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年を取っても頭脳明晰の是非

多くの人が、年を取って記憶が失われたり思考能力が損なわれたりするのを恐れ、いつまでも頭脳明晰でありたいと願っている。

但し当然のことながら、若い頃より更に頭脳明晰になるのを望むのは無理であろう。そこまでは望まなくても、できるだけ現状を維持したい人は多い。

この点は、もう少し考えるべきだと思っている。多くの人が痴呆症を恐れているのだけど、それを脇に置いて、なお本当に全てのことをいつまでも覚えていたいだろうか?

私個人としては、過去のさまざまなできごとにも覚えていたいことと忘れたいことの二種類があり、覚えていたいことだけを記憶に留めたいという虫の良い願望を持っている。

長く生きてくれば良いことばかりではないし、できればイヤなできごとは記憶から消し去りたい。そう願うのは、悪いことではあるまい。

過去は変えられず、たまにではあるが過去の失敗がふと脳裏に浮かんで気分が沈むくらいなら、きれいさっぱり忘れられた方が幸せだと思う。ただ、しっかり覚えているのは確かにイヤだけど、忘れたことを認識できるうちは、別の辛さが生じるのだが。

また思考能力も、ある程度失われるのは仕方がない。昨今ではこれについてさまざまな研究が行われ、能力が失われる速さをある程度遅くする方法も開発されつつある。

自分の老後本番で、記憶と思考能力に対するどのようなアプローチが生まれているのか、楽しみでもあり怖くもあり。

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。