お読みいただき、ありがとうございます。
感想等のコメントも心から嬉しいです。
私の知らないどこかで誰かに「次も読みたい」と楽しみに思っていただけるような小説を書けたらなと、すぐに…
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#ラジオ
【16ビートで命を刻む君と、空虚めな僕のこと。】#3
>>僕 #3
「そんな、バナナ。」
そうやって笑い飛ばしてしまえればいいことで、人は随分とよく悩む。家に着き、ちょうど玄関先で鍵を開けていたところで、同期の山仲から電話がかかってきた。
「よう、相変わらず?」
「まずまずかな」
何がどうまずまずなのかは全くわからないけれど、少なくとも今日という一日はイマイチよりのまずまずだったな、と苦虫を噛み潰しながら、履いていたクロックスを脱ぎ捨てる。
【16ビートで命を刻む君と、空虚めな僕のこと。】#4
●前話
>>僕 #4
"職場のある新宿まで一本で行ける割に、地価がある程度安い" たったそれだけの理由で、僕は仙川という街を東京で暮らす最初の居住地に決めた。それなのに、僕が入社した年から会社はフレックスタイム制とリモート制の導入を始めた。そうでなくともインドア派の僕だ。会社にすら行かなくなったら、ほぼ家で過ごすことになる。こうしてほとんど使われることのなくなった新宿行きの定期で、久しぶりに改