お年寄りを狙うことに感じる人間の業
私は父が急逝した直後に、遺品整理を行った。忘れていた私自身の私物も含めいろいろなものが出てきたが、その際にやたらと家の修理の契約書が出てきて驚いた。
今回、たまたまtwitterで流れてきた以下の記事を読んで、その時のことを思い出した。判断能力の低下したお年寄りをターゲットとした商売は多種多様に、かつ今も継続して行われていることを再認識した。
道徳的にどうよ? と感じるのは恐らく正しい。でも、この記事を書かれた方のように、それで生活を成り立たせている人は確かにいるんだよなあと思うと、ものごとは単純ではないなあとも感じる。
もちろん、オレオレ詐欺は論外だし、弱者であるお年寄りに対して暴行・脅迫等を以て強引に契約を結ばせたのであればそれもアウトであるけれど、大抵の業者はそこは弁えている。
家屋の場合、古くなればどうしても経年劣化でガタがくるし、本格的に壊れる前に予防的な修繕が必要なのも間違ってはいない。もし自分が事前に相談されても、建築系の人間ではないため的確にアドバイスできた自信もない。
真っ当と論外の狭間のグレーゾーンで、今日もどこかのお宅で本当に要るのかが疑わしい契約がなされているのだろうと考えると、それも人間の業というものなのだろうと感じてしまう。
ハイエナは「死肉を漁る」ことからイメージが悪いが、彼らがいないと中途半端に傷んだ肉が放置されることになる。そうなると腐臭が満ち、環境にもよくない影響を与えることが想定される。
そんなことを考えると、行為自体に好感を持てない存在にも、何らかの意味はあるのだろうとも考えてしまう。
以前、社会問題化した商法に老後の財産をつぎ込んだ親がいた。子が詰め寄ると「でも、あの人達はよくしてくれたよ。お前達と違って、話をよく聞いてくれたし」と言い返されて絶句したという話を週刊誌の記事で読んだ。
子の側も、親の気持ちに寄り添いニーズに応えてきたかが問われることを教えてくれたこの話は、我々世代が教訓にすべき先例だったと思っている。
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