショットという名で知られるものである。
(※7)匍匐前進(ほふくぜんしん)とは、兵隊が敵に見つかりにくく、弾も当たりにくくするため地面にうつぶせになり、主に肘や膝を使って、じわじわと前進することである。コンバットというアメリカのドラマが大好きだった私らしい戦術である。

最後に昭和のオジサンからチビッ子たちにお願い!
令和の良い子は、こんなことしちゃ絶対ダメだぞ!(´・∀・`)ノ

大多喜町MAP 昭和50年代(1970年代)

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