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ロボモフ
2020年11月7日 01:16
幾度も母はバスのように通り過ぎた。呼び止めるにはまだ僕の声は小さすぎた。手をつないだことはあっても、切り離された記憶に上書きされてしまう。母であったものが多すぎて、母であったものを思い出すことができない。昨日の母をたずねてもほとんど意味のないことだ。母は一定のとこころに留まってはいない。既にそこは駐車場か何かに変わっていることだろう。 無数のヌーのように父は私の前を通り過ぎました。私の言葉は
2020年9月15日 02:02
客足が止まらないのは土曜の夜のことだった。次々と訪れる客に声を張り笑顔を保ち続ける内にのどが渇いた。時々思い出したように水分を補給した。そのチャンスは数少なかった。平日の夜は、随分と違った。僕は自分の好きな時に水を飲むことができた。訪れる客は限られていた。それも徐々に少なくなっていき、間が開き始めた。接客の合間に、私はnoteを開き、マンガを読み、マガジンを読むことができました。 時々客がみ
2020年8月28日 00:36
エンドロールに背中を押されて、僕はレーサーになった。密度の高い学習の成果ですぐに素晴らしいタイムを弾き出した。だが、世界は思うほど甘くはなかった。次々に新しい奴に追い抜かれていく。僕には基本がないことは明らかだった。 エンドロールに押し出されて私はスパイになった。ハイテク機器と母譲りのとんちを駆使して各国の機密情報を持ち帰った。ほとんどのミッションは問題なくクリアできたが、希に正体がばれて命
2020年8月8日 22:51
言葉に刺があった。あなたは何も感じないのだろう。僕にとってはあなたの発する言葉のほとんどに刺があった。僕に当てたものもそうでないものも。それでも僕は巻き込まれるように傷を負った。一つ一つは小さな刺だった。一日そばにいれば全身に突き刺さるようだった。他の人はどうか知らない。僕には人間の言葉でさえなかった。人間の言葉として聞くほどに傷つくことは避けられない「はあ?」胸の内に湧いてくる違和感を決し