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若い人の間では、睡眠時間が少ないことを自慢する人もいます。「俺はそれだけ忙しいんだ」という自己表現のひとつです。ようするに、自分の存在価値を高めようとしている言葉でもあるわけです。でも中高年になれば、むしろいっぱい寝たことを自慢しましょう。夜中に一度も起きないことがあれば、自慢できる話になります。高齢になれば、眠れない人が多くいますからね。

アルツハイマー型認知症の原因のひとつである「アミロイドβ」(異常タンパク質)は、脳内のリンパ系に相当する「グリンパティック系」(グリア細胞とリンパ系を合わせた造語)を介して、脳の外へ排泄されています。睡眠不足だと、このしくみが正常に働かなくなり、アミロイドβの蓄積が加速して、認知症リスクが高まるようなのです。

睡眠不足は体に良くないということは誰でも知っています。でも、なぜ良くないのか? ちゃんと説明できる人は少ないでしょう。軽くこんな感じで説明されると、分かった気になります。でも専門家ではないから、こんな程度で十分ですよね。

睡眠不足で起きている時間が長くなりすぎると、脳の神経細胞の活動時間も長くなり、それがアミロイドβの余分な生成につながるという説もあります。アミロイドβを排泄して認知症を避けるためには、睡眠不足を解消して、深い眠りを確保することが大切です。「寝る子は育つ、寝る高齢者は認知症になりにくい」のです。

私は睡眠と成長ホルモンの関係かと思っていました。成長ホルモンは、子供の時だけではなく、大人も出ていますからね。人間は寝ている間に体の修復をします。細胞レベルの話ですが、睡眠時間が短くなると、修復が間に合わなくなるのでダメなんだと思っていました。確かにそういうこともあると思われますが、「動物はなぜ眠るのか?」ということを今度ちゃんと考えてみたいと思います。

睡眠障害を防いで、認知症リスクを下げる方法
(1)朝起きる時刻を決めて、起きたら朝日を浴びる
(2)日中はできるだけアクティブに過ごす
(3)30分未満の昼寝をする
(4)夕方以降は強い光をできるだけ浴びない
(5)カフェイン飲料とお酒を控える
(6)眠る約90分前に浴槽入浴をする

よく聞くことが書いてあります。でもなかなかできませんよね。どうすればこれを実行することができるのか? その方法論の方が知りたいくらいです(笑)

でも、病院に入院されている患者さんは、夜になるとちゃんと眠りますね。朝の早い人はいますけど。入院してたら一日何もしないわけで、ほとんどベッドで過ごしているのに、夜には眠れるのが不思議です。睡眠障害って、本当のところ、もっと原因があるような気がしてきます。やっぱりストレスでしょうか? それとも自律神経の問題でしょうか? そんなこともこれから書いていきたいと思います。


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