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京都にある茶室

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守るべき文化財の宝庫、京都に現存する茶室を集めました!
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2020年3月の記事一覧

飛雲閣 憶昔席(西本願寺の茶室)



「憶昔席(いくじゃくのせき)」

京都西本願寺境内の滴翠園(てきすいえん)内に建つ飛雲閣に付随した茶室。

躙口を入ると、座敷とは無目敷居で画された相伴席(武家流の茶室に見られるお伴の席)があり、その先に三畳半の座敷。座敷は上段に見立てられる。

座敷には床と付書院を設けている。床框は黒塗りで、床柱はやや曲がりを帯びた南方産の皮付丸太、相手柱には面(つら)をつけないみがき丸太。床脇の壁は低く吹

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反古張り席(表千家 祖堂)



「反古張席(ほごばりせき)」

表千家最古の遺構、祖堂内にある一畳台目向板入り席。炉は向切(むこうぎり)。

天井は総屋根裏で床も設けません。壁面を床に見たてて壁床とし、腰張も太鼓襖(茶道口)も反古張りという、侘びに徹した構成です。

入口は西側(左手側)の貴人口。北側の壁面には下地窓が二つ、色紙窓風にあいています。

ユニークで侘びた構成の小座敷、現存します。

(三千家の茶室をまとめていま

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