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地味に続く介護

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故郷に残る一人親への対応を中心に、関連する話題を書いてまとめています。黄昏時のサラリーマンが直面しつつ、あまり会話に出てこない内容なので、斜め読みして頂くことで取っ掛かりとしてお…
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#サラリーマン

介護離職よりも外注化に向け努力し、勤務を継続すべき

介護離職よりも外注化に向け努力し、勤務を継続すべき

こう言うと申し訳ないのですが、雨も降る降る詐欺状態。結局今日は雨に見舞われずに済みそうです。

さて、……

介護の問題。我が家はたまたま母を受け入れてくれる施設があったから良かったものの、もし見つからなかったらどうなっていたのか、と考えることがある。これ、決して珍しい話ではないと思う。

こんなことを考えたのは、ちょっと知っている人が介護離職したと人づてに聞いたからだ。地方の場合、介護施設も選択

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成年後見制度に関する記事を読み、問題点がよりクリアになった気がする

相変わらず暑い日が続いております。あなたが健康を損なっていないことを心からお祈りしております。

さて……

以前、成年後見制度について自分の気付きを書いたことがある。シリーズなので、このあたり以降の記事をお読み頂ければ幸い。

割とそれに近い内容の記事が雑誌「東洋経済」に掲載されていた。

基本的な問題意識は同じ。かつて後見人を親族に任せていたが横領が頻発、だから法的有資格者に成年後見人を委ねる

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iPadを用いたFaceTimeアプリでの母との面会

iPadを用いたFaceTimeアプリでの母との面会

あなたのご両親は、健やかにお過ごしだろうか? できるだけその期間が長く続くことを、私も心から願っている。

残念ながら私の母は、転倒による大腿骨の骨折を契機に独居は困難となり、老人ホームに入居した。今母がお世話になっているホームでは、ずーっと家族との直接の面会を断っている。コロナ禍のため、これはやむを得ない措置だろう。

ホーム側の視点に立てば、万一施設内で新型コロナウイルスが蔓延、最悪クラスター

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在宅介護はかなりの力技、施設の利用は合理的な選択肢

在宅介護はかなりの力技、施設の利用は合理的な選択肢

日々のお仕事、お疲れ様です。

私は元々離れて住んでいた母を、老人ホームに入居させている。その選択は決して間違っていないと思うし、その自信もある。

しかし、世間的な評価はそうではない。

①親の面倒を見るのは子として当然の務め。人に任せるなどあり得ない。
②親を捨てたのではないか。
③親が住み慣れた自宅を離れざるを得ないなんて、気の毒。

といった批判の声は、割とよく聞かれるものだろう。

①そ

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コロナ禍でのさまざまな制約にも、めげず顔を上げて

コロナ禍でのさまざまな制約にも、めげず顔を上げて

緊急事態宣言が延長・継続、更に新規に宣言が発出された県も出てきた。

実家のある県も感染者数がかなり増えている。先のGWで帰省しなくて良かったと心から思う。

というのは、自分が帰省道中や実家近辺での感染を回避できたのもあるが、それよりも私の東京からの帰省と実家近辺での今の感染拡大を結びつけられて批判されるリスクを(結果的に)回避した、と考えられるからだ。

私は、大学への進学を機に上京し、爾来実

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実家のモノの有り様から、自宅のモノの持ち方を考える

実家のモノの有り様から、自宅のモノの持ち方を考える

人は、あの世にモノを持っていけない。人間は裸一貫で生まれ、死んでいくからだ。

少なくとも、生きていた時に持っていたモノは、そのままこの世に物理的に残る。このことは疑いようがない。亡父の相続手続を進める上で、雑多としか言いようがない様々なモノと格闘した経験からも、それを実感する。

