※「上①」
「上①」では、僕のほっぺたを触られながらも、嫌悪感よりもむしろ、”もっと触って欲しい”、という欲求すら抱いていた、Yについて深掘りしていなかったため、「上②」で、彼女のことを詳しく筆記してみたい。
Yとは、高校のクラスメイトの関係性で、特段、プライベートなやり取りをした覚えは無いのだけれども、僕が密かに、恋心を寄せていた女性でもあった。
「密かに」とは書いたが、僕が高校時代に友好的な関係を築いていたY男(偶然にもイニシャルが同じで分かりづらいため「Y男」と記す。ちなみに「義男(よしお)」などといった名前ではなくて、性別で違いを示すための「Y男」である)には、話の流れで、サラッと、”好意を寄せている”、ぐらいの熱量では、伝えたことがある。
その時、Y男は「ふ~ん」ぐらいの薄いリアクションで、そのまま会話が打ち切られたことを、僕はハッキリと覚えている。おそらく、Y男からすると、そんな話はとっくの昔に忘れていて、僕が好意を寄せていたことすら、覚えていないのではないかと思われる。それぐらいのリアクションの薄さだった。
Y男の薄いリアクションからも分かるように、僕が恋心を寄せていたYは、いわゆる「クラスの男子からモテていた女子」ではなかった。敢えてラベルを貼るならば「あまり目立たないタイプの女子」が最も近しいのではないかと思われる。
ゆえに、他のクラスメイトは、当時のYはどんな人だったのかと聞かれても、詳しく答えられる人は、そう多くはないであろう。
だが、僕は違う。例えるならば、物陰からひっそりと眺めるかの如く、Yはおろか、周りの誰からも、恋心を気取(けど)られないぐらいの距離感を保ちながらも、Yのことを、密かに、でありながらも、つぶさに、観察していたから。
Yは、同じクラスメイトの女子のMと、二人で居ることが多かった。休み時間はもちろん、移動教室で行き来する際も、二人並んで歩いていることが多かった。
これもまた、他のクラスメイトからしたら、「あぁ、確かに言われてみれば、二人で居ることが多かったかもね」と思い出せたとしても、「で、それがどうかしたの?」ぐらいの薄いリアクションで、会話が打ち切られることだろう。
だが、僕は違う。そんなMとYを後方から観察しながら、僕の妄想世界で、二人がレズビアンの関係を築いていると仮定して、
(「Mが『タチ』でYが『ネコ』と考えるのが自然な流れだとは思うが、僕の性癖的には『強気受け』がドスライクなので、Mが『ネコ』でYが『タチ』もまた見てみたい・・・。」)
(「テニスの王子様の河村隆よろしく、Yがベッドに入ると豹変して『性の獣(けだもの)』と化す世界線も面白い、いやでも、より僕の性癖に合致させるのであれば、普段と雰囲気は変わらないけれども、”レズテク”、でMを優位に上回り、屈服させてしまう方が、より、そそられるじゃないか・・・。」)
そんなことばかり考えては、一人静かに、悦に入っていた。
・・・コホン。
筆記していくうちに、ところどころでヒートアップしてしまって、話が二転三転してしまったのだが、とりあえず、僕が、Yに恋慕の情を抱いていたことは、大体、察してもらえたかと思われる。
それを踏まえた上で、夢世界で描写された内容に、戻ろう。
僕は「上①」で詳しく筆記したように、クラスメイトの男女から、ほっぺたをひたすら触られていた。それでいて、”されるがまま”、の状態となっていた。
しかし、冒頭で述べたように、Yに触られた時は、嫌悪感よりもむしろ、”もっと触って欲しい”、という欲求を抱いていた。その理由は、密かに恋心を寄せていたからに他ならない。
そして、この、”もっと触って欲しい”、という欲求は、そのまま「性的興奮」へと転化していった。
「性的興奮」は、”目に見えない精神的な変化”、でとどまることなく、”目に見える肉体的な変化”、にまで高まっていった。
有り体に言えば「勃起」したのだ。
僕は、Yにほっぺたを触られながら、より事実に即して書けば、僕のほっぺたを、ムニューと押してみたり、ビョーンと伸ばしたりして、「モチモチしててお餅みた~い(笑)」と遊ばれながら、股間を大きく膨らませていたのである。
そんな僕の変化に、まず、Y以外の男女が気付いた。そして、”見たくないものを見てしまった”、と言わんばかりの表情で、クモの子を散らすように、(当然、Yも引き連れて)去って行った。
一人ぼっちになった僕は、Yに触られていたほっぺたに自らの手を添えて、間接的なスキンシップを楽しみつつ、しばらく、余韻に浸った。
股間は膨らんだままだった。
~「中」へ続く~