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膝が痛くなって整形外科を受診しますと、最初は必ずレントゲンを撮ります。まず骨に異常がないかを調べるわけです。画像を見て異常なければ、次はCT画像を撮ることもあります。「どこに原因があるのか探ってくれているから有難い」と思われるかもしれませんが、これらはマニュアルに沿って進められています。

営業マニュアルや調理マニュアルがあるように、医師にもマニュアルがあります。患者が訴えるいろんな症状に応じて、病名を突き止めていくわけですが、膝が痛い程度のことでしたら、整形外科としても日常茶飯事なのでおそらく手慣れたものでしょう。

最近の医者は患部に触ることがほとんどありません。患者の顔すら見ないことも多く、画面ばかり見ています。レントゲン写真などは、昔のようなフィルムではなく、デジタル画像になっていますので、パソコンの画面を医者は見ています。そしてカルテも紙ではなく、電子カルテになっていますので、患者と話をしながらも、せっせとキーボードを打って会話の内容を打ち込んでいるのです。

これはマニュアル通りの医者です。

しかし、患者は膝が痛いと言っているのに、もし医者が股関節を触り始めたとしたら、あなたならどう思いますか?

何も言わずに股関節を触り始めたら「私が痛いのは膝ですけど?」と不信になって言うことでしょう。しかし「膝が痛くなる原因は股関節にあるかもしれませんから、少し触ってみますね」と言ってから触られたら、あなたは安心するはずです。

このように、膝が痛いのに、原因は膝ではないかもしれないと診察してくれる医者はほとんどいません。よほど痛みの症状や見た目に変化がない限り、通常のマニュアル通りに進んでしまいます。

だからだと思うのですが、私の整体院には整形外科で納得いかなかった人がよく来られます。膝が痛い、腰が痛いと訴えても「加齢です」と言われ、湿布薬しか出してくれないと言われます。あるいは「膝が痛くてヒアルロン酸を何度も打っているが、一向に治らない」と言われる人も多いです。中には「手術を勧められたけど、したくないからなんとかしてほしい」と、言われる人もあります。

確かに年を取ると痛みも出るし、軟骨もすり減ります。しかし、膝が痛いからと言って膝に原因があるとは限らないのが実情です。ところが今の病院ではそういう考え方でマニュアル作成できていませんから、膝が痛い場合、膝関節以外を診察することはほとんどありません。

でもよく考えてみてください。体は一つです。体は常にバランスを取って成り立っています。膝が痛くなる原因を探るためには、患者をよく観察してほしいと私は常に思っています。立ち姿、歩く姿、座る姿を観察すれば、どの関節、どの筋肉に大きな負担をかけているか、だいたいわかります。でも残念ながら病院ではそういう診かたをしません。

なぜなら、病院というところは「対処療法」だからです。病気になったことに対処する所なので、なぜ病気になったか原因追及してくれる所ではありません。言い換えれば、痛みを発している個所を見つけ対処はするけど、なぜ痛みが出たのかは関係ないということです。以前私が皮膚科に行った時、それを思い知りました。

ふくらはぎに虫刺されがたくさんあって、あまりに痒いため皮膚科へ行ったんです。医者は足をチラッと見ただけで、「薬出しておきましょう」で終わりました。「これは何に刺されたんでしょう?」と尋ねると「そんなこと知らんよ。ここはそれを考えてあげる所ではなく、何で治すか処方する所ですから」とハッキリ言われました。

原因は、ノミなのか、ダニなのか、ムカデなのか、そんなのは医者には関係ないということです。私は患部を治したいのはもちろんのこと、原因を知り再発しないための対策を教えて欲しかったんです。それを真っ向から否定されました。病院とはそういう所なんです。

だから膝が痛い原因なんて考えてくれないし、対策も自分でどうぞというスタンスです。多少、リハビリと称してやってくれる所もありますが、基本的には自分で何とかするしかないんです。だから私のところへ相談に来る人が増えています。私は持っている知識で安心させてあげることしかできませんが、「病院ではそんな説明してくれなかった」「なるほど、そうだったのか」と、みなさん納得されます。

膝が痛む原因は膝関節にありません。患者が膝が痛いと訴えても、それは「膝関節が痛い」わけではなく、「膝に付着している筋肉が痛い」のが原因です。その話はまた別な機会にご紹介しますね。

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