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スペイン式フットボール分析学

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スペインのフットボールコーチングコースで学んだ方法で、フットボールの試合を分析します。
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フットボールのダイヤモンド・オフェンス における攻撃サポートの構造化 26  エントリーパス 〜バスケットボール6〜

フットボールのダイヤモンド・オフェンス における攻撃サポートの構造化 26  エントリーパス 〜バスケットボール6〜

エントリーパスファイナルゾーン(ゾーン3)で「セットオフェンス」を開始するにあたり、「セットオフェンス」を始めますという合図となるパスが必要であり、それがエントリーパスである。

チームで「セットオフェンス」を開始するには、このポジションのプレーヤーにボールが入ったら「セットオフェンス」を開始するという、プレーヤーなり、ポジションを決め、そのプレーヤーにボールが入ったら、ボール保持者の近くのプレー

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スペイン式フットボール分析学8:FIFAW杯2018ロシア 日本代表分析 対ベルギー戦 〜失点の原因〜

西野日本代表の失点の原因分析:西野さんが監督になってからの親善試合3試合とワールドカップ4試合の失点の原因を分析する。

西野日本代表総失点数:13点(親善試合3試合:6失点、ワールドカップ4試合:7失点)

失点:セットプレーから11失点。ファイナルゾーンの守備による失点:2失点(ワールドカップ:セネガル戦)

親善試合3試合:6失点全てがセットプレーから生まれている。

ワールドカップ4試合:

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スペイン式フットボール分析学7:FIFAW杯2018ロシア 日本代表分析 対ベルギー戦(前半)

日本代表のディフェンス分析:

分析項目:

組織的守備:
7. ボール出しへの守備(ゾーン3):D. Salida de balón
8. 前進への守備(ゾーン2):D. Progresar
9. ダイレクトプレーへの守備:D. Juego directo
10. セットオフェンスへの守備ゾーン1:D. Finalizaciones

攻撃から守備への切り替え:
11. プレッシング:カウンター

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スペイン式フットボール分析学5:FIFAワールドカップ 日本代表分析 対セネガル代表 〜前進〜

スペイン式フットボール分析学5:FIFAワールドカップ 日本代表分析 対セネガル代表 〜前進〜

日本代表2つの戦略

ゾーン2までボールを運んだ日本代表のゲームプランは、セネガル代表のディフェンスラインが高いので、「右インサイドレーン」から「左ポケット」への斜めのロングパスによる「ダイレクトプレー」と、相手のアンバランスなMFラインの弱点をついて、ポジショナルプレーを基本コンセプトとしたパスとコンドゥクシオン(スペースへ運ぶドリブル)による「前進」と大きく2つのパターンがあった。ゾーン2のシ

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スペイン式フットボール分析学6:FIFAW杯ロシア 日本代表試合分析 対セネガル戦 〜ダイレクトプレー

スペイン式フットボール分析学6:FIFAW杯ロシア 日本代表試合分析 対セネガル戦 〜ダイレクトプレー

日本代表のタッチダウンパス:

対セネガル戦においての日本代表の攻撃は、ゾーン2において相手MFラインとDFラインの間のライン間の「インサイドレーン」で乾、香川、大迫、原口らがボールを受けて「前進」する方法。

もう1つは右CBの吉田とダブルボランチの柴崎の2人による「右インサイドレーン」から「左インサイドレーン」のペナルティエリア内の「ポケット」へロングパス「タッチダウンパス(ダイレクトプレー)

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スペイン式フットボール分析学4:W杯2018ロシア 日本代表対セネガル代表(前半) 〜ボール出し分析〜

スペイン式フットボール分析学4:W杯2018ロシア 日本代表対セネガル代表(前半) 〜ボール出し分析〜

W杯グループステージ グループH、日本代表の「ボール出し」を分析する。ここまで、日本代表とセネガル代表は第1戦を共に勝った後の2戦目である。

分析項目:

組織的攻撃:
1. ボール出し:ゾーン1(Salida de balón)
2. 前進:ゾーン2(Progresar)。前進とはパスかコンドゥクシオン(スペースへ運ぶドリブル)を使って自陣からハーフラインを超えて相手コートに入ること。
3.

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スペイン式フットボール分析学3:スペイン代表のファイナルゾーンの攻撃分析 イラン戦(後半)

スペイン式フットボール分析学3:スペイン代表のファイナルゾーンの攻撃分析 イラン戦(後半)

今回は、前回の「スペイン代表のファイナルゾーンの攻撃分析」の続き。イラン戦、後半である。

イラン代表は後半が始まるとゾーン3(スペイン代表から見て)のシステムを6−3−1のゾーンディフェンスから4−5−1のゾーンディフェンスに変更してきた。つまり、ディフェンスラインまで落ちていたイラン代表の両WG(右WG:M.タレミ、左WG:K.アンサリファルド)をMFラインのディフェンスに参加させ、前半の終盤

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スペイン式フットボール分析学2:W杯2018ロシア:スペイン代表のファイナルゾーンの攻撃分析 イラン戦(前半)

スペイン式フットボール分析学2:W杯2018ロシア:スペイン代表のファイナルゾーンの攻撃分析 イラン戦(前半)

スペイン代表のゲームモデル(プレーモデル)を分析する。尚、スペイン代表のゲームモデルを知るためには、相手チームであるイラン代表のゲームモデルを知る必要があるので、この日の対戦から、両チームがどのような戦略および戦術で戦ったのかを分析する。

今回は主スペイン代表のゾーン3における「セットオフェンス(Finalizaciones)」を分析した。

FIFAワールドカップ2018ロシア グループステー

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スペイン式フットボール分析学:W杯2018 ポルトガル対スペイン試合分析(前半)1 〜前進〜

スペイン式フットボール分析学:W杯2018 ポルトガル対スペイン試合分析(前半)1 〜前進〜

スペイン代表のゲームモデル(プレーモデル)を分析する。尚、スペイン代表のゲームモデルを知るためには、相手チームであるポルトガル代表のゲームモデルを知る必要があるので、この日の対戦から、両チームがどのような戦略および戦術で戦ったのかを分析する。

今回は主にスペイン代表のゾーン2における前進(Progresar)を分析した。

FIFAワールドカップ2018ロシア グループステージ・グループB

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