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在宅介護はかなりの力技、施設の利用は合理的な選択肢

日々のお仕事、お疲れ様です。

私は元々離れて住んでいた母を、老人ホームに入居させている。その選択は決して間違っていないと思うし、その自信もある。

しかし、世間的な評価はそうではない。

①親の面倒を見るのは子として当然の務め。人に任せるなどあり得ない。
②親を捨てたのではないか。
③親が住み慣れた自宅を離れざるを得ないなんて、気の毒。

といった批判の声は、割とよく聞かれるものだろう。

①それでは、そもそも施設に預ける=親の面倒を見ていないということなのだろうか?

子といえども、介護についてはズブの素人。慣れた人の方が対応がスムーズなのは間違いない。それに、特に子がまだ現役世代の場合、日中の対応は基本的に難しい。

そういう現実を見ない批判は、聞き流すしかないと考える。

②次に、施設に預ける=親を捨てた、なのであろうか?

預けるからにはそれなりの費用がかかる。それも払わないならともかく、毎月掛かる費用を払い続けているのであれば、捨てた等と言われる覚えはないと考える。

加えて、施設へある程度の間隔で会いに行くのであれば、捨てたという批判は全くあたらない。

③最後に、住み慣れた自宅から離れる=気の毒、なのだろうか?

住み慣れた家には、大抵手すりもない。母の旧宅(私の実家)もそうである。実は、まだ亡父が存命中に「市からの補助も出るみたいだから、廊下に手すりを付けたら?」と勧めたことがあった。

しかし「そんなことをしたら、それだけ廊下が狭くなる」という反応で実現しなかった。亡父はそういう経験をすることもなかったが、母は転倒して大腿骨を骨折することとなった。

それが、自宅を離れる遠因となったのだから、皮肉だとしか言いようがない。少なくとも、自力歩行が困難になった後に手すりをつけても後の祭りで、その環境で自宅での生活を継続する方が気の毒だと考える。

以上の考察のように、いずれの批判も当を得たものではないと考える。それ以上に、人知れず介護の現場で頑張っている人達に対して、あまりにも失礼ではなかろうか?

親のために(もちろん、子のためであっても)、自分を犠牲にする考えは正しくない。その気持ちは、施設に預けた後に自らの態度で表せばそれでよい。私はそう思う。


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