今は人が住まなくなったとはいえ、まだ実家がある。だから、直ちに整理・処分をしなくても済んでいる。しかしながら、この状

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お年寄りを狙うことに感じる人間の業

お年寄りを狙うことに感じる人間の業

私は父が急逝した直後に、遺品整理を行った。忘れていた私自身の私物も含めいろいろなものが出てきたが、その際にやたらと家の修理の契約書が出てきて驚いた。

今回、たまたまtwitterで流れてきた以下の記事を読んで、その時のことを思い出した。判断能力の低下したお年寄りをターゲットとした商売は多種多様に、かつ今も継続して行われていることを再認識した。

道徳的にどうよ? と感じるのは恐らく正しい。でも、

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老人ホームでただ今に生きる母

老人ホームでただ今に生きる母

老人ホームに入居している母。普段はどうしているのかが謎であった。

コロナ禍で面会ができなくなるまでは、私や姉が訪問する度に「また来てね」と寂しそうに言っていた。だから、多くの時間は一人で過ごしているのかも、と考えていた。

もっとも、コロナ禍前は1ヶ月強に1回は会いに行っていたのに、「何ヶ月も来ないなんて...」と非難がましく言われたこともある。そう、前回の面会の記憶を保持できなくなっているのだ

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少しずつ、捨てる側に立ち位置が変わる

少しずつ、捨てる側に立ち位置が変わる

母の介護に関わるようになってから、「自分もどう老いていくのだろう?」と考える機会が増えた。母に起こったことは、そのまま自分にも起こりうることでもある。

とりわけ、今は空き家となった実家に残されたものの整理に関わると、不要なものがたくさん出てくる。モノのない時代に育った父母は、何でも大事に取っておく習性が身に付いている。

ものを大事にするのは悪いことではない。最近は聞かなくなったが「モッタイナイ

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マイナンバーカードの電子証明書有効期限通知書が来た

マイナンバーカードの電子証明書有効期限通知書が来た

亡父は生前、マイナンバーカードの作成にこだわった。あまりその意味を理解していたとは思えないのだが、懇願に応えて私が顔写真を撮影し、ネットで申し込んだ。そのカードが実用されることは、やはりなかったけど。

亡父は自分の分だけでは飽き足らず、母にもその作成の必要性を説いた。母もやはりよく分からないまま、亡父の熱意に従ってマイナンバーカードを作成し、現在に至る。

今年は父母がマイナンバーカードを作成し

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介護をしている立場で女性蔑視発言を考えると

介護をしている立場で女性蔑視発言を考えると

私は、老母を遠隔介護している。

昨今世を騒がせてきた女性蔑視発言が、会長辞任という状況を招いた。介護者の立場からは、この発言も少し変わって見える。

まず、会長(執筆時)には恐らく全く悪意がなかったこと、推測だがもっと言えばウケると思ってしゃべっていたことは指摘したい。

昔から失言癖があり、舌禍を招いていた。ただ、そういう人は意外とサービス精神が旺盛である。誰かにマウントを取りたいとか、傷つけ

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年を取っても頭脳明晰の是非

年を取っても頭脳明晰の是非

多くの人が、年を取って記憶が失われたり思考能力が損なわれたりするのを恐れ、いつまでも頭脳明晰でありたいと願っている。

但し当然のことながら、若い頃より更に頭脳明晰になるのを望むのは無理であろう。そこまでは望まなくても、できるだけ現状を維持したい人は多い。

この点は、もう少し考えるべきだと思っている。多くの人が痴呆症を恐れているのだけど、それを脇に置いて、なお本当に全てのことをいつまでも覚えてい

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実家の維持⑫(代わっての契約は事実上実施済だが)

実家の維持⑫(代わっての契約は事実上実施済だが)

前回のロジックをよくよく考えてみた。するとこのロジックの過程で、実は本人が自ら成年後見制度の利用を希望した、更にそれに関わる費用も自ら支払いたいとの意思を表示した、等ということはあり得ないことに気付いた(任意後見の場合を除く)。

この制度の根幹に関わる部分おいて本人意思が十分に踏まえられているとは言いがたい。ただ社会福祉や社会通念における必要性のみを根拠として本人の費用負担としている点は、その正

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