マガジンのカバー画像

おとこらむ oto-column

30
「音楽と鳥しんぶん」に連載されていたレコード研究家の音楽的日常のコラムが、noteマガジンでも登場!家人の夢の中で「あなたはレコードのマハラジャよ!」と美輪明宏さんに称賛された夏…
運営しているクリエイター

#クラシック音楽

ピアニスト/ピアノ研究家の松原聡さんがベヒシュタインを弾きに来てくださいました

ピアニスト/ピアノ研究家の松原聡さんがベヒシュタインを弾きに来てくださいました

ピアニストであり、ピアノ研究家としても活動されている松原聡さんが、白金ピアノスタジオにベヒシュタインを弾きに来てくださいました。

松原聡さんはピアノ研究家として、様々なメディアで執筆活動をされている方なのでピアノについて大変お詳しく、逆にベヒシュタインのピアノの歴史についてたくさん教えていただきとても勉強になりました。

そして、実際に演奏もしていただいたのですが、松原さんの優しいタッチに、スタ

もっとみる
意外と簡単❣️SPレコードの再生方法②

意外と簡単❣️SPレコードの再生方法②

SP再生用のカートリッジを選ぼう!入門編

78回転モード付きのターンテーブルをお持ちなら、あとはカートリッジだけでとりあえずのSPレコードの再生は可能になります。

オーディオテクニカは、SPレコード用のカートリッジをずっと発売し続けてくれている良心的なメーカーです。手軽な価格ですが、扱いやすく、針交換も安定供給が期待できるので入門編として安心してお勧めできます。付け加えますと、良い音を求めるな

もっとみる
意外と簡単❣️SPレコードの再生方法①

意外と簡単❣️SPレコードの再生方法①

SPレコードってなんじゃらほい?そもそもSPレコードって何?といいますと、皆さん映画などで観たことがあるラッパ型のホーンスピーカーを持った、あのレトロな蓄音器でかける専用のレコードなんです。これはLPレコード(12インチ ヴァイナル)が一分間に通常33.3回転(33.1/3rpm)するのに対して、SPレコードは78.26回(78rpm)もの高速で回転するのです。

通常のアナログ盤がヴァイナル=V

もっとみる
ラヴェルと左腕のピアニスト

ラヴェルと左腕のピアニスト

 パウル・ヴィットゲンシュタインは、実業家カール・ヴィットゲンシュタインとレオポルディン・マリア・ジョゼファ・カルムスの四男としてウィーンに1887年に誕生。第一次世界大戦中に負傷から右腕を失い、左手のピアニストとして成功を収めたことで知られています。また、高名な哲学者ルートヴィヒ・ヴィットゲンシュタインの兄にもあたります。

 当時、ウィーンの上流階級であったヴィットゲンシュタイン家には、ブラー

もっとみる
巷に雨の降る如く〜ドビュッシーのピアノ

巷に雨の降る如く〜ドビュッシーのピアノ

ビュッシーのショパン演奏を聴いたことのある者たちは、ハンマーを意識させない程のビロード・タッチと、溢れ出る泉のようなその響きを生涯忘れることが無かったという。それもそのはず、ドビュッシーはショパンの弟子であったフレーヴィル夫人にピアノを習っている。ドビュッシーの才能が、この夫人からショパン演奏の秘密を多く吸収していた事は容易に想像されるのである。
確かにドビュッシーのショパン演奏なんて想像しただけ

もっとみる

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤④ フランシス・プランテ

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤④

フランシス・プランテ (1839-1934, フランス)
ショパン「練習曲 ハ長調 Op.10-7」(1928録音)
https://youtu.be/UOVs526XWJw

●ショパン自身のピアノ演奏を聴いたことがあるとされる唯一のピアニストによるショパンのレコード。この最晩年の演奏は、スイスの自宅までコロムビアが機材を運び込んだ甲斐もあり、愛用
もっとみる

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤③ モーリッツ・ローゼンタール

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤③
モーリッツ・ローゼンタール(Moritz Rosenthal, 1862-1946, ポーランド)

●ショパンの弟子であるカロル・ミクリと、フランツ・リスト本人に学んだポーランド出身でアメリカで活躍した伝説のヴィルトゥオーゾ。若い頃はその超絶技巧的な演奏が過ぎて、評論家から苦言を呈されるほどでしたが、成熟するにつれて詩情溢れるショパン弾きとして、パハ
もっとみる

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤② ピアニストとしてのセルゲイ・ラフマニノフ

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤②
セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninoff, 1873-1943, ロシア)�
●現在、ラフマニノフは大作曲家として親しまれていますが、当時は超絶技巧のピアニストとして高い評価を得ていました。
当時のラフマニノフ作品は、スクリャービンやストラヴィンスキー、プロコフィエフなどの同時代作曲家たちに比べて、チャイコフスキーなど全世代に連な
もっとみる

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤① ウラディミール・ド・パハマン

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤①
ウラディミール・ド・パハマン(Vladimir de Pachmann, 1848-1933, ロシア)
●ショパン存命中に生まれたピアニスト、ピアノの魔術師パハマンによるショパン「小犬のワルツ」の決定的名演奏です。
これのレコード、なんとパハマンによる前口上から始まります。
「最初は書いてある通りに、段々ゆっくりと弾いて、次はパガニーニのようなスタッ
もっとみる

ロシアの憂鬱・類を見ないデリケートなピアノタッチによる珠玉の名演奏



ロシアに生まれたニコライ・オルロフ(Nikolai Andreyevich Orloff [26 Feb.1892 - 31 Mar.1964], Pianist) は、モスクワ音楽院でピアノをコンスタンチン・イグムノフに、作曲と対位法をセルゲイ・タネーエフに学んだ。ピアニストとしてデビューを果たした1912年には、作曲者自身の指揮でグラズーノフ「ピアノ協奏曲」の初演も務め成功を収めている。

もっとみる

新発掘SP音源フリードマンの「告別のワルツ」を世界初復刻

「レシェティツキの弟子たち 第3集」(1880〜1882年生まれのピアニスト)● アルトゥール・シャタック(1881-1951)
バッハ:シチリアーノ(プライヴェート・アセテート録音)

● リヒャルト・ブーリッヒ(1880-1952)w/ウェズリー・キューンル
バッハ:コントラプンクトゥス第6番〜フーガの技法より
(プライヴェートSP録音)

● ミヒャエル・フォン・ツァドラ(1882-1946

もっとみる

ニコライ・オルロフ ショパン名演集

01. バラード 第1番 ト短調 作品23
02. バラード 第4番 へ短調 作品52
03. 夜想曲 第5番 嬰へ長調 作品15-2
04. 夜想曲 第8番 変ニ長調 作品27-2
05~08. ピアノソナタ 第3番 ロ短調 作品58(全曲)
09. 幻想曲 へ短調 作品49
TOTAL TIME : 69’ 41”

【CD解説】ロシアに生まれたニコライ・オルロフは、モスクワ音楽院でピアノをコ

もっとみる

伝説的な仏女流ピアニストによるフランスピアノ秘曲集の愉しみ

フランス女流ヴィルトゥオーゾであるエンマ・ボワネが、1934年から1940年にかけてニューヨークで行った米ビクター、米シルマーへのSP録音によるフランス音楽名演集。
師匠であるイシドール・フィリップのピアノ作品である「鬼火」「夜想曲」や、名指揮者としても高名なガブリエル・ピエルネの「ワルツ形式の夜想曲」などの知られざる小品をはじめ、19世紀末の退廃的ムードが漂うピアノ名曲をお楽しみいただけます。

もっとみる