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知っておきたいがんの種類〜保険を受けられる境目とは〜

老若男女問わず多くの方が医療保険等を考えるに
あたって、気にされる部分は「がん」の保障では
ないでしょうか。

一口にがんと言っても、がんには様々な種類が
存在します。

「がんと診断されたら100万円」という条件も、
がんに罹患した際に、支払えるか支払ないかの
境目があります。

保険会社も何でもかんでも支払うわけにはいきま
せんからね。

ここは、保険をご提案する側である我々が、
お客様に必ずお伝えしなければならない部分
ですが、皆さまもぜひこのがんの種類について
理解を深めておいていただきたいと思います。

そもそもがんの種類は?


がんは大きく分けて3つの種類に分かれます。

🫁癌腫

これは上皮細胞である消化管や気道などの内側、
体の表面、臓器などに発生するがんです。

例えば、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がんなど
が挙げられます。

💀肉腫

これは非上皮細胞である骨や筋肉などに発生する
がんです。

例えば、骨肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫などが
挙げられます。

これらは2つまとめて固形がんとも言われます。

🩸血液がん

血管や骨髄、リンパ節の中にある白血球などの
細胞に発生するがんです。

例えば、白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫などが
挙げられます。

これら3つががんの大きな3分類と言えます。

では、次に区別しておきたい点として、

「がん」と「癌」の違いです。

一般的に、「がん」はがん全体を指します。
そのため、上記の癌腫、肉腫、血液がんなと
すべてを総称したものです。

一方で、「癌」は「がん」の中でも、癌腫を
主に指す言葉です。


続いて、「がん」という言葉に代わる用語です。

「がん」は「悪性新生物」「悪性腫瘍」などと
呼ばれます。

全て同義ではありますが、
それぞれの使い分けとしては、

「がん」は主に臨床学
「悪性新生物」は主に病理学
「悪性腫瘍」は主に統計学

で使われるという区別ができます。

そのため、保険会社で「がん」かどうかを判断
する場合は、一般的に医療機関からの診断書を
元に病理学的に判断をします。

よって、保険会社が支払う条件としては、
「がん」ではなく「悪性新生物」と表記している
ことも多いです。

では、最後に押さえておいていただきたい点
として、「がん」には悪性や良性といった境目
が存在します。

がんの境目を識別するには形態コードと呼ばれる
ものが存在します。

国際疾病分類/腫瘍学 第3版(ICDO3)では
以下のように分類されています。

/0 ・・・ 良性
/1 ・・・ 良性または悪性の別不詳
/2 ・・・ 上皮内癌
/3 ・・・ 悪性、原発部位
/6 ・・・ 悪性、転移部位
/9 ・・・ 悪性、原発部位または転移部位の別不詳

一般的に保険会社が支払いとしている「がん」
とは/3、/6、/9のいわゆる悪性腫瘍です。


近年は、/2の上皮内癌も対象とする保険商品も
増えてきました。

上皮内がんは、人間の組織はいくつもの層に
なって組織が形成されていますが、細胞の下に
「基底膜」と呼ばれる組織があり、これより
下に浸潤したものを指します。

基底膜より下に浸潤すると、血管などにも
触れてくるため、転移の可能性が高まると
言われています。
そのことから、上皮内がんであるうちは、
生存率も高い確率であることがデータとして
あります。


では、注意すべきは、/0、/1 です。

/0は名前の通り良性のため、悪性腫瘍ではあり
ません。

また、/1については、まだ現時点では悪性かどうか
判断ができないといった場合の分類です。

しかしながら、/0、/1 の場合でも医師は患者に
「がん」と伝えることもあります。

そういった場合は、「がんと診断されたから
一時金が支払われる」と思ってしまいますよね。

しかし、実際には対象外のためお支払いとなる
ケースはほぼありません。

そのため、保険に加入して「がん」と診断された
際に保障されるのは、「悪性新生物」、場合に
よって「上皮内がん」と認識しておくことが
間違いないでしょう。

その他にも、90日以内に発生したがんの場合や、
悪性黒色腫以外の皮膚がんなど、支払いが
できないと個別に定めているがんもありますので
しっかり「支払条件」は確認しておきましょう。

ぜひ、がん保険やがん保障を検討されている方は
今回の記事で取り上げた違いは押さえておいて
ください。

それでは。

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