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#クラシック音楽

照明付きオーケストラに若者招待リハーサル。行政が文化芸術の道標を作ってしまうということ。

照明付きオーケストラに若者招待リハーサル。行政が文化芸術の道標を作ってしまうということ。

 新型コロナに感染してしまったのでずっと家にいる。隔離期間もあと1日だ。この1週間、Prime VideoやNetflixを利用して、いくつか映画を観た。質の高い映画を安価で手軽に観ることができる。こんなに良いことはない。
 初めてPrime Videoを利用したのは大学生のときだった。映画好きのわたしは、良い作品を手軽に観ることができるこのサブスクに喜んだ。もちろんわたしの観たい映画が全てあるわ

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クラシックの新譜は「いま」を反映する!?11月の新譜をご紹介!!

クラシックの新譜は「いま」を反映する!?11月の新譜をご紹介!!

 みなさまこんにちは、布施砂丘彦です。遂に流行病に罹りました。時間もできたので、noteでも更新しようと思います。

 さて、ここに写っているCDは、すべてこの1ヶ月で発売されたクラシック音楽のCDです。はい、ともかく量が多い。ここにすべての国内盤があるわけではないのですが、それでも50は超えます。毎年この時期は『レコード芸術』の「レコード・アカデミー賞」があるから新譜が多いのだとか。素晴らしいC

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室内楽版ブルックナーはなんのため

室内楽版ブルックナーはなんのため

 本日オンラインで開催された「ブルックナーレクチャーコンサートVol.2 「私的演奏協会」とその編曲」にて、事前に以下の質問をお聞きしておりました。回答を用意しておりましたが、話す機会がなかったため、こちらにアップします。(有料のイベントでしたが、結局話していない内容なので、無料でアップしても問題ないでしょう。)
 喋るための原稿なので、読みにくいかもしれません。ご容赦ください。

質問
「ブルッ

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ミヒャエル・ハイドンの音楽(1)《セレナーデニ長調 P.87》

ミヒャエル・ハイドンの音楽(1)《セレナーデニ長調 P.87》

本シリーズでは、ミヒャエル・ハイドンの音楽を愛してやまない筆者が、知られざるミヒャエル・ハイドンの名曲を解説していきます。

1. ミヒャエル・ハイドンの人生 ヨハン・ミヒャエル・ハイドンは、フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)の弟として、1737年9月17日にオーストリアのローラウで生まれた。兄と同じく古典派を代表する作曲家である。しかし、現在ではあまりに高名な兄の影に隠れ、その作

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疫病禍に翻弄された音楽家が一年を振り返る

疫病禍に翻弄された音楽家が一年を振り返る

以下は一演奏家だった布施砂丘彦が、パンデミックに翻弄され、音楽に対する問題意識を抱き、変容していった一年間の備忘録です。

 ちょうど一年前、2020年1月24日は、東京スカイツリーの7階にあるプラネタリウムで仕事をしていた。プラネタリウムの中で演奏するのは初めてで、暗闇のなか、黒い紙に白く印刷された楽譜を見て(それは初めてチェンバロの鍵盤を見たときの衝撃を思い出す!)演奏すると、音が裸になって自

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「誤配」としてのヴォルフトーン。

 ドイツ語でヴォルフトーンWolfton、英語でウルフトーンwolf toneと呼ばれるそれは、低弦楽器を演奏した際に、その音と楽器の胴体が共振したときに発生する非自然的な倍音である。要するに「うねり」だ。狼が啼くようにウォンウォンとした音がするから、そう名付けられたそうだ。コントラバスにおいては特にG♯の音で頻出し、だいたいF♯からB♭の間で発生することが多いだろう。
 すべての音をなめらかに均

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